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             ★ オリジナル問題解答 《第57回》★

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                    PRODUCED BY 藤本 昌一
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  【テーマ】 行政法

   
  【目次】   解説
    
  
   問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第156号掲載してある。
 
 
 ☆ メルマガ第156回はこちら
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 ☆ 参照書籍

    行政法読本 芝池 義一著・行政法入門 藤田 宙靖著
  /有斐閣



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■ 解説
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  ☆ 参考書籍

  「行政法入門」藤田 宙靖 著 ・「行政法読本」芝池 義一 著
  ・ともに有斐閣発行


  ☆ 参考サイト

  行政事件法第38回
  
  ■  サイト第38回はこちら
                ↓


 ◆ 各肢の検討

  
  ○ アについて

   本肢は、行訴法8条1項の「自由選択主義」に対する例外の同条同
    同項のただし書きが規定する「不服申立ての前置」が取消訴訟の要件
    になっている場合である。

   8条2項各号により、例外として、前置なく取り消し訴訟が提起で
    きる場合が規定されている。 本肢は、同条同項二号に規定がある。

   以上のとおり、本肢は妥当である。

  ★ 参考事項

    行政不服審査法によると、異義申立てには決定がなされ、審査
   請求には裁決がなされることになっているが、行政事件訴訟法では、
     両者を含めて、「審査請求」「裁決」という言葉に統一されている
     ことに注意せよ。

  
  ○ イについて

   法8条第1項ただし書きによれば、不服申立ての「前置」は「処分
    取消しの訴」 に該当する。
     法38条は、法8条1項ただし書きを無効確認訴訟に 準用していな
   い。

     無効確認訴訟については、まさに「前置」といった制限を設けず、
   いつ でも起こせる抗告訴訟であるところにこそ、この訴訟のほんら
   いの意味があるからである。(入門参照)したがって、個別の法に
   おいて、前置の規定があっても、無効確認訴訟には適用がない。

     以上の記述に反する本肢は妥当でない。


    ○ ウについて

      本肢では、前置が処分取消訴訟の要件とされていない場合において、
  いきなり処分取消訴訟を提起しないで、審査請求を選択した場合に相
   当する。
    換言すると、「自由選択主義」に基づいて、行政上の不服申立てを先
  行させた場合である。

  審査請求があったときの出訴期間に関する14条3項の規定は、前置
 の場合に限っていないので、この場合にも適用されることになる。
    したがって、この場合にも、処分取消訴訟の出訴期間は裁決の時点を
  基準として判断されることになる。
  おそらく、当該規定は、裁決の結果 をみて、原処分の取消訴訟を提
  起しようとする相手方の意思を尊重したものであろう。そうであれば、
 前置に限定する必要はない。
  
  なお、これは、教科書では一般に触れられていないので、常識によ
  って判断することになるだろう。

  以上の記述に従えば、本肢は妥当である。


 ○ エについて

   原則は、「原処分主義」である。
   例外としての「裁決主義」は次のとおりである。

   個別法が裁決主義を採用している場合においては、元の処分に対
    する取消訴訟は提起できず、裁決取消訴訟のみが提起でき、元の処
    分の違法についても、そこで主張すべきこととなる。

     以上の記述に反する本肢は、妥当でない。


 ○ オについて

     前段は妥当である。しかし、原処分主義が採用されている場合で
   も、裁決に対しても取消訴訟を提起することは許されている。

    なお、「裁決の取消の訴え」を「処分の取消しの訴え」と併合し
  て提起することも許されている。

  以上の記述に従えば、後段が妥当でない。



--------------------------------------------------------------------

   以上に従えば、アとウが妥当であるので、正解は1である

--------------------------------------------------------------------


  ◆ 付 言

    本試験でも散見される組合せ問題については、1〜5の組合せ自体
  に時間短縮のヒントが伏在していることに思いをいたすべきである。
   自分で確信のもてる肢があれば、たとえば、それが、アであれば、
  その相棒は、ウかエの選択に絞られる。また、確信のもてる肢が、ウ
  であれば、アかオの選択にかぎられる。
   もしも、どの肢にも確信がなければ、1〜5の組合せの比較による
  相対比較によることになるが、この場合でも、1〜5の組合せの探索
  が先行することになる。

  このように考えると、普段の勉強において、あいまいな知識を排除
 して、いかにして正確なる知識を構築できるかが、本試験合格の要諦
 であると言えると思う。


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 【発行者】司法書士 藤本 昌一

 【運営サイト】http://examination-support.livedoor.biz/
        
 【E-mail】<fujimoto_office1977@yahoo.co.jp> 
 
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         ★ 【過去問解説第104回 】  ★

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             PRODUCED BY 藤本 昌一
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  【テーマ】 行政法=行政不服審査法

