━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                ★ オリジナル問題解答 《第65回》★

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

-------------------------------------------------------------
                        PRODUCED BY 藤本 昌一
-------------------------------------------------------------

 
  【テーマ】 行政法/行政事件訴訟法上の訴訟類型


  【目次】   解説


    問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第176号に掲載してある。
 
   
  ☆ メルマガ第176号はこちら
             ↓
 


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■  解説
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 
 ★ 参照書籍

  行政法入門 藤田宙靖 著 ・ 行政法読本 芝池義一 著 

    ・有斐閣発行
  

 ▲ 本問出題の趣意

    最近、本講座においては、行政事件訴訟法に関しては、過去問ないし
 はその関連分野を取りあげて、種々の重要論点の解説を行った(メルマ
 ガ172〜175号・サイト113〜115回・サイト64回)。
  そこで、今回は、これまでの記述をふまえたオリジナル問題を作成・
 提供することにした。

 
 △  各肢の検討

  
 ○ アについて 

      本肢は、行訴法3条6項1号に掲げるいわゆる非申請型(または直
  接型)義務付け訴訟を提起できる場合に該当するので、37条の2の
  要件に該当すれば、当該義務付け訴訟を提起できる。不作為違法確認
   訴訟の併合提起を求められるのは、3条6項2号に掲げるいわゆる申
  請型義務付け訴訟を提起する場合において、37条の3第1項1号・
  同3項1号の適用がなされることによる。
   また、不作為違法確認訴訟を提起できるのは、申請に対する不作為
  に限るのであって(3条5項)、本肢の場合には、前述したように、
  37条の2の要件に該当すれば、非申請型義務付け訴訟を提起できる
  のみで、そもそも不作為違法確認訴訟自体は提起できない。

   本肢は、二重の意味において、誤りである。

 
 ○ イについて 

    処分の無効確認訴訟(3条4項)には、出訴期間の制限はない(38
  条3項では、無効確認訴訟に14条を準用していない)ので、本肢は正
  しい。ただし、「無効確認訴訟は、出訴期間の制限がない代わりに、重
  大かつ明白な違法性がある場合にのみ原告が勝訴することのできる訴訟
  である」(前掲 読本)に注意せよ。

   
   本肢は、正しい。

  
 ○ ウについて

   本肢では、3条6項2号に掲げる申請型義務付け訴訟を提起する場合
  に該当するが、この場合、拒否処分が無効であるときは、当該拒否処分
  の無効確認訴訟の併合提起を要する(37条の3第3項2号)。
   したがって、拒否処分が取り消されるべきときに当該拒否処分の取消
   訴訟の併合提起を要するのと同様に処分が無効のときは無効確認訴訟の
  併合提起を要するのであって(37条の3第3項2号は《取消訴訟又は
  無効等確認の訴え》と規定する)、本肢が「無効確認訴訟の併合提起は
  認められていない。」とするのは誤りである。
   

   本肢は、誤りである。          
 
  
  ○ エについて

    本肢の場合は、3条6項1号に掲げる非申請型(または直接型)義務付
 け訴訟を提起できる場合に該当するので、重大な損害を生ずるときは、3
 7条の2の規定による義務付け訴訟が提起できるのであって、申請に対す
 る不作為に適用される不作為違法確認訴訟を提起することはできない
(3条5項)。


  本肢は、誤りである
 

 ○ オについて 

  37条の3第5項によれば、申請型義務付け訴訟では、同時に併合した
 拒否処分の取消訴訟に係る請求に「理由がある」があると認められなけれ
 ば、義務付けの請求は認容されないことになっている。


   本肢は、正しい。
   


================================

 本問において、正しいのは、イ・オであるから、2が正解となる。 

================================

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【発行者】司法書士 藤本 昌一

 ▽本文に記載されている内容は無断での転載は禁じます。
 
 ▽免責事項:内容には万全を期しておりますが、万一当サイトの内容を
       使用されたことによって損害が生じた場合でも、
       一切責任を負いかねますことをご了承ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

examination_support at 09:07コメント(0) 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

               ★ オリジナル問題解答 《第64回》★

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

-------------------------------------------------------------
                     PRODUCED BY 藤本 昌一
-------------------------------------------------------------

 
  【テーマ】 行政法


  【目次】   解説


   メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】 第175号に
  おいて、以下の質問ふたつを行った。
 
   ☆  質問・その1 
   
   行政手続法においては、拒否処分と不利益処分すなわち広い意
  味での不利益処分について理由の提示を行政庁に義務づけている
  が(8条1項・14条1項)、この行政手続法の理由の提示の義
  務は、許認可処分にまでは及んでいない。このことが、第三者訴
  訟にいかなる影響を及ぼすか。
  
  ☆  質問・その2

  「第三者訴訟の場合には、義務付け訴訟は、侵害処分が行われる
   ことを求めるために用いられる」というのは、具体的にどのよう
  な意味か、根拠条文を示して答えよ。
   
 ★ なお、当該質問は、メルマガ175号「余禄」欄の対談の途中
  で出題されたものであるから、その出題の経緯を知るには、メル
  マガ175号を参照されたい。


     メルマガ第175号はこちら
              ↓ ↓
 


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■  解説
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ▲ 本問出題の趣意

    過去問においては、繰り返し、原告適格に関して出題されている。
 本問二題は、いずれも、第三者訴訟の原告適格に関連する行政法上
 重要な課題であって、今後の行政書士試験対策としても、理解を深
 めておきたい事柄が対象になっている。そのうち、質問・その1は、
 行政訴訟のなかで最も重要な取消訴訟に関するものであり、同・そ
 の2は、平成16年の行訴法改正により法定された、これまた重要
 性の發さ遡撹佞荏幣戮亡悗垢襪發里任△襦
     
      
 ▼ 総説        

 1 取消訴訟と義務付け訴訟

   取消訴訟とは、現に行われた行政処分を裁判所に取り消しても
  らう訴訟である(行訴法3条2項)。

   義務付け訴訟とは、行政処分をすべき旨を行政庁に対して命ず
  ることを求める訴訟である(行訴法3条6項)。

 
  2 第三者訴訟

    (1)取消訴訟
 
   例えば、風俗営業や廃棄物処理場の設置について、これを行政
  庁に申請した相手方が、拒否処分を受けたり、あるいは風俗営業
  を営む者に対して、行政庁から、営業停止命令が出されたりした
  場合には、相手方は、これら拒否処分や不利益処分について、そ
  の効力を争うために、取消訴訟を提起できる。

   また、風俗営業や廃棄物処理場の設置についての許可が行政庁
  によって行われた場合、それによって迷惑を受ける住民は、相手
   方ではないが、やはり、その効力を争うために、取消訴訟を提起
  できる。この処分の相手方ではない第三者が起こす訴訟を第三者
  訴訟という(後掲書 読本参照)。

  (2)義務付け訴訟

     例えば、国民が許認可の申請をしたが、行政庁が拒否処分を行
  った場合において、その国民が拒否処分の取消判決に満足せず、
  許認可を行政庁に義務付ける判決を求めるために義務付け訴訟を
  提起できる。

   また、公害を発生している工場に対して、国民が行政庁に規制
  権限の行使を義務づける判決を求める義務付け訴訟も考えられる。
  具体的には、国民が、公害を発生している工場に対して、施設改
  善命令または操業停止命令を発するよう行政庁を義務付ける訴訟
  を提起できるのである。前者が申請型義務付け訴訟と呼ばれのに
  対して、後者は非申請型(または直接型)義務付け訴訟と呼ばれ
  る(後掲書 読本参照)。当該後者の非申請型(または直接型)
  義務付け訴訟は、前者が処分の相手方が起こすのに対して、第三
  者が起こす訴訟であるから、第三者訴訟に該当する。

   ※ 行訴法第3条第6項によれば、第1号が、非申請型(また
    は直接型)義務付け訴訟についての規定であるのに対して、
    第2号は、申請型義務付け訴訟についての規定である。
     なお、第2号の申請型義務付け訴訟には、行政庁が拒否処
    分を行った場合のほか、国民の申請に対して行政庁が応答し
    い場合も含むことに留意せよ(行訴法第37条の3第1項・
    第3項等参照)。

 (3)原告適格

   取消訴訟・義務付け訴訟いずれについても、行政処分の相手方
  が訴訟提起をする場合には、「法律上の利益を有する者」とされ
  るため、行訴法第9条第1項の規定により原告適格が認められる
  のに対して、第三者訴訟の場合には、同法第9条第2項が適用さ
  れるため、原告適格が認められるには、裁判所によって、「法律
  上の利益」があると判断されなくてはならない(非申請型《また
  は直接型》義務付け訴訟については、行訴法第37条の2第4項
  により第9条第2項の取消訴訟の規定が準用される)。
  

