行政書士試験独学合格を助ける講座

会社法オリジナル問題 第18回

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             ★ オリジナル問題解答 《第18回 》 ★

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                     PRODUCED BY 藤本 昌一
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  【テーマ】  会社法

   
    
  【目次】    解説

              
   
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 ■   オリジナル問題 解説
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  問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第104号に掲載してある。

 
 ☆ メルマガ第104回はこちら
            ↓
   http://archive.mag2.com/0000279296/index.htm
 
 
 ★ 参考文献
   
  会社法 弘文堂 / 会社法入門 岩波新書 ・ 神田秀樹著

 
 
 ▲  問題 1

 
 ○ 1について

  本肢は、取締役等の第三者に対する損害賠償責任を規定した会
 社法429条からの出題である。

   本条の趣旨

  取締役等がその任務に違反した場合には、本来は会社に対する
  関係で責任を負うにすぎないが、その結果、株主や会社債権者が
  損害を受ける場合を想定し、会社法は、取締役等に会社以外の第
  三者に対する特別の責任を認めたものである(前掲書 会社法)。

  429条1項の前身である改正前商法266条ノ3第1項につ
  いて、最高裁の大法廷判決(最大判昭和44・11・26民集
  23−11−2150)は、取締役の任務懈怠と第三者の損害の
  因果関係について、本肢のように判示しているので、本肢は正し
  い。

  なお、当該判決は、重要判例であるので、その他の判示事項に
  も目を通しておくべきである。

    ちなみに、当該取締役の責任は、第三者に対する責任であるか
   ら、総株主の同意があっても免除できないのは当然である
  (424条参照)。

 
 ○ 2について

    本肢は、847条が規定する株主代表訴訟からの出題である。

   本条の趣旨

  株主代表訴訟とは、
  
  「取締役等の責任は本来会社自身が追及すべきものであるが、
    取締役間の同僚意識などからその責任追及が行われない可能
    性があり、その結果会社すなわち株主の利益が害されるおそ
    れがある。そこで、会社法は、個々の株主に、みずから会社
    のために取締役等に対する会社の権利を行使し訴えを提起す
    ることを認め、この訴訟は『株主代表訴訟』と呼ばれる」

   代表訴訟の対象になるのは、

   取締役等の責任追及(423条1項)・「違法な利益供与が
    なされた場合の利益供与がなされた場合の利益供与を受けた者
    からの利益の返還(120条3項参照)・不公正価格での株式
   ・新株予約権引受の場合の出資者からの差額支払い(212条
   1項・285条1項)である(847条1項)。」
  
  (以上は前掲書)

    本肢では、その対象になっているのは、取締役等の責任追及
  (423条1項)である。

   原告適格として、公開会社以外の会社では6箇月の要件はなく、
  単独株主でよい(847条1項・3項)が、委員会設置会社以外
    の監査役の設置されていない会社が、非公開会社に該当すること
    については、メルマガ104号《   ■  過去問 ・解説 
    ● 総説  B 》 に譲る。

   ただし、その手続として、原則は、会社にその訴えを提起する
    ことを請求することを要するが、その待機期間である60日の期
    間の経過により株式会社に回復することができない損害を生ずる
    おそれがある場合には、株主は代表訴訟を提起できる。

   以上のとおり、直ちに訴えを提起することができる場合がある
    ので、本肢は誤りである。本肢が正解である。


 ○ 3について

   本肢は、株主の権利としての株主の監督是正権・単独株主権に
    該当する取締役等の違法行為差止権が問われている(360条)。

   論点は二つある。

   その一つは、監査役又は委員会が設置されている株式会社は、
    公開会社である場合と非公開会社があるが、本肢の会社は非公
    開会社であるとされているので、行使前6か月の保有期間の要
    件のない単独株主が当該違法行為差止権を行使できる(360
    条2項)。

   その二つは、360条1項によれば、「著しい損害」が生ず
    るおそれがあれば、当該請求ができるが、同条3項によれば、
    監査役設置会社又は委員会設置会社は、「回復することができ
    ない損害」がおそれがある場合にしか、株主は当該請求ができ
    ない。
   その理由は、監査役設置会社又は委員会設置会社では、「著
    しい損 害」が生じるおそれがある場合には、監査役または監査
    委員が差止請求をする権限を有するからである。

   以上により、本肢は正しい。

 
 ○ 4について

   取締役等の責任は、423条1項の任務懈怠が原則であるが、
   特別のルールとして、同条2項において、本肢を内容とする規
   定が規定されているので、本肢は正しい。

 
 ○ 5について

  本肢もまた、423条の任務懈怠の原則に対して、特別ルール
  として規定されたものを列挙したものである。条文を掲げると、
  428条1項・120条4項(  )書き・462条第1項 
  第2項となる。
  
  本肢は正しい。

  その他の特別ルールとしては、利益相反取引をした場合は、取締
  役等について任務懈怠が推定される(423条3項)

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  以上、誤っている肢は、2であるから、正解は2である。


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  ▲  問題 2


  ○ 肢アについて

  328条1項によれば、委員会設置会社以外の大会社で公開会社
 は監査役会を置かなければならないことになっているので、本肢の
 前段は、設置強制であって、「できる」ということではない。
  なお、327条4項参照。ここでいう「監査役」には当然「監査
 役会」も含む。

  また、326条2項によれば、株式会社は、定款の定めによって、
 任意に監査役・監査役会を設置できるので、それ以外の会社では、
「監査役会を置くことはできない」とする本肢は、この点でも正しく
 ない。

  本肢は、正しくない。

  なお、本肢では、以下の重要論点が伏在していることに注意せよ!