        
  【目 次】 過去問・解説 

    
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 ■ 平成24年度・問題14
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   行政不服審査法に基づく不服申立てに関する次の記述のうち、法令
 または判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1 行政不服申立てにおいては、行政処分の取消しを求めることだ
  けではなく、公法上の法律関係の確認を求めることも許される。

 2 行政不服審査法は、不服申立ての対象となる行政処分について
  は、いわゆる一般概括主義を採用しており、不服申立てをするこ
  とができない処分を列挙してはいない。

 3 行政処分について審査請求の申立適格を有するのは、処分の相
  手方に限られ、それ以外の第三者は、他の法律に特別の定めがな
  い限り、申立適格を有しない。

  4 憲法による適正手続の保障の趣旨は、不服申立ての審理手続に
  も及ぶので、その手続においても、口頭弁論主義が原則とされて
  いる。

 5 審査請求の裁決は、書面でしなければならず、緊急を要する場
  合であっても、口頭ですることは認められていない。


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 ■  解説 
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 ★  参考文献

  行政法入門 藤田宙靖 著 ・ 行政法読本 芝池義一 著

    ・有斐閣発行
 
 
 ◆ 本問のポイント

    本講座メルマガ第155回・行政法オリジナル問題56回に
  おいて、肢イでは、以下のような記述になっている。
 
 ------------------------------------------------------------
   裁決は書面で行わなければならないが、決定にあっては、緊
   急を要する場合は、口頭ですることもできる。
 ------------------------------------------------------------
   
    行審法41条1項によれば、裁決は、書面で行い、理由を附さ
 なければならないことになっており、当該規定は、異議申立ての
 決定にも準用されている(47条・48条)。
    緊急を要する場合は、口頭ですることができるという例外規定
 はない。
  したがって、本肢は、妥当でないことになる。

  以上の確実な知識があれば、本問では、5が妥当でなく、5が
 正解であることが即答ができる。

  
  ※ 参考事項

  理由の提示と緊急性との関係では、この際、行政手続法の以下の
 条文知識を明確にしておくことが、行政不服審査法との混乱を避け
 る意味でも肝要であると思われる。

  申請に対する許認可を拒否する処分をする場合には、理由を書面
 で示さなければならないが(行手法8条)、不利益処分の場合には、
 原則は以上のとおりであるとしても、当該理由を示さないで処分す
 べき差し迫った必要がある場合は、この限りでないという例外規定
 が設けられている(同法14条1項・3項)。なお、この例外の場
 合においても、原則として、処分後相当の期間内に、理由を示さな
 けばならないこと注意せよ(同法14条2項)。

 
 ◆ 各肢の検討

    
  ○ 肢1について。

   本肢では、不服申立ての内容を主題にしているが、教科書では、
  一般に詳しく論じられていないので、この際、今後の本試験対策と
  しても要点を把握しておくべきである。

   第1に本肢では「行政不服申立てにおいては、行政処分の取消し
  を求めることだけではなく」とされているが、ならば、行政不服申
  立てでは、行政処分の取消し以外にどのような内容の不服を申立て
  ることができるのかが問題になる。

   第2に、かりに「行政不服申立てにおいては、公法上の法律関係
  の確認を求めることも許される」という本肢の記述が妥当でないと
  した場合、その根拠はなんであろうか。

   これらの点について考えるには、下記の記述が出発点になる
  (前掲書 読本 254頁参照)
   
   行政不服審査法第1条について、「この規定が示しているように、
  行政不服審査の制度の適用があるのは『行政庁の処分その他の公権
  力の行使に当たる行為』(行審法1条2項ではこれと同じ文言が使
  われている。)についてだけである。行政指導などについてはこの
  制度は適用されない。行政処分が適用対象である点は、行政訴訟の
  うちの抗告訴訟(とくに取消訴訟)とほぼ同じである《行訴法3条
  2項参照》(『ほぼ』というのは、取消訴訟においては、行政処分
  に加え、行政不服審査の裁決・決定もその対象になるからである
  《行訴法3条3項参照》)。
   