 △ 各問の解答


  ☆  質問・その1 
    
   (1)行政手続法上、手続の仕組みとしては、a 申請に対する処分
   ・b 不利益処分 に分けられる。
   
   a 申請に対する処分とは、前記▼総説2(1)の前者の例に従
    えば、「風俗営業や廃棄物処理場の設置について、これを行政
    庁に申請した相手方が、拒否処分を受けた場合」がこれに該当
    する(行手法第2条第3号・第5条以下参照)。

   b 不利益処分とは、前記▼総説2(1)の後者の例に従えば、
    「風俗営業を営む者に対して、行政庁から、営業停止命令が出さ
        れた場合がこれに該当する(行手法第2条第4号・第12条以下
        参照)。

  (2)質問文に明らかなように、a拒否処分・b不利益処分を合わせ
   てbの狭義の不利益処分と区別して、広い意味での不利益処分と
   言う。このa・bの広い意味での不利益処分については、行手法
      は、いずれについても、理由の提示を行政庁に義務づけているが
     (8条1項・14条1項)、行政庁が許可等をする場合(許認可
      処分)には、この行手法の理由の提示の義務が行政庁に課せられ
      ていない。

 (3)第三者訴訟とは、▼ 総説2(1)後者の例に従えば、風俗
   営業や廃棄物処理場の設置についての許可が行政庁によって行
   われた場合、それによって迷惑を受ける住民は、その効力を争
   うために、取 消訴訟を提起する場合である。しかし、前述し
   たように、行政庁が許可をする場合には、行手法上、行政庁に
   理由の提示が義務づけられていないのである。そのことが、第
   三者訴訟にいかなる影響を及ぼすかという本題に、ここで到達
   した。

   (4)そもそも、拒否処分と不利益処分について理由の提示が行政庁
    に義務づけられている理由は何かを、ここで考察してみる。後掲
    書・読本によると、「行政決定の理由を相手方に知らせることに
    よって、行政上の不服申立てや訴訟を行う上で便宜を与えるとい
    う役割を持っている。」とされている。ということは、第三者訴
    訟では、そのような便宜が与えられていないことになる。さらに、
    読本から引用すると、「もっとも、理由の提示が要請されるのは、
    不利益処分だけではない。許認可処分であっても、原子炉の設置
    の許可や公共料金の値上げの認可のように第三利害関係人である
    住民の生活への影響が大きく、あるいは住民の関心が強いものに
    については、理由提示の必要性は強い。しかし、行政手続法の理
    由提示の義務はこのような許認可処分にまで及んでいない。これ
    は、第三者利害関係人のことをあまり考慮していないという同法
    の限界の一つの表れである。」
    以上の記述から言えることは、第三者訴訟における便宜のため
   には、許可処分等についても、理由提示の必要性は強いにもかか
   わらず、行手法上、理由提示の義務がこのような許認可処分にま
   で及んでいないことは、同法が第三者利害関係人のことをあまり
   考慮していないことを意味する。換言すれば、許認可処分の本体
   ないし背骨は、理由であるのに、これが提示されずに訴訟でその
   効力を争うことは、困難である。
    以上の当該記述が、「行政手続法の理由の提示の義務が、許認
   可処分にまでは及んでいないことによる第三者訴訟に及ぼす影響」
   に対する解答になる。
           
    
  ☆  質問・その2  

   (1) 行政処分の区分けとして、相手方に利益を与える授益的
      なものである授益処分に対して、侵害処分とは、相手方に
      不利益を課するものである。
       その処分の性質からして、申請に基づいて行われる処分
      のほとんどは、授益処分であるのに対して(行手法第2条
      第3号・第5条以下参照)、侵害処分は、その相手方の権
      利や利益を侵害するものであるから、申請によらず、職権
      によって行われる、行手法上では、不利益処分と呼ばれて
      いるものである(行手法第2条第4号・第12条以下)。
 
       (2)前記▼総説2(2)前者の例が、行政処分の相手方が授益
     処分を義務付けるための義務付け訴訟であるのに対し(行訴
     法第3条第6項第2号・その手続は、37条の3)、前記▼
      総説2(2)後者の例は、質問文にある「第三者訴訟の場合
          には、義務付け訴訟は、侵害処分が行われることを求めるた
          めに用いられる」ことを示す具体例である。

   (3)したがって、本問の解答としては、前記▼総説2(2)後
     者の例を引用して、以下のように要約をすればよいであろう。

      具体的には、公害を発生している工場に対して、国民が行
     政庁に規制権限の行使を義務づける判決を求める義務付け訴
     訟を意味する。

      また、根拠条文としては、行訴法第3条第6項第1号であ
     り、その要件については、第37条の2に規定がある。

      なお、不明の点があれば、前記▼総説2(2)を再読され
     れば、より理解が深まるであろう。
  
    
   
  ▽  付 言

    今回とりあげたテーマは、行政法の基幹にかかわる重要な事柄
   であるので、将来の本試験において、5肢択一式・多肢選択式・
   記述式のいずれの形式によっても、出題される蓋然性は高いと思
   料する。その想定される事態に対して、本文において記述したこ
   とに対する基本的理解があれば、その全てに対応することができ
   ることになるであろう。私としても、今回の主題に関して、今後、
   本講座において、前記形式に基づくオリジナル問題を開発した上
   で、提供をできればよいと願っている。


 ★  参考文献

  行政法入門 藤田宙靖 著 ・ 行政法読本 芝池義一 著 

    ・有斐閣発行
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【発行者】司法書士 藤本 昌一

 【運営サイト】http://examination-support.livedoor.biz/
 
 ▽本文に記載されている内容は無断での転載は禁じます。
 
 ▽免責事項:内容には万全を期しておりますが、万一当サイトの内容を
       使用されたことによって損害が生じた場合でも、
       一切責任を負いかねますことをご了承ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

examination_support at 17:57コメント(0) 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

             ★ オリジナル問題解答 《第63回》★

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

-------------------------------------------------------------
                    PRODUCED BY 藤本 昌一
-------------------------------------------------------------
 
  【テーマ】 会社法

  【目次】   解説              
   
   問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第171号掲載してある。
   
  ☆ メルマガ第171号はこちら
             ↓
   http://archive.mag2.com/0000279296/index.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■  解説
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ★ 参照書籍

  
  会社法 神田秀樹 著 ・ 弘文堂
 
 
 ▲ 本問出題の趣意

    前回のサイト・会社法/過去問解説 第112回の理解を深めるた
  めに今回応用問題として、オリジナル問題を出題した。
           ↓ ↓ ↓
      過去問解説 第112回はこちら


 ▼ 総説 (※注 1)       

             
  (1) 本問においては、「通常の新株発行」がテーマになっているが、
   その意義について考察しておきたい。

    まず、「新株発行」とは、会社成立後の株式の発行を意味する
      のであって、「設立時株式」の発行とは異なる(25条1項1号
      参照)。
       
    また「通常の新株発行」である以上、株式分割・株式無償割当
      て・新株予約権の行使、吸収合併・吸収分割・株式交換等の場合
      における新株発行のような特殊な新株発行とも異なる。
 
 (2)通常の新株発行は、実務上、株主割当て・公募・第三者割当て
   の三つに分類される。以下において、それぞれの用語を説明する。

    a 公募とは新株を不特定多数の者に発行する場合
     
    b 第三者割当てとは特定の者(通常は一人)に発行する場合(株
       主以外の者の者への発行という意味で「第三者」割当てと呼ばれ
       てきたようであるが、実際には割当てを受ける者は株主である場
       合が多い)。
 
      c  株主割当てとは株主に割当てを受ける権利を与えて、既存株主
    に平等に割当てる方法である。

  (3)条文上の構造

   a 募集事項の決定に関しては、会社法は、199条〜202条の
        間に、「株主割当て」・「公募」・「第三者割当て」が詰め込ま
       れている
 
    b 非公開会社においては、原則である「株主割当て」を規定した
         202条を切り離して独自に考察するべきである。

      c「株主割当て」については、202条5項によれば、199条
        1項・5項が適用されるだけであって、そのほかはすべて自前
     の202条で処理される。
          これに対して、公募・第三者割当てに関しては、199条〜
     201条が全面的に適用される。
  
     d 201条1項によれば、「公募」・「第三者割当て」につい
    ては、公開会社(※注 2)においては、募集事項の決定は、
    取締役会の決議による。

      e 200条1項によれば、「公募」・「第三者割当て」につ
          いて、公開会社でない会社においては、株主総会の決議によ
          って、募集事項の決定を取締役会(取締役会設置会社でない
          会社にあっては取締役)に委任することができる(201条
         1項後段参照)

       f 「株主割当て」については、公開会社についても、202条が
    適用され、同条3項3号によれば、募集事項等については、取
        締役会の決議による。     


 △ 各肢の検討

  前記▲ 総説 において記述したところを参照すれば、各肢の検討結
 果は以下のとおりになる。
 

  ○ 肢1について。

   この場合は、株主割当てに該当するため、202条が適用され、
  同条3項3号によれば、公開会社では、募集事項等については、取
  締役会の決議による(▲ 総説 (2)c・(3)f)
  