   これ(『大会社かつ公開会社』は監査役会設置が義務づけられ
    るの)は、改正前商法で認められていたことでもあり、上場会社
    などの大規模会社ではこのパターンに属することになる。問題は、
   『大会社かつ非公開会社』について、会社法では監査役会をを設
    置 しない道が開かれたことに意義が ある。改正前商法では、大
    会社は必ず監査役会を置かなければならなかったのを改めたので
    ある。例えば、100パーセント子会社などで規模が大きいため
    に大会社に該当するような会社は結構存在するが、そのような会
    社の場合は、 定款で全部株式譲渡制限を定めれば、つまり、非
    公開会社になれば、監査役会を置かなくてもよくなったのである。
    335条3項・390条3項によれば、監査役設置会社では、
    監査役3名以上、半数以上は社外監査役 1名以上は、常勤監査
    役であることが要求されるが、 非公開会社になれば、そのよう
    な負担から解放されるのである (メルマガ104号・余禄欄)。

 ○ 肢イについて

  327条2項により正しい。
   
     本肢では、以下の「余禄欄」参照

 
 美里「はい。327条2項本文では、取締役会設置会社は、(委員
       会設置会社を除いて)監査役を置かなくてはならないことに
       なっていますが、これは監査役会 が設置さ れていても監査
       役が置かれていること相違ありませんから、監査役会設置会
       社を含む 趣旨ですね。しかし、同条ただ し書きでは、公開
       会社でない、会計参与設置会社では監査役を置かなくてもよ
       いのですね」

 先生「すべての会社では、会計参与の設置は任意に可能であるから、
       取締役会+会計参与というパターンはある。しかし、このパ
       ターンが許されるのは、公開会社ではないことのほかに大会
       社でない ことが要求される。大会社の定義は、2条6号に
       規定されているから、これをみておくとよい。それでは、こ
       の大会社でないことはどこから導かれるか?」

 美里「ううん!・・328条2項によれば、公開会社でない大会社
       は、会計監査人設置会社でなくてはなりません。そして、3
       27条3項によれば、会計監査人設置会社は監査役設置会社
       でなくて はなりません。だから、監査役の設置をしなくて
       もよいのは、大会社以外になります」
 
 先生「つまり、取締役会+監査役(監査役会を含む)の例外として、
       取締役会+ 会計参与のパターンが許されるのは、非公開会社
       であって 非大会社である場合にしか許されないことになる。
       改正前商法では、株式会社においては、常に、取締役会+監
       査役が要求されていたが、 会社法が認めるその例外措置に
       ついては、このように限定したものになっていることに注意
       する必要がある・・・・・・・・・」

 ○ 肢ウについて

  監査役の権限

   原則・監査役は、取締役(会計参与設置会社では会計参与を
            含む)の職務の執行を監査する機関である(381条
             1項)。したがって、その職務と権限は、会計の監査
            をを含む業務全般の監査に及ぶ(会計監査を除いた部
            分を「業務監査」と呼ぶこともある)。(前掲会社法)

   例外・公開会社以外の会社(監査役設置会社または会計監査
            人設置会社を除く)では、定款で、監査役の監査権限
            の範囲を会計監査に限定することが認められる
            (389条1項)。

       本肢は、例外の389条1項(  )がきに反する
      ので、正しくない。

 ○ 肢エについて

  本肢は、335条3項の規定どおりであり、正しい。
  「その半数以上」とあるのは、過半数でないことに注意!

  なお、監査役会は、少なくても一人は常勤の監査役を選定しな
  けれ ばならない(390条3項)ことにも注意。

 ○ 肢オについて

  取締役会を置かない場合には、監査役会設置会社にも委員会設置
  会社になることもできない(327条1項2号・3号)ので、本肢
  は正しくない。

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    以上により、正しいのは、イとエであるから、正解は3である。
    
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 ▲  問題 3

 
 1について

   公開会社の定義(2条5号)はすこし、ややこしいが、要するに、
 全部株式譲渡制限会社以外の会社である。このような公開会社は、
 327条1項1号によって取締役会設置会社であることが義務づけ
 られている。ちなみに、 この場合、取締役は3名以上であることを
 要する(331条4項)。正しい。

 2について

   327条1項3号により、取締役会設置会社は、委員会設置会社を
 選択できる。ただし、委員会設置会社は、監査役を置くことができ
 ない(327条4項)ので、監査役を置いた取締役会設置会社は、
 委員会設置会社を選択できない。本肢は正しい。
 
 3について

   327条2項によると、委員会設置会社を除いて、取締役会設置
 会社は、監査役を置かなければならない。ただし、公開会社でなく
 て、会計参与を置いている取締役会設置会社は、監査役を置く必要
 はない。なお、当該会社は、大会社以外であることを要する。
  
  その論拠については、前記 ▲  問題 2 ○ 肢イ について
 参照

 本肢は正しい。

 
 4について

    3のとおり、取締役会設置会社は、委員会設置会社を除いて、原
  則として、監査役を置かなくてはならないが、 監査役を置いたた
  め、取締役会設置が義務づけられることはない。
 
   本肢が誤りであり、正解である。

  ただし、監査役会設置会社の場合には、取締役会設置が義務づけ
 られる(327条1項2号)ことに注意。


 5について

  すべての株式会社は、株主総会と取締役が最少限度必要である
(295条以下・236条)が、取締役会または監査役を設置して
  いなくても設立できる。

  本肢は正しい。

 
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  本問では、誤っているのは4であるから、正解は4である。


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 【発行者】司法書士 藤本 昌一

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