行政書士試験独学合格を助ける講座

民法オリジナル問題 第24回

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              ★ オリジナル問題解答 《第24回》 ★

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                        PRODUCED BY 藤本 昌一
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  【テーマ】  民法

   
    
  【目次】    解説

              
   
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 ■   オリジナル問題 解説
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  問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第110号に掲載してある。

 
 ☆ メルマガ第110回はこち
           ↓
   http://archive.mag2.com/0000279296/index.htm
 
 
   
  ★ 参考図書
 
     民法一 ・ 内田 貴 著・東京大学出版会
   
     民法 1 ・ 我妻栄/有泉亨著・勁草書房
 


  ◆ 本問に関しては、記述式・択一式を通じて、「表見代理と無権
  代理」の関係を考察しようとするものである。

   従来の通説によると、
  
   もし、表見代理を相手方保護のために代理権があったのと同様
  に扱う制度だと理解すると、いわば追認があったのと同じである
  から、相手方としてはまずこれを主張すべきだということになり、
  無権代理人の責任を追及認めた117条は、表見代理が成立しな
  い場合のための規定である(補充的責任)《前掲民法一》。

   現在の通説・判例(最判昭62・7・7民集41ー5−11
  33)によると、

  (1) 117条と表見代理とは独立の制度である。

  (2) 相手方は表見代理の主張と無権代理の責任追及いずれか
          を選択するかは自由であり、相手方が無権代理を主張して
          無権代理人の責任を追及しているときに、無権代理人の方
      から表見代理が成立することを抗弁として主張して責任を
          免れることはできないことになる。

  (3) 以上の解釈は、117条も表見代理もともに無権代理の
          場合に相手方がとりうる選択的な手段であるという理解を
          前提としている。つまり、表見代理も無権代理の一種とい
          う理解である。《前掲民法一》
 
     
 

  [図示]

          その一 本人と無権代理人との間に特殊の関係
                    があるために本人について代理権が真実存在す
                    るのと同様の効果を生じさせるもの(109条
                    ・110条・112条)
          
                    ● 表見代理
  
  無権代理 
   ↓
  113条〜         
    118条        その二 本人との間に上のような関係がないもの  

          ●狭義の無権代理

  
   
   ※ 以上からすれば、表見代理が成立する場合にもまた、無権代
    理(表見代理を含む)に適用される117条の適用があり。 
 
    《 当該図示は、前掲民法1の記述を参考にした》
  
 
 
 ◆ 各問の検討


  ○  [問題・1]
  
    本件事案では、99条にいう「本人のためにすることを示して
  した意思表示」、110条にいう「「正当な理由」の要件も充足
  している。
   したがって、これは、110条の権限外の行為の表見代理に該
  当する(メルマガで指摘したように、本試験の事案では、この点
  が省いてあった)。

   この場合、総説によれば、XはAに対して、「表見代理の主張
  と無権代理の責任追及いずれかを選択するかは自由であ」るから、
  解答としては、そのことを記述すればよい。
    その際、注意するのは、設問が「いかなる請求をすればよいか」
  となっているので、117条について、「履行又は損害賠償」を
  明確に示す必要がある。

   正解例としては、以下のようになるであろう。
  
  表見代理の成立を根拠とする代金請求。無権代理人の責任を理由と
   する代金請求又は損害賠償請求。
 
    45字
 
  なお、窮屈だと思えば、「代金又は損害賠償請求」などとすれば、
 よいであろう。
 
 

 ○  [問題・2]

  ア・イについては、[問題・1]の解説に照らし、いずれも正し
  い。

  
  ウ・エ・オについて

   表見代理も無権代理の一種であるから、無権代理人に適用される
  条文はすべて適用されることは、総説で明らかにした。そのことを
  これらの肢に当てはめると、

  ウは、115条の適用により、正しい。

  エは、116条により、Bは追認して、有効な契約にすることができ
     るので、正しくない。
  
  オは、114条により、Cには催告権があるので、正しくない。


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   以上、正しいのは、ア・イ・ウであるから、正解は3である。

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 ◆ 参考事項

    今回取りあげた論点と不即不離の関係にあるのが、117条2項の
 「過失」は「重過失」と読むべきかという問題である。
  ここでは、これ以上立ち入らないが、文言どおり「過失」と読むべ
 きであると最高裁が判断したことは、念頭に置いておいたほうがよい
 だろう(当該判例は、さきにあげた最判昭62・7・7民集41ー5−
 11である)。
 

 

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 【発行者】司法書士 藤本 昌一

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