   本肢は、正しくない。

   なお、株主割り当ての場合、公開会社でない場合には、募集事項
  等については、202条3項1号・3号・4号の規定により、取締
  役の決定(取締役会設置会社でない場合)・取締役会の決議(取締
  役会設置会社の場合)・株主総会の決議(1号・2号による定款の
    定めがない場合・なお当該株主総会の決議は特別決議≪309条2
    項5号参照≫による (▲ 総説 (2)c・(3)b)。

  
  ○ 肢2について。
 
      この場合は、第三者割当てに該当するため、200条の募集事項
  の決定の委任の規定が適用されるが、本問は、公開会社であるため、
  201条1項後段により、200条は適用されない(▲ 総説 
  (2)b・(3)d・e)

   
   よって、本肢は正しくない。

   
   この場合には、結論として、以下のようになる。
   
   公開会社においては、募集事項の決定は、取締役会の決議による。

     公開会社でない会社においては、株主総会の決議によって、募集
   事項の決定を取締役会(取締役会設置会社でない会社にあっては
   取締役)に委任することができる。
  (▲ 総説 (2)b・(3)d・e)
   
 
   ○ 肢3について。

    本肢については、さきに引用した過去問解説 第112回を参照
     してほしい。
  
    すなわち、平成25年度 過去問 問題 4 肢3によれば、
     
   「募集株式一株と引換えに払い込む金額については、募集事項の
   決定時に、確定した額を決定しなければならない」

    とあったが、本肢が正しくない理由として、以下のように述べ
   た。

    たとえば、公開会社において公募で株式発行する場合、199
   条1項2号の募集株式一株と引換えに払い込む金額について、既
   存の株主の利益を害しないため、公正でなければならず、株式の
   時価を基準としなければならない。このように、市場価格のある
   株式を公正な価格で発行する場合は取締役会決議では「公正な価
   格による払込みを実現するために適当な払込金額の決定の方法を
   定めることができる」(201条2項)。
    以上のとおり、公開会社では、発行価格について、募集事項の
   決定時に、確定した額を決定しなくてもよい場合もあるので、本
   肢は正しくない。

    以上の記述に照らせば、公開会社である本問において、 「公
   募で市場価格のある株式を公正な価格で発行する場合、取締役
   会は募集事項の決定時に 募集株式の払込金額について、確定
   した額を決定しなくてもよい」とする本肢が正しいことは明瞭
   である。

    よって、本肢は正しい。

    なお、▲ 総説 (3)d により、「公募」については、
   公開会社においては、201条1項が適用されるが、当然同
   条2項も適用される。
    

   ○ 肢4について。

      公開会社における第三者割当てについては、201条1項が
  適用されるが、その規定によれば、199条3項の規定する
  「有利発行」の場合は除外されるので、本肢では、株主総会の
  特別決議によることになる(199条2項・309条2項5号)。
 
   
   よって、本肢は正しくない。
 

  ○ 肢5について。


    肢1で検討したように、この場合は、株主割当てに該当するため、
 202条が適用され、同条3項3号によれば、公開会社では、募集
 事項等については、取締役会の決議によることになる。

  よって、本肢は正しくない。

  
  肢1の解説では、株主割り当ての場合、公開会社でない場合につ
 いては、202条3項1号・2号・4号が適用されるとしたが、同
 条3項2号・4号の適用を認める本肢は、公開会社でない会社に関
 する記述であって、公開会社である本問には妥当しない。
 
 

  ※ 注 1
      
  過去問解説 第112回の解説と重複する面もあるが、その点は
 顧慮しないで当該解説を進めた。
 
 ※ 注 2 

  公開会社の定義は2条5号。すべての種類の株式について譲渡制
 限がない会社はもちろん、一部の種類の株式いついてだけ譲渡制限
 のある会社も公開会社となる。


================================

  以上の記述によれば、肢3が正しいので、本問では、3が正解
 である。

================================


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【発行者】司法書士 藤本 昌一

 【運営サイト】http://examination-support.livedoor.biz/

 ▽本文に記載されている内容は無断での転載は禁じます。
 
 ▽免責事項:内容には万全を期しておりますが、万一当サイトの内容を
       使用されたことによって損害が生じた場合でも、
       一切責任を負いかねますことをご了承ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


examination_support at 12:44コメント(0) 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

             ★ オリジナル問題解答 《第62回》★

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

-------------------------------------------------------------
               PRODUCED BY 藤本 昌一
-------------------------------------------------------------
 
  【テーマ】 会社法

  【目次】   解説
                 
   問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第162号掲載してある。
   
  ☆ メルマガ第162号はこちら
             ↓
   http://archive.mag2.com/0000279296/index.html
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■  解説
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ★ 参照書籍

  
  会社法 神田秀樹 著 ・ 弘文堂
 
 
 【問題1】  株主名簿

 
  ◆  各肢の検討

   
   ○ ア・イについて

 ------------------------------------------------------------------ 
  株式の譲渡

  1 株券発行会社

  (1) 株券の引き渡しは、権利移転の要件であり、第三者に対する
         対抗要件である(128条1項本文・130条2項)。

     (2) 株主名簿の名簿書換えが会社に対する対抗要件である(130
         条1項・2項)。

  2 株券不発行会社

    権利移転の要件は、意思表示であるが、会社その他の第三者に対す
     る 対抗要件は、株主名簿の名簿書換えである(130条1項)。

       
    注 130条の条文の仕組み

     会社は原則として株券を発行しないものとし、株券の発行を
        定款で定めた場合に限って株券を発行することにしたため
   (214条1項)、130条1項は、株券不発行会社に適用さ
       れる。権利移転の要件が意思表示であるというのは、私法の一般
    原則に従う( 2 参照)。


     130条2項は、株券発行会社に適用される。
     会社に対する対抗要件が、株主名簿の書換えであることを規定
    したものであるが、その前提として、株券の引き渡しが(権利
        移転要件であると同時に)第三者対抗要件であることを読み取る
    必要がある
        ( 1 (1)(2) 参照)

     しかし、いずれにせよ、まどろっこしい規定の仕方である。
   -------------------------------------------------------------------
   
     
          以上の記述からすると、株券発行会社についての ア の肢は
       妥当である。
         
     しかし、株券不発行会社に関する イ の肢については、第三者
    に対する対抗要件は、株主名簿の名簿書換えであるので、妥当でない。

   ○ ウについて

  
     基準日とは

  議決権行使等の権利を有する株主は、その時点における株主名簿上の
  株主である。しかし、株主が多数いる会社では誰がその時点における名
  簿上の株主か把握することが容易でないので、会社法は、一時点におけ
  る株主に権利行使を認めるために基準日を設けることを認めている
  (124条1項)。
   なお、基準日後に新たに株主となった者について、会社のほうの判断
  で、総会の議決などを認めることはさしつかえない(124条4項)。
 
 

  したがって、なお書きの記述に反するするウは妥当でない。
 

  ★ 過去問との比較

   平成21年度過去問38肢イについて

    基準日以前に株式を取得した者で、株主名簿に株主として記載
   または記録されていない者について、会社は、その者を株主とし
   て扱い、権利の行使を容認することができる。

    これは、本肢と異なり、基準日以前に株式を取得した者が対象に
   なっているが、妥当である。

    基準日以前であっても、会社が自己のリスクで、当該株主を株主
     として取り扱うことができるのであろう。これは、本問の オ と
     も照応する。

  ○ エ・オについて

    原則

    (株主名簿の)名義書換えがなされると、以後、株式譲受人は
       会社に対して株主であることを主張することができ、会社もその
       者を株主として取り扱う義務がある(ただし、無権利者が名義書
       換えを受けたときは、会社はその者を株主として取り扱う義務は
       ない)。


    例外に関する判例
 
     エについて

      例外的に名義書換未了の者が会社に対して自己が株主であることを
       主張できる場合には、過失の場合を含むとするのが、判例である
    (最判昭和41・7・28民集20−6−1251)。

         本肢は、前段は妥当であるが、後段が妥当でないので、全体として
       妥当でない。

       
      オについて

     判例は、会社のこの例外的な取り扱いを認める(最判昭和30・
    10・20民集9−11―1657.)