   それでは、第1の行政不服申立てでは、行政処分の取消し以外に
  どのような内容の不服を申立てることができるのかという点につい
  て検討しよう。

   抗告訴訟では、行訴法3条において、訴訟類型が定められている
  のに対し、行審法では、「異議申立て」「審査請求」という不服申
  立ての種類が定められているだけで(行審法2条参照)その内容に
  ついては、行訴法のように類型したものの定めがない。
   さきに掲げた行審法1条を中心に考えると、行政処分が適用対象
  になるのだから、処分の取消しを求める異議申立てや審査請求が認
  められのは当然であろう(同法40条・47条参照)。またこれに
  準じて、処分の無効の確認を求める異議申立てや審査請求もありう
  るであろう。また、行審法は、不作為について、不服申立てをでき
  ることになっているので(同法3条、7条、50条、51条参照・
  なお、50条・51条に焦点を当てたのが、平成24年度・問題1
  5肢3・4である)、不作為の違法確認を求める異議申立てや審査
  請求もできる。
   
     次に第2の行政不服申立てにおいては、公法上の法律関係の確認
  を求めることも許されるかという主題に移行しよう。

   ここでいう「公法上の法律関係の確認を求める」とは、行訴法に
  おいては「公法上の当事者訴訟としての確認訴訟」(同法4条後段
  の実質的当事者訴訟)に該当するが、当該訴訟では、行政処分には、
  適用されず、適用されるのは、公法上の法律関係である。
   他方、前述したとおり、行政不服審査の制度の適用があるのは
 『行政庁の処分その他の公権力の行使に当たる行為』であるから、
  行審法では、「公法上の法律関係の確認」を求めることはできない。
   前述したところによると、行政処分ではない行政指導などについ
   ては行審法は適用されないことになるが、たとえば、行政指導につ
   いて争うには、「公法上の当事者訴訟としての確認訴訟」としての
  当該実質的訴訟によるべきだと解することもできる。

  以上の記述により、行審法では、「公法上の法律関係の確認」を
 求めることはできないということの論拠と結論は、明確であるので、
 本肢は妥当でない。

  
  ※  行審法では、行訴法における「義務付けの訴え」・「差止めの
   訴え」(3条6号・同7号)に相当する内容の不服申立ても認め
   られるのか一考の余地がある。

   以下のように考えられる。
    
   「義務付けの訴え」
     
    このなかには、許可の申請などに対して行政庁が処分をすべき
   であるにもかかわらずしない場合(法3条6項2号「申請型不作
   為」)とそれ以外の場合(同1号「直接型不作為」)に起こすも
   のあるが、行審法2条2項に照らすと、申請型不作為については、
   義務付けを求める異議申立てや審査請求を認める可能性はあると
   しても、直接型不作為には、これらは認められないであろう。
    たとえば、隣の土地の建物が違法建築で、きわめて危険なもの
   であるのに行政庁が不作為の場合、改善命令を出したり、取壊し
   命令を出すことを求める異議申立てや審査請求は認められないこ
   とになる。


   「差止めの訴え」

    この訴えは、処分まだなされていないにかかわらず、まえもっ
   て裁判所に判断してもらおうとする行訴法に特有の制度であるか
   ら、明文のない行審法では認められないと考えるべきであろう。

   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    以上のとおり、長い記述になったが、ずばりの文献もなく、困
   難な作業だったが、行訴法と対比しながら、行審法の理解を深め
   るという意味において、将来の本試験対策としても有益であると
   思われたので、あえて、詳しい解説を試みたしだいである。

       ただし、第1の行政不服申立てでは、どのような内容の不服
   を申立てることができるのかという点については、前掲書読本
   では以下のとおりの簡潔な記載があるだけであった(実は、うん
   うんと云いながら前記解説文を書いた後、読本に当該記載を発見
   したのである)《読本255頁》

   行政不服審査制度においては、許認可などの申請に対する行政
  庁の不作為についても不服申立てが認められている(行審法7条)。
  従って、厳密には、行政不服審査制度は、抗告訴訟のうちの取消
  訴訟および不作為違法確認訴訟に対応するものである。

   もっとも、前掲書入門では、処分の無効の確認を求める異議申
  立や審査請求を認めているようである(入門236頁)。

   となると、私が前述したとろによれば、「申請型不作為について
  は、義務付けを求める異議申立てや審査請求を認める可能性はある」
  という記述の妥当性が検討課題になるのみである。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   

  
  ○ 肢2について。

    本肢では、不服申立事項が主題になっている。下記の記述を参
   照されたい。

    訴願法の時代には、どんな行政処分に対しても訴願ができたと
   いうわけではなくて、法律で定められた一定の処分に対してしか
   できなっかった(列記主義)のですが、行政不服審査法はこれを
   やめて、いわゆる概括主義をとりました(同法4条1項)。それ
   でも、例外的に、同法4条1項1号から11号までに掲げるもの
   については、その処分の性質上、行政不服審査法に基づく不服申
   立てはできないことにしていますし、それ以外にも、個別法律で、
   不服申立てを許さないことにしているばあいがあります。

