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民法 第94回
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★ 過去問の詳細な解説 第 94 回 ★
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PRODUCED BY 藤本 昌一
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【テーマ】 民法
【目次】 問題・解説
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■ 平成22年度問題45(記述式)
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Aは、Bから金銭を借り受けたが、その際、A所有の甲土地に抵当権が
設定されて、その旨の登記が経由され、また、Cが連帯保証人となった。
その後、CはBに対してAの債務の全部の全部を弁済し、Cの同弁済後に、
甲土地はAからDに譲渡された。この場合において、Cは、Dを相手に
して、どのような権利の確保のために、どのような手続を経た上で、ど
のような権利を行使することができるか。40字程度で記述しなさい。
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■ 解説
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● 図示
B 債権者兼抵当権者
↓ ↓
C 連帯保証人 A 債務者兼抵当権設定者
甲土地 → 第三取得者 D
○ ポイント
1 連帯保証人Cの債務者Aに対する求償権
「CはBに対してAの債務の全部を弁済し」たのだから、Cは、
Aに対して求償権を有する(459条以下・ただし、連帯は問題
にしなくてよい))。
2 弁済者CによるBの有する抵当権の行使(500条 ただし、
Cは≪連帯≫保証人であるから、法定代位になることに注意!
・501条本文)
弁済による代位または代位弁済により、弁済者Cの求償権を
確実にするため、弁済を受けた債権者Bの有する抵当権を代位
できるのである。
3 代位の付記登記
ア 「保証人の弁済後に第三取得者が生じたときは第三取得者の
出現前に代位の付記登記をしておかなければ、保証人は第三
取得者に対して代位できない(501条但書1号・「あらか
じめ」とはこのような趣旨と解されている)。保証人が弁済
したから抵当権は実行されないと思って買った第三取得者を
保護するためである」【後掲 内田民法 参照】。
イ 弁済の後、付記登記前に、第三取得者を生じたときは、もは
や代位の付記登記はできない(昭和11・5・19)
ウ 第三取得者の出現後に保証人が弁済したときは、付記登記は
不要とされる(昭和41年11月18日)。抵当権付で不動産
を取得した第三取得者は、もともと抵当権の負担を覚悟してい
るべきだからである。【後掲 内田民法 参照】。
B Cの代位 時の順序
ア 弁済→付記登記→Dの出現
↓
イ 弁済→Dの出現→付記登記不可
ウ Dの出現→弁済→付記登記不要
C A → D
弁済
◎ 本問の解答
本問の事例は、前記 ○ ポイント 3 イ によれば、付記登記
不可に該当する。
・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・
本問において、「求償権の確保のため、代位の付記登記手続を経た
・・ ・・・・・・・・・・・・・・
上で、抵当権を行使することができる」という解答を求めるならば、
事例自体を 前記 ○ ポイント 3 ア に変更しなくてはならな
い。
つまり、付記登記に関していえば、
Cの弁済後に、甲土地がAからDに譲渡される前に、Cはどのよう
な手続きを経る必要があるかということが問われなくてはならない。
もし、
弁済後、第三取得者Dが出現すれば、この後、付記登記はできないの
だから、付記登記は、Dの出現前に行うことは当然の前提であるという
のであれば、正解は前述した、・・・・・・・ということになる。
しかし、
前述したように、時の順序は本問では重要な論点であるのに、これを
無視した出題には疑問が残る。また、本問では連帯保証となっているの
にこれが利いておらず、連帯に特有な論点がないことにも疑問が残る。
★ 参考文献
民法三 内田 貴 著・東京大学出版会
民法 2 ・ 我妻栄/有泉亨著・勁草書房
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【発行者】司法書士 藤本 昌一
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【E-mail】<fujimoto_office1977@yahoo.co.jp>
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