       したがって、本肢は妥当である。

   
   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

     以上のとおり、妥当であるのは、ア・オであるから、正解は
    2である。
   
   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     
 
  
 【問題2】 取締役の選任および解任 

   
   
  ◆  各肢の検討

   
  ○ アについて

    会社法854条が規定する役員の解任の訴は、本肢の通りである。
    妥当である。

  参考事項

 (1) 当該解任の訴えは、株主総会で多数が得られず解任決議が成立
       しなかったときに、少数株主にその修正を求める制度であること
    に注意!。
    この点、平成21年度問題40・肢5では、「株主は直ちに」
    取締役の解任の訴えを提起できるとしているとしているのは、正
       しくない。
       
   (2) 役員=取締役のほか、会計参与及び監査役(329条1項)。

   (3) 少数株主に株主総会の招集権あることに注意!(297条)

     通常、少数株主は、総会の招集を求め、総会で解任決議が成功
       しなかったときに、解任の訴えを提起する。
   
  
  ○ イについて

      前段は、会社法339条1項により妥当である。しかし、同条2
    項により、会社が取締役を正当な理由なく解任した場合には、会社
    は損害賠償しなければならない。

   したがって、後段は妥当でない。

  ○ ウについて

   定款で、取締役の資格を株主に限定することは許されないが、
  公開会社以外の会社は別である(331条2項)。

    妥当である。

  関連事項

 (1)公開会社の定義は、2条5号にある。要するに、全部株式譲渡
    制限会社以外の会社である。

  (2)公開会社においても、株主を取締役に選任することはもちろん
       認められ、実際にもそのような場合が多い。


   ○ エについて

       取締役の欠員の場合の処置として、前段は、妥当である(346条
     1項)。しかし、その間退任の登記はできない(最判昭和43・12
   ・24民集22−13−3334)。

   本肢は妥当でない。

  
  ○ オについて

   会社法331条4項により、妥当である。

   なお、定款で最低数を高め、最高数を定めることもできる。

      次に、非取締役会設置会社では、取締役は1人でもよい(326条
  1項参照)。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   
    以上妥当でないのは、イとエであるから、正解は3である。

     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−    

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【発行者】司法書士 藤本 昌一
 
 ▽本文に記載されている内容は無断での転載は禁じます。
 
 ▽免責事項:内容には万全を期しておりますが、万一当サイトの内容を
       使用されたことによって損害が生じた場合でも、
       一切責任を負いかねますことをご了承ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


examination_support at 10:52コメント(0) 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

              ★ オリジナル問題解答 《第61回》★

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

-------------------------------------------------------------
                 PRODUCED BY 藤本 昌一
-------------------------------------------------------------

  【テーマ】 民法(債権)
   
  【目次】   解説              
   
   問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第161号掲載してある。
  
  ☆ メルマガ第161号はこちら
             ↓
   http://archive.mag2.com/0000279296/index.html
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 解説
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ★ 参照書籍

  民法 2 勁草書房 / 民法二 内田貴著  東京大学出版会
 
 
 【問題1】  賃貸借


 ● 総 説

    ○ 賃借権の譲渡

   賃借人が賃貸人の承諾を得て賃借権を譲渡したときは、賃借人は
    契約関係を脱退し、賃貸人と譲受人との間に賃貸借が継続する。

  ○ 転貸

   賃借人が賃貸人の承諾を得て転貸したときは、賃貸人と賃借人と
    の間には従前の関係が継続し、賃借人と転借人との間には新たに賃
    貸借関係が生ずる。

  
  ○ 無断譲渡・転貸の効果

   全然無効なのではなく、賃借人と譲受人または転借人との間では
  有効であって、ただ賃貸人に対抗できない。

   これらについては、賃貸人は賃貸借を解除できる。


  以上、民法612条参照。前掲書 参照。


  ○ 各肢の検討

   はじめに
     
      アとエにおいては、転貸が問題になっており、ウとオでは、賃借権
  の譲渡が問題になっている。

   

   ▲ アについて

    賃貸借契約が転貸人の債務不履行を理由とする解除により終了した
   場合、賃貸人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に
   対して目的物の返還を請求した時に、転貸人の転借人に対する債務の
   履行不能により終了すると解するのが相当である(最判平成9年2月
   25日民集51−2―398)・)。

     妥当である。

   ちなみに、本判決は、平成21年度問題33において、引用された。

   △ イについて

    参照条文 608条2項。
   
       賃借人が賃借建物に付加した増・新築部分が、賃貸人に返還さ
   れる以前に、賃貸人、賃借人いずれの責めにも帰すべきでない事
   由により滅失したときは、特段の事情のない限り、右部分に関す
   る有益費償還請求権は消滅する(最判昭和48・7・17民集27
   7―798)。

        以上の判例に反する本肢は妥当でない。

   ちなみに、本判決は、平成21年度問題32肢エで主題にされた。

   
   ▼ ウについて


    本肢のポイントとして、

    AとBが夫婦関係にあり、協働して経営していた店舗をAが相続し、
   併せて土地の賃借権も相続した場合には、AはCに対して当該賃借権
   を当然対抗できる。

    本件の場合、Aが内縁の妻であるというだけで、Cが賃借権の無断
   譲渡を理由に土地の賃貸借の解除をすることは、Aにとり酷である。

    判例は、当該「借地権譲渡は、これについて賃貸人の承諾がなくて
   も、賃貸人に対する背信行為と認めるに足らない特段の事情がある場
   合にあたり」賃貸人による当該土地の賃借権の解除は許されないと判
      示した(最判昭和39・6・30民集18−5―991))。

    したがって、この判決の趣旨に沿う本肢は、妥当である。 

     ● エについて

    肢アとの対比によれば、A・B間の賃貸借契約の解除が賃借人A
      の債務不履行ではなく、合意解除であるという違いがある。

    この場合については、賃貸借契約が合意解除されても、転貸借に
      は影響はなく、転借人の権利は消滅しないとする判決がある(大判
   昭和9・3・7民集13−278)。

    したがって、この判決に従えば、Bは当該賃貸借契約の解除をC
   に対抗できないとになるので、本肢は妥当でない。

    なお、本肢との対比からすれば、Aが賃借権を放棄した場合には、
   BはそれをCに対抗することはできないことになる(398条・
   538条類推)。


  ◎ オについて

       賃借権の譲渡または転貸を承諾しない賃貸人は、賃貸契約を解除
     しなくても、譲受人または転借人に対して明渡しを求めることがで
   きる(最判昭和26・5・31民集5−6−359)。

   無断譲渡・無断転貸の場合には、賃貸人は原賃借との間の賃貸借
    を解除して、賃借人・譲受人・転借人のすべてに対して明渡しを請
  求できるできるだけではなく、原賃借人との間の賃貸契約をそのま
  まにして、譲受人・転借人に対して明渡請求をすることもできるの 
  である(前掲書 参照)

   本肢は妥当である。
   

-----------------------------------------------------------------
      
   以上、妥当でないのは、イとエであるから、正解は3である。

-----------------------------------------------------------------

 
 【問題2】  請負


  ◆ 各肢の検討

   ア・イは、請負の目的物の所有権の帰属に関して、請負人帰属説に
  立つ判例の見解の成否が問われているである。

   
  ◎ アについて
  
   判例は、請負人帰属説に立ちながらも、注文者が材料を提供した
    場合には、注文者に帰属するとする(大判昭7・5・9民集11−
  824)。
   この場合には、加工(246条1項ただし書き)の適用はない、

   したがって、本肢は前段は正しいが、後段は誤りであり、全体と
    して、誤りである。

   ☆ 過去問の検討

    建物新築の請負契約に当たり、注文者が材料の全部を供給した
      場合には、特約の有無にかかわらず、注文者に所有権が帰属する。
    (1998年問31・肢1)

    上記判例は「特約がない限り、原始的に注文者に所有権が帰属
      する」としているので、「特約の有無にかかわらず」ではない。

    本肢は、誤りである。

  ◎ イについて

    建築請負では、注文者の土地の上に請負人が材料を提供して建物
   を建築するのが通常である。
   
    この場合には、請負人が所有権を取得し、引渡によって注文者
   に移転することになる(大判大正3年・12・26民録20・1
   208)。

    以上が、請負人帰属説の骨子である。

    しかし、請負人の材料提供の場合でも、特約があれば、竣工と
   同時に注文者の所有となるというのが、判例である(大判大正
   5・12・13民録22−2417)。

    したがって、本肢は正しい。
   
   ☆ 参考事項

    ○ 請負人の材料提供の場合のおける、特約について、以下の判
     例が注目される。

     注文者が代金の全部または大部分を支払っている場合には、特
       約の存在が推認され、特段の事情のない限り、建物所有権は完成と
        同時原始的に注文者に帰属する(大判昭和18・7.20民集22
       ―660、最判昭和44・9・12判時572−25)。

      以上の判例を基準に出題された2002年問29 肢5。

       最高裁判例によれば、仕事完成までの間に注文者が請負代金の大
    部分を支払っていた場合でも、請負人が材料全部を供給したときは、
    完成した仕事の目的物である建物の所有権は請負人に帰属する。

   
          本肢は、上記判例に照らし、妥当でない。

       ○  その他の判例においても、以下のとおり、所有権が注文者に帰
     属すると解するものがある。

      建物建築の注文者が工事の進行に応じて請負代金を分割払いし
          た場合には、引渡しをまつまでもなく完成と同時に原始的に注文
          者に帰属すると解している(最判昭和44・9・12判時572
          号25頁)。