    以上の記述に照らすと、本肢前段は妥当であるが、後段が妥当
   でない。

   ※ 参考事項

   (1)本肢の一般概括主義の例外と行政手続法3条の適用除外を
     混同しないようにすべきである。

    (a) 前者に関する過去問としては、以下の平成17年度問
       題14がある。
      
      ▲ 次のア〜オの記述で、行政不服審査法の不服申立ての対
       象とならないものが二つある。その組合せとして、正しい
       ものはどれか。

       ア 都市計画法に基づく開発許可処分
    
       イ 外国人の出入国に関する処分

       ウ 人の収容、物の留置その他その内容が継続的性質を有
        する事実行為

       エ 建築基準法上の建築確認処分

       オ 国税犯則事件に関する法令に基づき、国税庁長官が行
        う処分


       1 ア・ウ
    
       2 ア・オ

       3 イ・エ

       4 イ・オ

       5 ウ・オ

    
      ≪正解は4である。》


      (b) 後者に関する過去問としては、以下の平成13年度問
        題12がある。
      
       ▲ 次のうち、行政手続法の適用がないものは、いくつあ
        るか。

        
        ア 外国人の出入国、難民の認定または帰化に関する処
         分

        イ 人の学識技能に関する試験または検定の結果につい
         ての処分

        ウ 審査請求、異議申立てに対する行政庁の裁決または
         決定

        エ 公務員に対してその職務または身分に関して行われ
         る不利益処分

        オ 法令に基づき相反する利害を有する者の間の利害の
         調整を目的とし、その双方を名あて人として行われる
         処分

        1  一つ

               2 二つ

        3  三つ
       
               4 四つ

        5  五つ

           
       ≪正解は5である。》


        
      ★ 以上については、本試験直前において、念のため、過去
       問を通じて条文に触れておくのも一考であろう。


   (2) また、過去問としては、平成19年度問題14肢2において、
      以下のとおりの本肢とほぼ同じ記述のある肢が出題されている。

            行政不服審査法は、不服申立ての対象となる「行政庁の処分」
          につき、いわゆる一般概括主義をとっており、不服申立てをす
     ることができない処分を、同法は列挙していない。

       もちろん、本肢は妥当でない!

  
  ○ 肢3について。

   本肢でとりあげられている不服申立資格については、以下の記述を
  参照されたい。

   不服申立ての資格については、行政不服審査法は、「行政庁の処分
   (・・)に不服があるもの」と定めるだけであるが(4条1項)、最高
  裁判所1978(昭和53)年3月14日判決=主婦連ジュース不当
    表示事件によると、それは「当該処分について不服申立をする法律上
    の利益がある者、すなわち、当該処分により自己の権利若しくは法律
    上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者」
  である。

   したがって、判例によると、申立適格を有するのは、処分の相手方
  に限られず、それ以外の第三者についても、「当該処分について不服
  申立をする法律上の利益がある者」も含まれることになるので、本肢
  は妥当でない。

  
  ※ 参考事項


    ▲ 行政事件訴訟法9条1項の定める「法律上の利益」の解釈と前記
   昭和53年判決との関係(前記読本291頁以下参照)

  (1)行訴法9条1項の定める「法律上の利益」の解釈としては、
    主には「法律上保護された利益」説と「法的な保護に値する利
    益」説とが対立していた。
     「法律上保護された利益」説とは、法律の規定にょって保護さ
    れた利益をもって「法律上の利益」と解する説である。すなわち、
    「法律上の利益」の有無を法律の規定から、つまり「法律」の解
    釈によって決定しようとする説である。
     「法的な保護に値する利益」とは、法的な保護つまり裁判上の
    保護に値すると考えられる利益をもって「法律上の利益」と解す
    る説である。この説の特徴は、「法律上の利益」の範囲を「法律」
    によって判断するのではなく、利害の実態に着眼し「理論」によ
    って決定しょうとする点にある。

  (2)最高裁判所が以上の諸説のうちの「法律上保護された利益」説
    をとることを明確にしたのは、前記昭和53年判決である。

  (3)この基準は、この判決では行政不服申立資格の基準として示さ
    れたものであったが、その後、下級裁判所のみならず最高裁判所
    自身によっても、行政事件訴訟法9条1項の「法律上の利益」の
    解釈を示すものとして適用されてきている。この主婦ジュース不
    当表示事件判決の最高裁判決により、取消訴訟の原告適格につい
    て、「法律上保護された利益」説が確立したと言ってよいであろ
    う。

