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地方自治法(監査制度) 第72回

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        ★ 過去問の詳細な解説  第72回  ★

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                    PRODUCED BY 藤本 昌一
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  【テーマ】
  
     地方自治法(監査制度)        


  【目次】   問題・解説


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 ■ 問題 平成21年度問題 22
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   地方自治法の定める監査制度に関する次の記述のうち、正しい
 ものはどれか。

 1 戦後、地方自治法が制定された際に、監査委員による監査
     制度のみならず、外部監査制度についても規定された。

  2 普通地方公共団体の事務の執行に関する事務監査請求は、
  当該普通地方公共団体の住民であれば、1人でも行うことが
    できる。

  3 普通地方公共団体の事務の執行に関する事務監査請求は、当
    該普通地方公共団体の住民であれば、外国人でも行うことがで
  きる。

  4 監査委員による監査は、長、議会または住民からの請求があ
    ったときにのみ行われるため、その請求がなければ監査が行わ
    れることはない。

  5 監査委員の監査の対象となる事務には、法定受託事務も含ま
    れている。

 
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 ■ 解説
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 ◆  肢1について

  現行地方自治法(昭和22年4月17日法律67号)制定に際し、
 監査委員による監査制度が制定されたとするのは、正しい。
  
  しかし、外部監査制度は、平成9年の改正によって新しく導入
 されたものであるので、本肢は誤りである。

   頭の隅に、外部監査人による監査の制度は後から導入されたもの
 だという意識さえあれば、本肢は即正解だ!

  《参考事項》

 ア 監査委員は、必要的委員(委員会)として、すべての地方公共
  団体に必ず置かなければならない(地方自治法180条の5第1
  項4号)。

 イ 外部審査制度→一定の資格等を有する外部の専門家が、地方
    公共団体との契約によって監査を行うものである。
   従来の監査委員の監査より独立性と専門性を強化したもので
   ある(地方自治法252条の28第1項)。

  注

  外部審査制度に焦点を当てた過去問として、2000(平成12)
  年・問題20がある。

  なお、以下の肢に注意!

  外部審査制度が設置された地方公共団体については、これまでの
  監査委員は、条例の定めるところにより、廃止することができる(
 前記問題20・肢4)。

   いわゆる外部審査制度の導入により、地方公共団体は、公認会計士、
 弁護士など、外部の一定の資格の資格ある者(外部監査人)と外部監
 査契約に基づいて、その者の監査を受ける場合は、従来の監査委員を
 おかないことができることになった《2005(平成17)年問題
 18・肢4》

  前記《参考事項》アの必要機関としての監査委員の地位に照らし、
 いずれも×。

 
  ◆ 肢2について

   地方自治法12条2項によれば、普通地方公共団体の住民は、その
 属する普通公共団体の事務の監査を請求する権利を有する。
 しかし、地方自治法75条1項によれば、選挙権を有する者が、有
 権者総数の50分の1の連署をもってしなければならないことになっ
 ている.

  本肢は誤りである。

  《参考事項》

  地方自治法242条の規定する住民監査請求との比較

  この住民監査請求制度は住民が1人でもできる。
 
  請求の対象については、事務の監査請求が事務の執行全般に及ぶ
  (199条1項・2項参照)のに対し、住民監査請求は、財務会計上
  の行為(242条1項参照)である。

   請求の相手方は、いずれも、監査委員である。

 注

  地方自治法の体系からすれば、事務の監査請求が「直接請求」
  制度の一つであるのに対して、住民監査請求は、「直接請求」
 以外の「直接参加」の制度として、財政コントロールを目的と
 する。

   ◎ 参考事項については、過去問で繰り返し問われている。

 
 ◆  肢3について

   地方自治法75条1項の規定する事務の執行に関する監査請求は、
   地方自治法12条2項によれば、「日本国民」に限られている。
 
  本肢は、誤りである。

 
 《参考事項》

 
   「地方公共団体の住民」の概念は整理をしておかないと、混乱
    を生ずる。

    (1) 地方自治法10条1項が基本⇒「市町村の区域内に住所
    を有する者」となる。したがって、具体的には、当該地方
        公共団体の区域内に住所を有する者となる。

     この要件を満たせば、外国人、法人も住民となる。

  (2) 本肢でみたとおり、事務の執行に関する 監査請求は、
    「日本国民」に限ることになるのに対して、 住民監査請
     求においては、日本国民に限るとされていない(地方自
         治法242条1項参照)。
        
    以上からすれば、住民監査請求では、住民なら、法人でも
      外国人でも、住民監査請求ができるのである。


 ◆  肢4について

   監査委員による監査は、定例監査(199条4項)、随時監査(同条
  5項)があるので、本肢は正しくない。


 ◆ 肢5について。

   地方自治法上、法定受託事務全般を対象外とする規定はない。
    地方自治法199条2項によれば、一定の場合を除き、法定受託事務
  に及ぶことになっている。
  
    したがって、本肢は正しい。

 
 《参考事項》

 
 ☆ 法定受託事務
 
   国などから地方公共団体に委託するものである。

  地方自治法において、第1号法定事務と第2号法定事務について
 定義されている(同法2条9号)。

   第1号は、「国が本来果たすべき役割に係るもの」であり、第2号
 は、「都道府県が本来果たすべき役割に係るもの」である。

 
 ☆ 類似の過去問

   監査委員の権限は、地方公共団体の事務のうち、いわゆる自治事務
 を対象とするものであって、法律に特別の定めのない限り、法定受託
 事務には及ばない《2005(平成17)年問題18・肢1)。

  当然×

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   以上、本問に関しては、類似の過去問もあり、基礎知識さえあれば、
 難なく正解である5を導くことができる。

 しかし、この際、関連事項に関する知識もしっかり把握しておきたい。

 
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 【発行者】司法書士 藤本 昌一

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