      契約が中途で解約された場合には出来形部分は注文者の所有と
          する条項があるときは、請負人が材料を提供したとしても注文者
          に出来形部分の所有権が帰属する(最判平成5・10・19民集
          47巻8号5061頁)。
   

   ○ 学説の多数は、以下のとおり、注文者帰属説に立つ。

    目的物の所有権に関しては、むしろ当事者の通常の意識を尊重して、
     完成と同時または工事の進捗に応じて注文者に帰属すると考えるべき
     である。


     ◎ ウについて
 
    請負人の担保責任として、瑕疵修補請求権および損害賠償請求権が
    ある。両者の関係は以下のとおりである。

   瑕疵修補請求権→相当の期間を定めて修補できるのを原則とするが、
   瑕疵が重要でなく、しかもその修補に過分の費用を要するときは、
   損害賠償請求権があるだけである(634条1項)

   損害賠償請求権→瑕疵の修補とともにまた修補に代えて、常に請求
   できる(634条2項)。

   (前掲書 民法 2)


      当該瑕疵修補に代わる損害賠償請求権については、本肢のとおり
  の判例がある(最判平9・7・15・・)ので、本肢は正しい。

   なお、634条2項・533条参照。
  

    ☆  関連する過去問について

     請負契約の履行に当たり生じた瑕疵の修補に代わる注文者の
    損害賠償請求権と請負人の報酬請求権は相殺することができる。
   (1998年問31・肢3)

     前記判例は、両者は同時履行の関係にあり、相互に現実の履行
    をなすべき特別の利益はないとして、相殺を認めた。(634条
    2項・533条・505条)

      本肢は、妥当である。


     完成した仕事の目的物である建物に瑕疵があった場合、注文者
    は修補か、損害賠償のいずれかを選択して請負人に請求すること
    ができるが、両方同時に請求することはできない(2002年
    問29・肢5)。

     前記記述に照らし、注文者の選択によるのでもなく、両方同時
    に請求できる。

     本肢は、妥当でない。


  ◎ エについて

    判例によれば、本事例において、「注文者が期日に報酬を提供
   しないときでも、請負人は当然遅滞の責めに任ずべきものである。」
    (大判大正13・6・6民集3−265)とする。

    したがって、本肢は誤りである。


     ☆ 関連する過去問

    請負人が約定期日までに仕事を完成できず、そのために目的物
   の引渡しができない場合でも、報酬の提供がなければ、履行遅滞
   とならない(1998年問31・肢5)。

     前記判例によれば、履行遅滞になるので、本肢は妥当でない。

   ◎ オについて

   本肢は、ウで掲げた請負人の担保責任である瑕疵修補請求権・
  損害賠償請求権と並ぶ契約の解除権に関する問題である。

  契約請求権→瑕疵が重要なもので、これがため契約の目的を達する
 ことができないときにだけ解除できる。ただし、修補の可能なときは
 まずこれを請求すべきものと解さねばならない。のみならず、建物そ
 の他の土地の工作物の請負においては、解除は許されないことに注意
  すべきである(635条)。
  (前掲書 民法2 )
  
   
    本肢は、請負の目的物が建物であるから、注文者は解除できない。
 したがって、誤りである。


-----------------------------------------------------------------

  正しいのは、イとウであるから、正解は4である。
   
-----------------------------------------------------------------

 
 【問題3】

 
  ◆ 各肢の検討

  ○  アについて

     受任者は委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、事務
      を処理すべきである(644条)。

    対価の有無もしくは多少を問わずにこの義務が認められるとこ
   ろに信任関係に基づく委任の本質が現れる(大判大正10・4・
   23・・)。

    したがって、無償の受任者も善管注意義務を負うので、本肢は妥
   当でない。

    ★ 参考事項

     善良な管理者の注意とは、社会人の一般人として取引上要求さ
        される程度の注意。

     自己の財産に対するのと同一の注意とは、その人の注意能力を
    標準としてその人が普通に用いる注意の程度を示す。
                ↓
     
     注意の程度を軽減し責任を軽くするのを妥当とする特殊な場合
    にだけこの程度の注意を標準とする(659条・無償の受寄者
    827条・親権者)。
   
    (前掲書)
 
  ○ イについて

    委任者は、受任者に対して、委任によって損害を被らせないよう
      にする義務がある。そのような委任者の義務として費用前払いの義
      務(649条)がある。

    本肢は妥当である。

  ○ ウについて

    原則→委任は信任関係に立つものであるから、受任者はみずから
              事務を処理すべきである。

    例外→任意代理人の復代理人の規定を類推して、同一の条件と責任
       のもとに復委任を許すのが至当(104条・105条)。
       判例・通説もこのように解する(前掲書)。

    本肢では、104条の類推により、やむを得ない事由があるとき
   は、第三者をして代わって事務を処理させることができるので、妥
   当でない。

  ○ エについて

   委任契約において、報酬の特約があるときは(648条1項)、
  履行の中途で終了したときでも、本肢の場合には、報酬請求がで
  きる(648条3項)。なお、この点が請負と異なるところである。

   本肢は妥当である。

  ○ オについて

   650条3項が規定する委任者の損害賠償義務は、委任者の責に
  帰すべものかどうかを問わない無過失賠償責任である。
  
   本肢は妥当でない。

---------------------------------------------------------------

   妥当であるのは、イとエであるから、正解は3である

---------------------------------------------------------------  

 

 【問題4】   債権者代位権の転用

  判例は、Xが土地の賃借権について対抗要件を備えていれば、 
 不法占有者に対して、土地の明渡を請求できることを認める
 (最判昭28・12・18民集7−12−1515)。)

  また、Xが土地の引渡しを受けていれば、占有回収の訴えに
  より、不法占有者に対して、土地明渡請求ができる(200条
 1項)。

  しかし、本問では、Xは、土地の引渡しを受けず、対抗要件
 も備えていないので、423条の債権者代位権の行使の可否
 が問題になる。判例は、債務者の無資力を要件としない、「債
 権者代位権の転用」を肯定している。

  また、本問では、賃借権を保全するための代位の目的である
 権利を明確にしなくてはならないが、ここでは、所有物を奪わ
 れた場合の所有物返還請求権を挙げることができる、

  以上の記述に従って、解答例として、以下のとおり提示し得
 る。
 
  
   XはYに対して、当該土地賃借権を保全するため、


    Aに代位してAの有する所有物返還請求権
    を行使し、土地の明け渡しを請求できる。

      38字
 
   本問では、「代位」「所有物返還請求権」「明け渡し請求」
  が明確に呈示されることがポイントになるであろう。


    ※ 

 (1)土地の賃借権に関する対抗要件については、本問では、
   賃借権の登記が挙げられているが(民法605条)、そ
   のほかに借地権者が登記されている建物を所有する場合
   にも当該土地の賃借権の対抗力が認められる(借地借家
   法10条1項)ことに注意する必要がある。

 (2)423条の債権者代位権の行使に関し、判例は、債務
   者の無資力を要件としない、「債権者代位権の転用」を
   肯定している旨前述したが、当該判例の要旨を以下に掲
   げる。

   その1 特定物に関する債権を保全するために代位権を
   行使するためには、債務者が無資力である必要はない
  (大判明43.7・6民録16−537)。

   その2 建物賃借人は、賃貸人に代位して、建物の不法
   占拠者に対して、直接自己に明渡しをなすべきことを請
   求しうる(最判昭29.9・24民集8−9−1658)。
    この判例の重要ポイントは「直接自己に明渡し」が可
   能ということである。
 
 (3)代位の目的である権利について、さきに、所有物返還
   請求権を挙げたが、本問では、所有物の支配状態を妨害
   された場合の所有物妨害除去請求権を掲げることもでき
   るであろう。

 (4)本問は、過去問の5肢択一式を参考に問題を組み立て
   たが、実際にも、択一式を解くばあいに、各肢について
   論拠を考察しておけば、記述式に対して、応用が効くで
   あろう。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【発行者】司法書士 藤本 昌一

 【運営サイト】http://examination-support.livedoor.biz/ 
 ▽本文に記載されている内容は無断での転載は禁じます。
 
 ▽免責事項:内容には万全を期しておりますが、万一当サイトの内容を
       使用されたことによって損害が生じた場合でも、
       一切責任を負いかねますことをご了承ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


examination_support at 18:47コメント(0) 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

               ★ オリジナル問題解答 《第60回》★

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
-------------------------------------------------------------
                        PRODUCED BY 藤本 昌一
-------------------------------------------------------------

  【テーマ】 民法=親族
   
  【目次】   解説
   
   問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第159号掲載してある。
 
   ☆ メルマガ第159号はこちら
             ↓
   http://archive.mag2.com/0000279296/index.html 


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 解説
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 
  ★ 参考書籍 
  
 
   民法 3 ・ 我妻榮/有泉亨/川井健 著・勁草書房
 

 ◆ 総説

  家庭裁判所は817条の3から817条の7までに定める要件が
 あるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係
 が終了する縁組(これを「特別養子縁組」という)を成立させるこ
 とができる(817条の2)。