   ▲ 2004年の行政事件訴訟法改正による新規定と「法律上保護さ
    れた利益」説と「法的な保護に値する利益」説との関係(前記読本
       293頁参照)

   
    (1)主婦連ジュース不当表示事件の最高裁が提示した「法律上保護
    された利益」説は、訴訟実務の中では、とくに地方裁判所や高等
       裁判所にレベルにおいてであるが、原告適格を否定するために用
    いられ、猛威を振るってきたと言ってもよいほどである。この状
    況を打破するため、2004年の行政事件訴訟法改正では、同法
    9条に2項が付け加えられたのである。

  (2)従前の裁判例では、原告適格の有無を判断する場合、争われてい 
   る行政処分の根拠となる規定だけを見るという判断方法があった。
    行政事件訴訟法9条2項は、当該法令のみならず関係法令を、し
   かもその趣旨目的まで見る(「参酌する」)ことを要求しているの
   である。
    他方「法令」のみならず、「利益」を見る(「勘案する」)こと
   が要求されていることも新しい点である。この点では、行政事件訴
   訟法9条2項は、「法律上保護された利益」説に立ちつつ、「法的
   な保護に値する利益」説を取り入れていると見ることができる。

 
   ▲ 平成24年度問題17について。

   
   行政事件訴訟法9条2項は、平成16年改正において、取消訴訟の
  原告適格に関して新設されたものであるとして、当該条文の前段がそ
  のまま呈示され、空欄を埋める問題が出題された。


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  以上長い引用と記述になったが、本肢については、判例と条文と過去
 問を結ぶ背景知識として、必要不可欠であると考えたため、あえて当該
 解説を行ったものである。
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  なお、併せて、以上の記述をもって、平成24年度問題17の解説に
 換える。
 


 ○ 肢4について。

  
  行審法25条1項によれば、審理は書面によることになっているので、
 本肢は妥当でない(なお、48条・56条の準用規定にも注意せよ)。
  なお、同法同条同項では、ただし、審査請求人などの申立てがあつた
 ときは、審査庁は、申立人に口頭で意見を述べる機会を与えなければな
 らないとしていることにも注意せよ。


 ※ 参考事項

    過去問平成20年度問題14 肢5は、以下のとおり本肢とほぼ
   同一の文言である。
   
   憲法による法定手続の保障の趣旨は、行政上の不服申立ての手続に
  も及ぶので、その手続においても、口頭弁論主義が原則とされている。

   なお、同じ過去問肢1では、「行政上の不服申立ての道を開くこと
  は、憲法上の要請ではないので、この制度を廃止しても、憲法違反と
  はならない」となっており、これを妥当な肢とするのが、過去問の立
  場であるから、「憲法31条の定める法定手続の保障は、直接には刑
  事手続に関するものであるが、行政手続については、それが刑事手続
  ではないとの理由のみで、そのすべてが当然に同条による保障の枠外
  にあると判断することは相当ではない」とする判例(最大判平4・7
  ・1民集46−5−437)が行審法の審理手続に及ぶかどうかは疑
  問である。つまり、この制度を廃止しても、憲法違反とはならない立
  場に立てば、当該判決の趣旨は、行審法の審理手続に及ばないとも考
  えられるからである。もし及ぶとしても、その審理手続は口頭弁論主
  義を原則とすべきとする要請には直結しないであろう。

 
 ○ 肢5について。

   ◆ 本問のポイント欄で述べたとおり、本肢は妥当である。

    なお、審査請求と書面については、本肢の裁決の方式(41条
     1項)のほか、肢4に関連する審理の方式(25条1項)・不服の
   申立ての方式(9条・なお16条)があり、いずれも異議申立て
   と共通である(48条)ことを銘記すべきである。



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 【発行者】 司法書士藤本昌一
 
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            ★ オリジナル問題解答 《第53回 》★

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  【テーマ】 行政法
    
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 ■   オリジナル問題 解説
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 ◆  参考書籍 
  
 行政法入門 藤田 宙靖著・ 行政法読本 芝池 義一 /有斐閣


 
  【問題1】


 
 ◆ サイト30回に掲載の平成18年度過去問・問題11及び解説参照

 
    第30回はコチラです
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  http://examination-support.livedoor.biz/archives/683857.html


  ◆ 各肢の検討

  
  ○ アについて

   平成21年度問題11の肢4の以下の記述をみてほしい。

   聴聞において、当事者が利害関係者の参加を求めたにもかかわらず、
  行政庁がこれを不許可とした場合には、行政不服審査法に基づく不服
  申立てをすることができる。

