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会社法/自己株式等オリジナル問題 第68回
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★ オリジナル問題《第68回 》★
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PRODUCED BY 藤本 昌一
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【テーマ】 会社法/自己株式等
【目次】 解答・解説
問題は、メルマガ210号に掲載してあります。
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■ 解答・解説
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1 解答
問1(3) ・ 問2 (5) ・ 問3 (5)
問4 (2) ・ 問5 (4) ・ 問6(1)
2 解説
◎ 自己株式等に関する本問6題は、メルマガ202号から209号
(除く・208号)余禄欄を基にして出題されているので、みなさま
も、適宜、該当箇所を参照するように願いたい。
各号でとりあげた論点とクリック先は、以下のとおりである。
202号 自己株式の定義/その沿革/金庫株の解禁
↓
203号 相続により譲渡制限株式を取得した者に対する当該株式に
ついて、当該会社の売渡し請求/自己株式の取得/売渡し請
求の手続・株主総会の特別決議等
合併後消滅する会社から当該株式会社の株式を承継する場
合における、当該株式会社による自己株式の取得/合併後消
滅する会社から親会社株式を子会社が承継する場合における、
子会社による親会社株式の取得/相当の時期にその有する自
己株式または親会社株式の処分の義務
↓
204号 子会社による親会社株式の取得に対する制限/親会社・子
会社の定義/子会社による親会社株式取得と資本充実の関
係
↓
205号 株主総会決議等に基づく自己株式の取得・条文上、「株主
との合意に基づく取得・その取得手続に関する4つの方法=
その細分化したものをオリジナル問題として出題
↓
206号 自己株式の取得と財源規制
↓
207号 自己株式の保有/子会社による親会社株式の処分
↓
209号 残余の自己株式に関する論点=それぞれについて、オリジ
ナル問題として出題
↓
● 各問題の検討にあたっては、以下にその要点を示すことにする。
△ 問題 1
妥当でない肢は、肢イと肢エであり、正解は3であるが、以下の
とおり、いずれも条文問題である。
肢イについては、135条3項によれば、「遅滞なく」ではなく、
「相当の時期に」子会社は、その有する親会社株式を処分しなければ
ならないとなっているので、本肢は妥当でない。
肢エについては、155条柱書・同条11号によれば、合併後消
滅する会社から当該株式会社の株式を承継する場合、当該株式会社
は、自己株式を取得することができるとしているので、本肢は、こ
の点については、妥当であるが、相当の時期にその有する自己株式
を処分しなければならないという点については、会社法上、そのよ
うな規定はない。したがって、本肢もまた、妥当でない。なお、
「金庫株の解禁 」というフレーズが念頭を掠めれば、本肢は×との
解答に直結する!
その他の肢については、以下のとおりである。
肢アについて。
309条2項2号・160条1項・156条1項を参照すれば、
本肢の場合において、株主総会の特別決議を要することは明らか
である。ただし、以下の2点に注意せよ。すべての株主に申込機
会を与えて行う自己株式の取得については、株主総会決議は普通
決議でよい(156条1項柱書・同条1項1号・309条1項)。
次に、特定の株主からの取得であっても、子会社からの取得につ
いては、前記株主総会の特別決議の例外として、取締役会設置会
社にあっては、取締役会決議だけで取得できる(163条)。
以上、本肢は妥当である。
肢ウについて。
134条柱書・同条4号・174条〜177条。なお、155条
柱書・同条6号参照。詳細は、メルマガ203号を参照。
以上、本肢は妥当である。
肢オについて。
本肢の論点は、合併後消滅する会社から当該株式会社の株式を
承継する場合における自己株式の取得に関して、財源規制が及ぶ
かということである。
155条柱書・同条11号では、合併後消滅する会社からの株式