 ◆ 各肢の検討

  
  ○ 肢アについて

   817条の2第2項・794条の規定に照らし、妥当である。


  ○ 肢イについて


  (1) 817条の3第1項・同条第2項本文により、養親の夫
     婦共同縁組が原則である。

  (2) 例外としての817条3第2項ただし書の場合を図示す
     れば、以下のとおりである。
  
     夫婦の一方(夫)       他の一方(妻)
       A==============B

                   a Bの嫡出である子
                   b Bの特別養子
                   
                   c Bの特別養子以外の養
                    子を除く
     
     本肢で記述されている事例は、(2)cに該当するので、例
    外に該当しないため、(1)の原則どおり、養親の夫婦共同縁
    組であることを要する。

     したがって、本肢は妥当でない。


    ○ 肢ウについて

    
    (1)以下に図示した事例を想定されたい。
1
   ---------------------------------------------------------------
   
      a  S62年 特別養子縁組の制度がスタート    
             
  
      b H4年2月  父 (21歳)======  先妻
                        |
                      子(1歳)
      ↓             
                《X男Y女との間で特別養子縁組》
                  
      20年経過  

   c H24年2月
       

           父(41歳)==== 後妻(21歳)
                   |
                  先妻の子(21歳)
 
      ↓   
    
    1年経過
  
   d  H25年2月  父と後妻・離婚

---------------------------------------------------------------------
    
      a 昭和62年から特別養子縁組の制度がスタートとなり、b 平
  成4年に父の先妻の子は、父と先妻の同意により(817条の6)、
    X・Y夫婦共同縁組により、両者の特別養子になった。そのとき、
    養子は1歳であった(817条の5参照)。

   c それから20年の歳月が流れ、養子は21歳になったが、実
    父は20も年の違う女性を後妻としたものの、d それから1年後
   に両者は、離婚した。

  (2) 「平成25年9月24日現在(733条1項参照)22歳ど
         うしである、父の先妻の子とかつての父の後妻(かつての子の
         継母)は婚姻できるか」というのが、本肢の論点である。
      以下において、当該論点に関して、条文適用の順序・その思
         考方法について述べる。
   
     第1に、先妻の子からみて、実父の後妻は、1親等の直系血
    族にあたる実父の配偶者であることからして、1親等の直系姻
    族であるので、本来、実父と後妻が離婚した後であっても先妻
    の子はかつての父の後妻と婚姻できない(735条・728条
    1項)。
     次に、特別養子縁組は実方の血族との親族関係が終了するの
    で (817条の2第1項・817条の9))、先妻の子と実
    父の血族関係が終了することにより、先妻の子とかつての父の
    後妻との姻族関係も終了するので、両者の婚姻は禁止されない
    ようにみえる。
      
         しかし、特別養子縁組により、実方の血族との親族関係終了
    した後も直系姻族関係があった者同士である先妻の子とかつて
       の父の後妻間の婚姻は認められていない。(735条・817
       条の9)。

     したがって、本肢においては、養子は、かつての実父の後妻
       と婚姻することができないので、本肢は妥当でない。

      
     ○ 肢エについて

      817条の6の規定に照らし、妥当である。

  
   ○ 肢オについて

   (1) 817条の9第1項本文により、養子と実方の父母及
            びその血族との親族関係は特別養子縁組によって終了す
            るのが原則である。
     
   (2) 例外としての817条の9のただし書・817条の3
            第2項ただし書に該当する場合は、以下の図示のとおり
           である。
     
  
     夫婦の一方(夫)       他の一方(妻)
       A==============B

                   a Bの嫡出である子
                   b Bの特別養子
                   
                   c Bの特別養子以外の
                                        養子を除く
     
     本肢で記述されている事例は、(2)aに該当するので、親族
        関係が終了しない例外の場合になる。

     したがって、本肢は妥当である。

     なお、Bの特別養子である場合には、子とBおよびその血族と
        の親族関係は終了しないが、子がBの特別養子以外の養子である
        場合には、親族関係は終了することに注意せよ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
   
   本問では、妥当でないのは、イとウになるので、正解は3である。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【発行者】司法書士 藤本 昌一

 【運営サイト】http://examination-support.livedoor.biz/
       
 【E-mail】<fujimoto_office1977@yahoo.co.jp>
 
 ▽本文に記載されている内容は無断での転載は禁じます。
 
 ▽免責事項:内容には万全を期しておりますが、万一当サイトの内容を
       使用されたことによって損害が生じた場合でも、
       一切責任を負いかねますことをご了承ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


examination_support at 12:27コメント(0) 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                 ★ オリジナル問題解答《第59回》★

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
-------------------------------------------------------------
                      PRODUCED BY 藤本 昌一
-------------------------------------------------------------

 
  【テーマ】 会社法(事業譲渡)

   
  【目次】   解説

 
   問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第158号掲載してある。
 
   ☆ メルマガ第158号はこちら
             ↓
   http://archive.mag2.com/0000279296/index.html
 


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 解説
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  ◆ 参考文献

  会社法   神田 秀樹著   弘文堂


  ◆本問については、メルマガ64号を参照されたい。

   
   ★【行政書士試験独学合格を助ける講座】第 64 号 ★   
         ↓ ↓
 http://archive.mag2.com/0000279296/20100604200000000.html

  ◆ 各肢の検討

 
  ○ アについて

   会社法21条〜24条は、事業譲渡に関する取引法的側面について
    規整を設けているが、組織法的側面[株式会社]については467条〜
  470条に規整が置かれている(前掲書)。

   会社法467条にいう株主総会の特別決議を要する(309条2項
  11号)事業譲渡については、会社法上、定義がないのはその通りで
  ある。

     判例(最大判昭和40・9・22民集19−6−1600)は、旧
  法において、営業の譲渡と呼ばれていたときに、商法245条1項1
  号によって、株主総会の特別決議を要する営業譲渡 (会社法では、
  467条1項1号に該当する)について、 商法25条(会社法では
   21条に該当する)に定める「競業避止義務を負う結果を伴うものを
   いう」としている。

   ≪つまり、会社法でいえば、会社法467条にいう事業譲渡は、
   同法21条以下にいう事業譲渡と同一意義である≫

     (以上、前掲書 参照)

   会社法のもとでは、営業譲渡を事業譲渡と言い換えることができる
    ので、本肢の記述は妥当である。

  ☆ 参考事項

     競業避止義務を負う結果を伴うものとしての定めとしての以下の内容
  の規定(21条)は、そのまま、平成21年度問題39・肢ウにおいて、
   妥当な肢として、採用されている。

    譲渡会社は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村の区
  域内およびこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡
 した日から20年間は、同一の事業を行ってはならない。


   ○ 肢イについて

   会社法22条1項・同3項により妥当。
  
   譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、譲受会社
  が債務を弁済することになるが、この場合、譲渡会社も責任がある。
  →原則 しかし、譲渡会社は、一定期間後には責任を消滅。

   ☆ 参考事項

   譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用しない場合には、23条
    参照。

     1項の広告をしなければ、譲受会社は債務を弁済する責任なし。
   
   2項 広告をした場合における、譲渡会社の一定期間後の責任消滅。


  ○ 肢ウについて

   会社法22条4項により妥当でない。

   債権者が善意でありかつ重大な過失がないときは、弁済の効力を生
    じる。

 
 ○ 肢エについて

   会社法467条1項1号・2号により妥当である。

   なお、467条1項2号( )内により、事業の重要な一部の譲渡に
    ついて、譲渡する資産の帳簿価格が譲渡会社の総資産の五分の一を超え
    ないときは、株主総会の承認は不要であることに注意せよ。

  ☆ 参考事項

   取締役会設置会社では、重要な財産の処分には取締役会決議が必要で
  ある(362条4項1号)。


 ○ 肢オについて

   会社法467条1項3号により、事業の重要な一部の譲受けの場合には、
   株主総会の承認は不要であるので、妥当でない。

  ☆ 参考事項

   取締役会設置会社では、重要な財産の譲受けには取締役会決議が必要で
  ある(362条4項1号)。
 
   会社法467条1項3号により、他の会社の事業の全部の譲受けの場合
    には、株主総会の承認を要するが、この場合でも、譲受会社が支払または
    交付する譲受けの対価の額(簿価)が譲受会社の純資産額の20%以下[
  定款で厳格化可]の場合は、株主総会の承認は不要である(468条2項)


 -------------------------------------------------------------------

  以上により、ウとオが妥当でないので、5が正解である。
 
 -------------------------------------------------------------------

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【発行者】司法書士 藤本 昌一
 
 ▽本文に記載されている内容は無断での転載は禁じます。
 
 ▽免責事項:内容には万全を期しておりますが、万一当サイトの内容を
       使用されたことによって損害が生じた場合でも、
       一切責任を負いかねますことをご了承ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


examination_support at 13:18コメント(0) 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                 ★ オリジナル問題解答 《第58回》★

