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               ★ オリジナル問題解答 《第32回 》 ★

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                       PRODUCED BY 藤本 昌一
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  【テーマ】  会社法

   
    
  【目次】    解説

              
   
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 ■   オリジナル問題 解説
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   問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第118号掲載してある。

 
 ☆ メルマガ第118回はこちら

           ↓
   http://archive.mag2.com/0000279296/index.htm
 
 
   
 ★ 参考書籍 
  
   会社法 神田秀樹 著 ・ 弘文堂
 
  リーガルマインド
  会社法 弥永真生 著 ・ 有斐閣

 
   
 ● 序 説

    メルマガ第118回
 
  ■ 過去問・解説欄 ● 株式会社における剰余金の配当に関す
    るQ&A(上記過去問を通じて)を通読していただければ、各肢
    の解答が得られるはずであるが、以下の各肢の検討において、要
    点を示すことにする。
 
  
 ● 各肢の検討

   
  ○ アについて

      取締役会設置会社は、1事業年度の途中で1回に限り取締役会
    の決議によって剰余金の配当(金銭配当に限る)をすることがで
    きる旨を定款で定めることができる(454条5項)。
   これが、「中間配当」と言われるものであって、株主総会の承
    認に代えて、その都度、取締役会で剰余金の配当を決定すること
    ができる旨の定款の定めを置くことができる会社の場合(459
    条1項4号)とは異なって、本肢では、事業年度の途中で1回に
    限り配当できることに注意せよ!

     
     本肢は妥当でない。


  ○ イについて

    本肢は、委員会設置会社が、株主総会の承認に代えて、その都
    度、取締役会で剰余金を配当を決定することができる旨の定款の
    定めを置くことができる場合(459条1項4号)であって、こ
    の場合には、事業年度の途中で1回の配当という制限はない。

    
          本肢は、妥当でない。

      ※ 注
    
   (1)459条には、委員会設置会社の文言はないが、会計監査
         人設置会社とは、会計監査人の設置を強制される委員会設置
         会社を含んでいる(2条11号後段・327条5項)
      そして、委員会設置会社は、取締役会を強制され(32
          7条1項3号)、監査役(監査役会)を置いてはならないの
          で、委員会設置会社機関設計は、取締役会+3委員会等(2
          条12号)+会計監査人に限られる(神田・会社法169頁)。
   
   (2) 現物配当で株主に金銭分配請求権を与えない場合には、剰
          余金配当を株主総会ではなく、取締役会の権限とすることが
          認められないことに注意(459条1項4号ただし書き)。
     


  ○ ウについて

    309条2項10号によれば、この場合の剰余金分配の株主総会の
   決議は、特別決議になる(株主保護のため)。

    
        本肢は妥当である。

    なお、この場合には、459条1項4号の適用上、取締役会
  の権限とすることもできないことに注意(肢イ・エと関連する)。
 


  ○ エについて

      459条に該当する会社は、会計監査人設置会社かつ監査役会設
    置会社であることを要するので、会計監査人設置会社かつ監査役設
    置会社は、取締役の任期を1年と定めても、459条1項4項が適
    用されない。

    本肢は妥当でない。

   
      なお、機関設計については、一部再説になるが、以下のとおり
  である。

    この場合は、任意に会計監査人を置いた会計監査人設置会社であっ
    て(2条11号前段)、会計監査人設置会社は監査役(監査役会)設
  置を強制され、当該会社は、取締役会設置会社であるから、機関設計
  としては、取締役会+監査役会+会計監査人となる。機関設計として、
  取締役会+監査役+会計監査人も考えられるが、この会社は、459
  条の要件を充足しないのである。
  (機関設計については、神田・会社法169頁参照)
 

  ○ オについて

   453条括弧内および454条1項1号括弧内によれば、剰余金の配
   当を受けることも、株主総会の決議により、当該会社の株式を配当財産
   とすることもできない。


     本肢は妥当でない。 


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   本問では、妥当であるのは、ウのみであるから、1が正解である。

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 【発行者】司法書士 藤本 昌一
 
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