の承継が規定されているが、これは、461条柱書の規定する財源
規制が及ぶ各号のなかには、含まれていない。したがって、本肢の
当該会社は、自己株式を取得できる。詳細は、メルマガ206号を
参照。以上、本肢は妥当である。
▲ 問題 2
誤っている肢は、肢エと肢オであり、正解は5である。以下各肢
について検討する。
肢アについて。
前記 △ 問題1肢ア解説において、「すべての株主に申込機会
を与えて行う自己株式の取得については、株主総会決議は普通決議
でよい(156条1項柱書・同条1項1号・309条1項)」旨述
べた。本肢は正しい。
肢イについて
委員会設置会は、459条1項柱書の要件に該当するので、同条
1項1号の規定する156第1項各号に関する事項を取締役会で定
めることができる旨を定款で定めることができる。なお、459条
1項1号によれば、「160条第1項による決定をする場合以外」
となっているが、その趣旨は、特定の株主からの取得は株主総会の
特別決議を要するので、これを除くというものである。
本肢では、「すべての株主に申込機会を与えて行うとき」として
いるのは、その点を顧慮したものである。その点も含めて、本肢は、
以上の説明に沿うものである。本肢は、正しい。。詳細は、メルマ
ガ205号を参照。
肢ウについて
309条2項2号・160条1項・156条1項を参照すれば、
本肢の場合において、株主総会の特別決議を要することは明らか
である。ただし、特定の株主からの取得であっても、子会社から
の取得については、前記株主総会の特別決議の例外として、取締
役会設置会社にあっては、取締役会決議だけで取得できる(16
3条)。
以上の説明に従えば、本肢は妥当である
肢エについて
156条2項の括弧書の中の文言によれば、当該株式会社の株式
等を除くとなっているので、引換えに交付する財産のなかには、当
該株式会社の株式等は含まれない。以上の記述に反する本肢は妥当
でない。
Ψ 151条1項柱書によれば、株主が受けることができる金銭等
とは、(金銭その他の財産をいう。以下同じ。)となっているの
で、本来は、156条2項にいう株式を取得するのと引換えに交
付する金銭等のなかには、当該株式会社の株式等は含まれるが、
あえてその括弧書によって、自己株式を排除したものと思われる。
以上に関しては、メルマガ205号参照。
肢オについて
会社がその有する自己株式を処分しなければならないという点につ
いては、会社法上、そのような規定はない。したがって、これに反す
る本肢は、いうまでもなく、誤りである。
▽ 問題 3
本問は、各肢に対して、461条1項柱書の財源規制が及ぶかとい
うことが論点になる。
この点については、メルマガ206号を参照されたい。
以下、当該メルマガ206号の記述に沿って、各肢を検討すると、
肢1の「子会社から自己株式を取得するに際して」は、「及ぶ」ので、
「当該会社は、自己株式の取得はできない」とする本肢は、正しい。
肢2の「会社が、市場取引等により自己株式を取得するに際して」は、
「及ぶ」ので、「当該会社は、自己株式の取得はできない」とする
本肢は、正しい。
肢3の「すべての株主に申込機会を与えてこれを行うに際して」は、
「及ばない」ので、「当該会社は、自己株式を取得できる」とす
る本肢は、正しい。
肢4の「特定株主からの取得しようとするとき」は、「及ばない」ので、
「当該会社は、自己株式を取得できる」とする本肢は、正しい。
肢5の「会社が相続による譲渡制限株式の取得者に対し、当該株式を当
該会に売り渡すこことを請求する場合において」は、「及ぶ」ので、
「当該会社は、自己株式の取得できる」とする本肢は、誤りである。
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以上の記述によれば、肢5が誤りであって、肢5が正解である。
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◎ 伝達
▼ 問題 4 以下の解説は、追って、次回に行うことにしたい。
★ 参考文献
会社法 神田秀樹 著 ・ 弘文堂
リーガルマインド
会社法 弥永真生 著 ・ 有斐閣
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【発行者】司法書士 藤本 昌一
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