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
-------------------------------------------------------------
                         PRODUCED BY 藤本 昌一
-------------------------------------------------------------

 
  【テーマ】 行政法(行政事件訴訟法)

   
  【目次】   解説

 
   問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第157号掲載してある。
 
 ☆ メルマガ第157号はこちら
           ↓
   http://archive.mag2.com/0000279296/index.htm


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 解説
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  
 ☆ 参照書籍

    行政法読本 芝池 義一著・行政法入門 藤田 宙靖著
  /有斐閣


  
 【 問題 1】


 ☆ 本問については、サイト69回を参照されたい。
 
 ・第69回はこちら↓
 http://examination-support.livedoor.biz/archives/1355589.html

  ◆ 総説

  
  行政訴訟は、主観訴訟と客観訴訟に分かれる

 
 ○ 主観訴訟=権利保護の制度・つまり救済の制度。

  
    抗告訴訟と当事者訴訟に分かれる。

    「抗告訴訟」=取消訴訟・無効等確認訴訟・不作為の違法確認
           ・義務付け訴訟・差止訴訟


     「当事者訴訟」=実質的当事者訴訟・形式的当事者訴訟


 ○ 客観訴訟=権利救済のためでなく、国・公共団体の違法行為を
                是正し、その活動の適法性を確保することを目的と
                する。


     「民衆訴訟」・「機関訴訟」


 (前掲書・読本 266頁の図表を参考にした)

 
 ◆ 各肢の検討


  ○ ア・イについて

   
    以下の記述を参照されたい。

--------------------------------------------------------------

    行訴法4条前段野規定は、「形式的当事者訴訟」である。
  これに対比されるのが同条後段の「実質的当事者訴訟」である。 

  いずれも、総説の「当事者訴訟」に含まれる。

   以下において、「形式的当事者訴訟」について説明する。
  
    まず、条文の意味するところは、難解であるが、「本来は取消訴訟
  であるべきところ、法律の規定により当事者訴訟とされているので
  『形式的当事者訴訟』と呼ばれている。」(読本270頁)

 「この訴訟の代表例は、土地収用の場合において土地所有者に支払
   われる損失補償に関する争いである。損失補償は、都道府県に設
   けらている収用委員会の裁決によって定められるが、、裁決は
   行政処分であり・・従って土地所有者がその損失補償に不服がある
   場合には、本来収用委員会を被告として取消訴訟を提起しなければ
   ならないはずである。ところが、土地収用法133条3項は、損失
  補償に関する訴訟は、損失補償の法律関係の当事者つまり、土地
   所有者と土地所有権を取得し補償の義務を負担する起業者との間
   で行われるべきものとしている。」(読本270頁)

 
    これに対して、行訴法4後段の「実質的当事者訴訟」に関しては、
  最大判H17・9・14を参照すべきである。

   在外国民が「次回の衆議院の総選挙における小選挙区選出議員の
選挙および参議院の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において、
在外選挙人名簿に登録されていることに基づいて投票できる地位にあ
ること」の確認を求める訴えは「公法上の法律関係に関する訴え」
として確認の利益が肯定され適法である。

 (入門211頁以下・読本337頁以下)

  なお、この他、当該訴訟の例として、「公務員の身分の確認を求
める訴訟や公務員の俸給の支払を求める訴訟などがこれに該当する。」
とされる(読本 269頁)

 
  ☆  関連事項

   過去問 平成19年度・問題19をみよ!!

  行政事件訴訟法4条の当事者訴訟に当たるものの組合せとして
正しいものとして、次の肢が挙げられている。

  ア  土地収用法に基づいて、土地所有者が起業者を被告として
  提起する損失補償に関する訴え

 オ 日本国籍を有することの確認の訴え


 アが、形式的当事者訴訟であり、オが、実質的当事者訴訟である。

-------------------------------------------------------------
 
  以上の記述に照らせば、アは、形式的「当事者訴訟」であり、イは
  実質的「当事者訴訟」であるから、後段の説明が逆になっている。

  ア・イとも誤りである。

 
 ○ ウについて

   
    以下の記述を参照されたい。

  ---------------------------------------------------------------- 

    地方自治法242条の2に定める「住民訴訟」は、行訴法5条
  が規定する民衆訴訟である(総説・○客観訴訟「民衆訴訟」参照)。

   
   選挙に関する訴訟は公職選挙法(203条以下)で定められ、
   これもまた、民衆訴訟である(総説参照)。
  
  
   次の指摘に注意。

   「選挙に関する訴訟は公職選挙法(203条以下)で定められ、
    住民訴訟は地方自治法(242条の2)で定められている。
    行政事件訴訟法5条の規定は、それらの訴訟を行政訴訟に
    組み込むという意味を持っている」(読本271頁)

----------------------------------------------------------------

    以上の記述に照らせば、本肢は正しい。


 ○ エについて

  「義務付けの訴え」(行訴法3条6項)は、抗告訴訟に該当する
  行訴法3条1項・総説○主観訴訟「抗告訴訟」参照」

  抗告訴訟に該当するので、本肢は誤りである。

 ○ オについて
               
        行訴法6条の機関訴訟(総説・○客観訴訟「機関訴訟」)に
   いては、「法律が定めている場合に限り、法律で認められた者
      だけが提起することができる。その理由は、行政機関が法人格
   を持たず、権利義務の主体ではないことである。行政組織内部
      の紛争はその 内部で解決すべきであるという観念も作用して
   いるであろう」(読本271頁)

   したがって、本肢は正しい。


=================================

 以上によれば、正しいのは、ウ・オであるから、正解は5である。

=================================

 
 【 問題2 】


 ◆ 参照サイト 行政事件訴訟・抗告訴訟 第36回

  第36回はこちら↓
  http://examination-support.livedoor.biz/archives/792006.html

 ◆ 各肢の検討

  アにについて

   行訴法3条5号によれば、「法令に基づく申請」が行われたが、行政
 庁が応答しない場合において、不作為違法確認訴訟の提起が認められる。
  法3条6項1号の「直接型不作為」は、当該訴訟の対象にならない。
 
  理屈は、サイト36回・A平成19年度 肢1と同じである。
 
 正しくない。


 イについて

   この「直接型不作為」に対し、義務付け訴訟を提起できる(3条6項1号)
 が、肢アでみたとおり不作為違法確認訴訟は提起できない。当該訴訟を一緒
 に起こす必要はない。しかし、37条の2第1項で厳格な要件が規定されて
 いる。 

 正しくない。


  ウについて。

   法3条6項2号の「申請型不作為」に対する義務付け訴訟にあっては、
  不作為違法確認訴訟も一緒に起こさなければならない(法37条の3
 第3項第1号)。

 正しい。


  エ について

   法3条6項2号の「申請型不作為」に対する義務付け訴訟にあっては、
 申請に対してすでに拒否処分がなされている場合には、この拒否処分
 に対する取消訴訟または無効確認訴訟を一緒に起こさなければならない
 (法37条の3第3項2号)。

 正しい。


 オについて

   差止訴訟とは、行政庁が行政処分を行おうとしている場合において、
 行政庁がその行政処分をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟
 である(法3条7項)から、その行政処分がなされた後に提起される
 取消訴訟の併合は、要求されていない。

 正しくない。

===============================

 正しいのは、ウとエであるから、正解は4である。

===============================
                           

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【発行者】司法書士 藤本 昌一

 【運営サイト】http://examination-support.livedoor.biz/
       
 【E-mail】<fujimoto_office1977@yahoo.co.jp>
 
 ▽本文に記載されている内容は無断での転載は禁じます。
 
 ▽免責事項:内容には万全を期しておりますが、万一当サイトの内容を
       使用されたことによって損害が生じた場合でも、
       一切責任を負いかねますことをご了承ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


examination_support at 10:34コメント(0) 
     
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

             ★ オリジナル問題解答 《第57回》★

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
-------------------------------------------------------------
                    PRODUCED BY 藤本 昌一
-------------------------------------------------------------

 
  【テーマ】 行政法

   
  【目次】   解説
    
  
   問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第156号掲載してある。
 
 
 ☆ メルマガ第156回はこちら
           ↓
 
 
 ☆ 参照書籍

    行政法読本 芝池 義一著・行政法入門 藤田 宙靖著
  /有斐閣



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 解説
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  ☆ 参考書籍

  「行政法入門」藤田 宙靖 著 ・「行政法読本」芝池 義一 著
  ・ともに有斐閣発行


  ☆ 参考サイト

  行政事件法第38回
  
  ■  サイト第38回はこちら
                ↓


 ◆ 各肢の検討

  
  ○ アについて

   本肢は、行訴法8条1項の「自由選択主義」に対する例外の同条同
    同項のただし書きが規定する「不服申立ての前置」が取消訴訟の要件
    になっている場合である。