   妥当でない。

   条文は、行手法17条1項・同法27条1項である。
   つまり、同法17条1項に違反する違法な処分(行審法1条の行政
   庁の違法処分に該当する)は、行手法27条1項により、行審法による
  不服申立てをすることはできない。

  同様に行手法18条1項の文書等の閲覧規定に反する行政庁の処分も
  また、行審法の不服申立ての対象にならない。

   以上、本肢は妥当である。

  ○ イについて

  聴聞を経てなされた不利益処分については、行政不服審査法に基づく
  異議申立てはできないが、弁明の機会付与の不利益処分にはこうした
  制限がないので、本肢は妥当である(27条2項・29条以下にはこ
 うした規定もなく、準用もされていない)。

   しかし、27条2項によれば「審査請求」はできることになっている
  ことに注意。
  「異議申立て」は処分庁に対する不服申立てであるから(不服審査法
  3条2項)、聴聞という丁寧な手続を経た処分が覆る可能性がほとんど
  ないことが立法趣旨である。

  以上、本肢は妥当である。


 ○ ウについて

   行手法29条と同法20条の比較。なお、同法20条3項の審理の
 非公開原則に注意。これについては、学者の批判がある。

   以上、本肢も妥当である。

 ○ エについて
              ・・・・・・・・・
  丁寧な手続である聴聞は、許認可を撤回したり 資格 または地位
  を 剥奪するといった相手方に重大な不利益を与える不利益処分に
 ついて行われる。これが「特定不利益処分」であり、行手法13条
1項1号に列挙されている。
   この不利益処分には、行政法学上の取消しと撤回の双方が含まれる
 (同旨・平成21年度問題11・肢2)。

    以上に反する本肢は妥当でない。


 ○ オについて

  行政庁が、相手方から、申請により求められた許認可等を拒否する
 処分は、申請に対する処分(行手法2条3号)であるから、不利益処
  分に該当しないので、聴聞ないしは弁明が実施されることはない

  以上に反する本肢は、妥当でない。


-----------------------------------------------------------------

   以上により、妥当でないのは、エとオであるから、4が正解である。

-----------------------------------------------------------------


 ◆  付 言

   エとオの対比を通じて、「特定不利益処分」の概念をはっきりと把握
 することが肝要だ!

  一度行政庁がした許認可を取り消したり、撤回するのが、「特定不利益
 処分」であり、申請者から求められた許認可を拒否するのは、それが、い
 かに申請者の重大な利益に関わることであっても、「不利益処分」ではな
 く、「申請に対する処分」である。

   以上は、行政手続法の根幹をなすものであり、過去問でも繰り返し問わ
 れている。混同しないように!


   また、アとイの混同も回避すべき。

   アは、聴聞の手続そのものに対する不服。イは、聴聞・弁明を経て
 なされた不利益処分に対する不服申立ての問題。
   

 
 【問題2】

 

 ◆   参照サイト  行政法・審査基準 第27回

  ☆第27回はコチラです↓
 http://examination-support.livedoor.biz/archives/640603.html


  ◆ 総 説

     審査基準とは

      「申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定め
     に従って判断するために必要とされる基準」である(行手法2条8
     号ロ)。

    処分基準とは

   「不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかに
  についてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準」
    である(行手法2条8号ハ)。

   裁量基準

     これらは、「法律で裁量権が認められ、または政令・省令などにも
   十分に具体的な規定がない場合に、行政庁に行政裁量の基準つまり裁
  量基準を作らせ、それを手がかりに審査をするという方法である。」

 ( 前掲読本76頁等参照 )

◆ 各肢の検討 

 ◎ 肢アについて 
  

  審査基準は、行政立法の一つである。
  
  その行政立法には、2種類がある。その一つが「法規命令」であって、
 これは、法的拘束力を有する。
  もう一つは、「行政規則」であって、法的拘束力を有しない。
 
  審査基準は、「行政規則」に該当する


   したがって、本肢の「処分が違法となることはない」という記述は
 正しい。

  この場合には、憲法14条の平等原則違反に反し、違法となることが
 あるので、本肢の後段の記述も正しい。

   本肢は、全体として、正しい。

   
  ☆ 参考事項

  (1)平成19年度過去問 問題12・肢ウに注目!