   8条2項各号により、例外として、前置なく取り消し訴訟が提起で
    きる場合が規定されている。 本肢は、同条同項二号に規定がある。

   以上のとおり、本肢は妥当である。

  ★ 参考事項

    行政不服審査法によると、異義申立てには決定がなされ、審査
   請求には裁決がなされることになっているが、行政事件訴訟法では、
     両者を含めて、「審査請求」「裁決」という言葉に統一されている
     ことに注意せよ。

  
  ○ イについて

   法8条第1項ただし書きによれば、不服申立ての「前置」は「処分
    取消しの訴」 に該当する。
     法38条は、法8条1項ただし書きを無効確認訴訟に 準用していな
   い。

     無効確認訴訟については、まさに「前置」といった制限を設けず、
   いつ でも起こせる抗告訴訟であるところにこそ、この訴訟のほんら
   いの意味があるからである。(入門参照)したがって、個別の法に
   おいて、前置の規定があっても、無効確認訴訟には適用がない。

     以上の記述に反する本肢は妥当でない。


    ○ ウについて

      本肢では、前置が処分取消訴訟の要件とされていない場合において、
  いきなり処分取消訴訟を提起しないで、審査請求を選択した場合に相
   当する。
    換言すると、「自由選択主義」に基づいて、行政上の不服申立てを先
  行させた場合である。

  審査請求があったときの出訴期間に関する14条3項の規定は、前置
 の場合に限っていないので、この場合にも適用されることになる。
    したがって、この場合にも、処分取消訴訟の出訴期間は裁決の時点を
  基準として判断されることになる。
  おそらく、当該規定は、裁決の結果 をみて、原処分の取消訴訟を提
  起しようとする相手方の意思を尊重したものであろう。そうであれば、
 前置に限定する必要はない。
  
  なお、これは、教科書では一般に触れられていないので、常識によ
  って判断することになるだろう。

  以上の記述に従えば、本肢は妥当である。


 ○ エについて

   原則は、「原処分主義」である。
   例外としての「裁決主義」は次のとおりである。

   個別法が裁決主義を採用している場合においては、元の処分に対
    する取消訴訟は提起できず、裁決取消訴訟のみが提起でき、元の処
    分の違法についても、そこで主張すべきこととなる。

     以上の記述に反する本肢は、妥当でない。


 ○ オについて

     前段は妥当である。しかし、原処分主義が採用されている場合で
   も、裁決に対しても取消訴訟を提起することは許されている。

    なお、「裁決の取消の訴え」を「処分の取消しの訴え」と併合し
  て提起することも許されている。

  以上の記述に従えば、後段が妥当でない。



--------------------------------------------------------------------

   以上に従えば、アとウが妥当であるので、正解は1である

--------------------------------------------------------------------


  ◆ 付 言

    本試験でも散見される組合せ問題については、1〜5の組合せ自体
  に時間短縮のヒントが伏在していることに思いをいたすべきである。
   自分で確信のもてる肢があれば、たとえば、それが、アであれば、
  その相棒は、ウかエの選択に絞られる。また、確信のもてる肢が、ウ
  であれば、アかオの選択にかぎられる。
   もしも、どの肢にも確信がなければ、1〜5の組合せの比較による
  相対比較によることになるが、この場合でも、1〜5の組合せの探索
  が先行することになる。

  このように考えると、普段の勉強において、あいまいな知識を排除
 して、いかにして正確なる知識を構築できるかが、本試験合格の要諦
 であると言えると思う。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【発行者】司法書士 藤本 昌一

 【運営サイト】http://examination-support.livedoor.biz/
        
 【E-mail】<fujimoto_office1977@yahoo.co.jp> 
 
 ▽本文に記載されている内容は無断での転載は禁じます。
 
 ▽免責事項:内容には万全を期しておりますが、万一当サイトの内容を
       使用されたことによって損害が生じた場合でも、
       一切責任を負いかねますことをご了承ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

examination_support at 18:03コメント(0) 


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

             ★ オリジナル問題解答 《第56回 》★

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
-------------------------------------------------------------
                   PRODUCED BY 藤本 昌一
-------------------------------------------------------------
 
  【テーマ】 行政法
   
  【目次】   解説   

 
   問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第155号掲載してある。
 
 ☆ メルマガ第155回はこちら
           ↓
   http://archive.mag2.com/0000279296/index.htm 
 
 ☆ 参照書籍

    行政法読本 芝池 義一著・行政法入門 藤田 宙靖著
  /有斐閣


 ◆ 本問については、サイト [処分についての審査請求] 
    第65回 参照

    ☆第65回はこちらです↓
   http://examination-support.livedoor.biz/archives/1284134.html  
  

 ◆ 序論

  
   不服申立ての種類

   行政不服審査法は、不服申立ての種類として、「異議申立て」
 「審査請求」「再審査請求」の三つのものを定めている。
  
  「異議申立て」というのは、問題となっている処分をした(ま
   たはしなかった)行政庁それ自体(処分庁または不作為庁)に対
   する不服申立てである。

     これに対して「審査請求」 とは、それ以外の行政庁(上級監
   督庁であるのが普通であるが、 そのための特別の機関が設けら
   れているケースもある)に対する不服申立てである。(同法3
  条2項)。
   
   また「再審査請求」というのは一度審査請求をおえたのちにさ
   らにおこなう、例外的な不服申立てなのであるが(同法3条1項)、
   行政不服審査法自体が定めている特定のばあいのほかは、法律ま
   たは条例によって特に定められているばあいにだけ、その法律・
   条例が特にに定める行政庁に申立てできる(同法8条1項および
   2項参照)

   異議申立てに対して行われる裁断行為は「決定」とよばれ(同
  法47条)審査請求および再審査請求に対するそれは、「裁決」
  とよばれている(同法40条、56条)。(以上、入門235頁
  以下参照)。


 ◆  各肢の検討

  
  ○ ア・イについて

     行審法41条1項によれば、裁決の方式として、書面で行い、かつ
     理由を附すことになっている。
  
      条文の上で、「しなければならない」と規定されていることからすれ
  ば、 裁決に理由が附されていなければ違法になる。
  
     行手法の規定によく見られる「努めなければならない」が努力義務で
    あることと対比される。

     以上の規定は、処分についての異議申立てに準用されている(48条)


------------------------------------------------------------------

   以上からすれば、裁決・決定いずれにおいても、書面で行い、理由を
  附することが義務である。したがって、これに反するア・イとも妥当で
  ない。                   

------------------------------------------------------------------

 
 
  ○ ウについて
  
   行審法第1条1項によると、「不当な処分」も不服申立ての対象と
  している。
 
   以下の記述にも注意。

    「・・裁判所というのは、もっぱら、紛争を法的に解決することをそ
      の任務とする機関ですから、裁判所が審理できるのは、とうぜんに
      法問題( 行政処分の違法性)にかぎられ、自由裁量行為のばあい
      に行政庁がおこなった裁量が不当ではなかったかどうか、といった
      ような判断はできないわけですが、行政上の不服申立てのばあいだ
      ったらそういった制限はない、ということになります」(入門23
      3頁)。

   この場合における、不服申立てには、審査請求と異議申立てを含む
   ので、本肢では、「決定」にも当てはまる。

------------------------------------------------------------------
   
     以上の記述に相応する本肢は、妥当である。

-----------------------------------------------------------------
 
 
 
  ○ エについて

   行政事件訴訟法3条3項によると、裁決・決定に対して不服がある
   場合、 抗告訴訟の対象になる。 
  
   また、行審法は、審査請求と異議申立ての関係については、相互
  独立主義を採用しているのである(5条・6条参照)から、決定に
    対して、不服がある場合にも、取消訴訟を提起できる。

----------------------------------------------------------------
  
     以上の記述に反する本肢は妥当でない。

-----------------------------------------------------------------


  ○ オについて

  40条5項によれば、審査庁が、処分庁の上級行政庁であるとき
 における「裁決」において、処分の変更が許される。
  この場合には、審査請求人の不利益変更禁止の原則が働く(同条
 同項ただしがき)。

  47条3項によれば、処分庁が決定で処分の変更をする場合にお
 いて、異議申立人の不利益に当該処分を変更できない。

 

------------------------------------------------------------------
 
    以上の記述に相応する本肢は、妥当である。

------------------------------------------------------------------

 
     本問については、ウとオが妥当であるから、正解は4である。


 ※  なお、今後、このサイトの【過去問解説 】欄において、行政不
     服審査法に関する過去問について、平成24年度14・15問を
     手始めにして、順次、不定期に解説する予定である。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【発行者】司法書士 藤本 昌一
 
 ▽本文に記載されている内容は無断での転載は禁じます。
 
 ▽免責事項:内容には万全を期しておりますが、万一当サイトの内容を
       使用されたことによって損害が生じた場合でも、
       一切責任を負いかねますことをご了承ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


examination_support at 13:41コメント(0)トラックバック(0) 
記事検索
  • ライブドアブログ