   審査基準に違反して申請を拒否する処分をしても、その理由
    だけで処分が違法となることはないが、他の申請者と異なる
    取扱をすることになるため、比例原則違反として、違法となる
    ことがある。

      誤りである。

   比例原則違反ではない。平等原則違反である。

     ※ 比例原則は、公務員に対する懲戒処分でよく問題になるが、
   「処分の原因となる行為の悪質さとそれに対する処分の強さと
     の間には、合理的な比例関係がなければならなという原則で
     ある」(読本71頁)。


   (2)処分を行う際の裁量基準(処分基準)の「平等原則」をズバリ
   問うたものとして、平成19年度過去問・問題42がある。

   サイト23回参照

  ☆第23回はコチラです
      ↓
   http://examination-support.livedoor.biz/archives/592220.html

   なお、サイト22回も参照

   ☆第22回はコチラです
      ↓
   http://examination-support.livedoor.biz/archives/592202.html


 ◎ 肢イについて

   
    本問は、題意が掴みにくい。
  
  平成21年度問題11・肢エにおいて、以下の肢が出題された。

   「 審査基準には、法律に基づき処分の要件を定める政省令は含まれ
  ない。」

    正しい。

   行手法2条8号イ・ロが手がかりになる。
    まず、イの法律に基づく命令が、「法律に基づき処分の要件を定める
  政省令」に該当する。
  次に、ロには、審査基準が掲げてある。

  イとロが並列して列記されている以上、イには、ロは含まれないことに
   なり正しい。それにしても、なんとも紛らわしい記述である。

  端的に言えば、政省令は、「法規命令」であり、審査基準は、「行政
  規則」であるから、両者は厳然と区別される。


  本肢に戻ろう。ハには、処分基準が掲げらているので、審査基準も処
 分基準も、政省令には含まれないので、本肢は誤りである。

 
 ◎ 肢ウについて

   行手法5条1項と同法12条1項の対比から、審査基準が法的義務と
  されるのに対して、処分基準の設定が努力義務であって、逆である。

   本肢は誤りである。

 
   ☆ 参考事項

  (1) それぞれの公表義務についても、同様に、審査基準が法的義務
     であり(5条2項)、処分基準が努力義務である(12条1項)。

  (2) 行手法5条1項の「・・・とする」文言は、通例は義務づけを
     回避するために用いられるものであるが、処分基準の「・・・・
     努めなければならない」という文言と比較すると、審査基準の
     設定を行政庁に原則として義務づけるものと解釈するのが自然
     である。」(読本220頁参照)

  (3) 処分基準の公表が努力義務にとどまるのは、「処分基準を公表
         すると、場合によっては、違反すれすれの行為が行われたり、処
     分を巧妙に免れる脱法行為が行われたりすることがあることに配
         慮し   たためである。」(読本225頁)。

 

  ◎ 肢エについて

       肢ア・エで述べたとおり、両者とも、行政規則に該当するので、正
     しい。

 
  ◎ 肢オについて

      行手法法2条8号ロ・ハによれば、審査基準も処分基準も、 同法3
    9 条1項のいう「命令等」に該当する。
    したがって、両者を設定するには、行政庁は、原則として、意見公募
   手続を実施しなければならないが、同法39条4項各号に該当するとき
   は、これを実施しなくてもよいとされる。

   以上によれば、本肢は、明らかに誤りである。


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    本問は、アとエが正しいので、正解は1である。

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 【発行者】司法書士 藤本 昌一
 
 ▽本文に記載されている内容は無断での転載は禁じます。
 
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           ★  【過去問解説第100回 】  ★

          ワンポイント・レッスン その1

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                    PRODUCED BY 藤本 昌一
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  【テーマ】 行政法/行政処分 その2

        ★ 本試験では、瞬時にポイントを掴み、正解を
         導くことが要請されるので、今回は、そのポイ
         ントに絞り込み、コンパクトに解説するように
         試みた。

   【目 次】 過去問・解説
              

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 ■ 平成23年度・問題13
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  
 
   行政手続法の定める用語の定義についての次の記述のうち、正し
 いものはどれか(但し、各文章は法律の規定そのままではなく、一
 部表現を修正している)。

  1 処分・・・行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為で、
                審査請求・異議申立てその他不服申立てに対する
                裁決・決定を含むもの。

  2 不利益処分・・・行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あ
                      て人として、直接に、これに義務を課し、
                      又は申請を拒否する処分。

 3 届出・・・行政庁に対し一定の事項を通知する行為であって、
                当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこ
                ととされているもの。

 4 行政指導・・・行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内に
                    おいて一定の行政目的を実現するため特定又
                    は不特定の者に一定の作為又は不作為を求め
                    る指導、勧告、助言その他の行為であって処
                    分に該当しないもの。

 5 審査基準・・・申請により求められた許認可等をするかどうか
                  をその法令の定めに従って判断するために必要
                  とされる基準。

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 ■  解説 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  

  ◆ ポイント

  
    ○ その1 

    行政手続法は、行政の事前手続を定めたものであるから、
   事後手続である不服申立てに対する裁決・決定は対象にな
   らない。したがって、行手法第2条第2号にいう処分には、
   当該裁決・決定は、含まれない。

    行政訴訟制度(当該行政上の不服申立・抗告訴訟)と行
   政の事前手続という体系的理解がポイント。

    肢1は、正しくない。

     ○ その2

       行政手続法上の具体的仕組みとして、処分には、申請に対
   する処分(第2条第3号・第2章)と不利益処分(第2条4
   号・第3章)があり、申請を拒否する処分は、不利益処分に
   該当しない。

    行手法上、処分には、申請に対する処分と不利益処分が
   あるということが、ポイント。
   
      肢2は、正しくない。

  
 ○ その3

    届出制と許可制の根本的違いは、許可制が、申請に対す
   る処分として、行政庁に許可・不許可(拒否処分)という
   「諾否の応答をすべき」義務を課しているものである
   (第2条第3号)に対して、届出制は、許可に代わる届出で
    だけで、法効果を生ずるするものである(第2条第7号)。
   

    届出制と許可制の違いを把握しているかどうかがポイント。

   
    したがって、 届出について、行政庁が諾否の応答をすべ
   きこととされているとする肢3は、正しくない。

 ○ その4


      行政活動としては、行政立法・行政処分・行政指導等がある
  が、行政立法は、一般的抽象的であるのに対して、行政処分は
  個別的かつ具体的であって、相手方が特定されるのが通常であ
  る。とりわけ、行政指導は、事実行為であるため、特定性が要
  件になる。

   以上の体系的知識により、行政指導から「不特定の者」が省
  かれることに気づくことがポイント。

   したがって、行手法第2条第6号では、「特定の者」のみ
  が対象になっているので、肢4は正しくない。

 
 ○ その5

   審査基準の定義は、行手法第2条第8号ロの文言どおりで
  あって、肢5は正しい。

     本肢が正しいので、本問は、5が正解である。

 


 ------------------------------------------------------------- 

 ◆ 参考事項

     上記のポイントに絞り、当該欄は読み飛ばしていただいても、
  差し支えない。
  
  ○ その1 

   行手法第3条1項15号では、不服申立てに対する裁決・決
  定も行政庁の処分としたうえで、これは行手法の適用除外であ
  るとしている。そうであれば、行手法第2条第2号には、裁決
  等も含み、同法第3条15号において、適用除外にしたともと
  れるので、肢1は、正しいことになるが、この点については、
  出題者の想定外のこととして、目を瞑るべきであろうか。

  
   ○ その2

     申請を拒否する処分は、名あて人にとって、不利益な処分で
  はあるが、不利益処分でないことは、第2条第4号ロが規定し
  ている。

   そして、不利益な処分である拒否処分と不利益処分について、
  理由の提示を義務づけているのが、行手法全体としての特徴で
  ある(第8条第1項・第14条第1項)。

 
  ○ その3

   例えば、個室付き浴場は、届出だけで開業できるのに対し、
  パチンコの営業には、許可が必要という違いを想定せよ。
  

  ○ その4

   関連するものとして、次の記述が注目される(後掲・読本
  95頁)。

   行政処分は、個別的かつ具体的であるのが通例である。し
  かし、個別性は行政処分の不可欠の要素ではなく、相手方が
  不特定で一般的な行政処分もある。これが一般処分である。

   以上の記述に照らして、行政指導の場合は、相手方の
  「特定」が要件になるのである。

   
 ◆ 総括

   もし、前述したポイントを把握していなければ、肢5も含
  めて全部が正しいように思えて、最後は、勘でいずれかを選
  択することになる。しかも、即座にポイントを把握すること
  は、試験場の現場感覚からすれば、必ずしも容易ではない。

   市販の解説書によると、後追い解説により、本問は易しい・
  正解すべきものとされているが、私からすれば、そのような
  コメントは、不要であって、受験生の不安心理を煽るもので
  しかないように思う。

   早い話が厳密に言って、肢1と肢5いずれも正解であるの
  ではという疑問だって、そんなに簡単なことではないと、私
  には思われるのですが・・。


 ★  参考文献

  行政法入門 藤田宙靖 著 ・ 行政法読本 芝池義一 著

    ・有斐閣発行
 
 
  なお、次回においても、引き続き「行政処分」に関する過去問
 の解説を行うことにします。


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 【発行者】 司法書士藤本昌一
 
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       一切責任を負いかねますことをご了承ください。
       
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