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                 ★  【過去問解説第107回 】  ★

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                                  PRODUCED BY 藤本 昌一
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  【テーマ】 行政法=行政手続

        
  【目 次】 過去問・解説
              

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 ■  平成24年度・行政手続3題
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 ◆ 問題 11

   廃棄物処理法*に基づく産業廃棄物処理業の許可は、都道府県知
 事の権限とされているが、それに関する行政手続についての次の
 記述のうち、妥当なものはどれか。ただし、廃棄物処理法には、
 行政手続に関する特別の定めはない。

 1 申請に対する処分の手続に関し、当該都道府県の行政手続条例
  に行政手続法と異なる定めがあったとしても、この処理業許可の
   申請の知事による処理については、行政手続法が適用される。

 2 国の法律である廃棄物処理法の適用は、全国一律になされるべ
  きであるから、同法に基づく知事による処理業許可に関する審査
   基準は、当該都道府県の知事ではなく、主務大臣が設定すること
   となる。

 3 申請に対する処分の審査基準は、行政手続法によって設定が義
  務付けられた法規命令であるから、廃棄物処理法に基づき知事が
   する処理業の許可についても、その申請を審査基準に違反して拒
   否すれば、その拒否処分は違法となる。

 4 一度なされた処理業の許可を知事が取り消す場合には、相手方
  に対して聴聞を実施しなければならないが、処理業の許可申請を
  拒否する処分をする場合には、申請者に弁明の機会を付与すべき
  こととされる。

 5 提出された処理業の許可申請書の記載に形式上の不備があった
  場合については、知事は、期限を定めて申請者に補正を求めなけ
   ればならず、直ちに申請を拒否する処分をすることは許されない。

   (注)* 廃棄物の処理及び清掃に関する法律


  ◆ 問題 12

   行政手続法における意見公募手続に関する定めについての次の記述
 のうち、妥当なものはどれか。

 1 意見公募手続の対象となる命令等は、外部に対して法的拘束力を
  有するものに限られるから、行政処分の基準は含まれるが、行政指
   導の指針は含まれない。

 2 意見公募手続における意見提出期間について、やむを得ない理由
  により、同法が定める期間を下回ることとされる場合には、その理
   由を明らかにしなければならない。

 3 意見公募手続を実施して命令等を定めた場合には、その公布と同
  時期に、その題名や公示日とともに、提出された意見のうち、同一
   の意見が法定された数を超えたものについて、その意見を考慮した
   結果を公示しなければならない。

 4 意見公募手続を実施して一般の意見を公募した以上、命令等を制定
   しないことは許されず、命令等を制定して、提出された意見等を公
   示しなければならない。

 5 意見公募手続を実施した結果、提出された意見が法定された数に
  満たない場合には、緊急に命令等を定める必要がある場合を除き、
   再度の意見公募手続を実施しなければならない。


  ◆ 問題 13

   行政手続に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、誤
 っているものはどれか。

 1 行政手続は刑事手続とその性質においておのずから差異があるこ
  とから、常に必ず行政処分の相手方等に事前の告知、弁解、防御の
  機会を与えるなどの一定の手続を設けることを必要とするものでは
  ない。

 2 公害健康被害補償法*に基づく水俣病患者認定申請を受けた処分庁
  は、早期の処分を期待していた申請者が手続の遅延による不安感や
  焦燥感によって内心の静穏な感情を害されるとしても、このような
  結果を回避すべき条理上の作為義務を負うものではない。

 3 一般旅客自動車運送事業の免許拒否処分につき、公聴会審理にお
  いて申請者に主張立証の機会が十分に与えられなかったとしても、
  運輸審議会(当時)の認定判断を左右するに足る資料等が追加提出さ
  れる可能性がなかった場合には、当該拒否処分の取消事由とはなら
  ない。

 4 国税犯則取締法上、収税官吏が犯則嫌疑者に対し質問する際に
  拒否権の告知は義務付けられていないが、供述拒否権を保障する
  憲法の規定はその告知を義務付けるものではないから、国税犯則
  取締法上の質問手続は憲法に違反しない。

 5 教育委員会の秘密会で為された免職処分議決について、免職処分
  の審議を秘密会で行う旨の議決に公開原則違反の瑕疵があるとして
  も、当該瑕疵は実質的に軽微なものであるから、免職処分の議決を
  取り消すべき事由には当たらない。

   (注)* 公害健康被害の補償に関する法律

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 ■  解説 
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  ★  参考文献

  行政法入門 藤田宙靖 著 ・ 行政法読本 芝池義一 著

    ・有斐閣発行

 
 ● 本問行政手続3題の解答指針と今後の課題

  
  ▲ 問題11

   行政手続法に関する基本的事項の理解と重要条文の把握によ
  って正解に達するので、今後もその観点に従って、準備すれば、
  本試験において、その効果を発揮すると思われる。

  ▼ 問題12

   普段はふれたことのない意見公募手続に関する細かい条文が
  出題されているので、今後とも、とくに本試験直前には、行政
  手続法の規定を隈なく読み込んでおくことが望まれる。

  
    △ 問題13

       本問では、主要判例の出題は一つだけであって、その他に
      ついては、一般の教科書では、十分に論じられているとは言
      い難い。行政手続に関して現存する厖大な量の判例について、
      本試験前に触れると同時に本試験当日その判決の要旨を記憶
      に留めることは大体において、無理である。この種の問題に
      ついては、法常識に照らし、未見の判例についての各肢の記
      述を比較衡量することにより、妥当であると思われる肢を選
      択するという、腹を据えた割り切りが必要だ。


  ● 各問の検討

  
  ▲ 問題11

  (1) 本問のポイント
         
        本講座でも度々ふれた次の重要条文に基づく基本的事項が
   把握されていれば、即座に1が妥当であること分かり、正解
   が得られる。

    行手法3条3項の適用除外の規定によれば、本問における
    地方公共団体の機関がする「廃棄物処理法に基づく産業廃
    棄物処理業の許可」は、その根拠となる規定が条例又は規
       則に置かれているものではなく、法律が根拠になっている
       ので、行手法の適用除外にならない。したがって、この処
       理業許可の申請の知事による処理については、行政手続法
       が適用される。 

    (2) 各肢の検討

    ○ 肢1について

    (1)本問のポイントの記述で足りるが、これに付加する
    と、本問には、「ただし、廃棄物処理法には、行政手続に
    関する特別の定めはない。 」とあるが、ここに、特別の定
       めがあれば、行手法1条2項により、廃棄物処理法が行手
    法に対して、一般法・特別法の関係に立つので、廃棄物処
    理法が優先適用になることに注意(※参考事項・サイト25
    回でも説明あり)。

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ※  参考事項

     ・メルマガ147回
     ・サイトオリジナル問題解答《50回》参照。
                       ↓ ↓
    http://archive.mag2.com/0000279296/20130611180000000.html

    http://examination-support.livedoor.biz/archives/2063249.html

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

       ○ 肢2について

     行手法5条1項によれば、審査基準は、行政庁が定める
    ことになているが、文理解釈をすれば、ここでいう行政庁
    は、処分庁であるべきである。したがって、本肢では、審
    査基準を認定するのは、当該都道府県の知事であって、主
    務大臣ではない。本肢は妥当でない。

     ※  参考事項

     本肢と類似の過去問としては、以下の平成19年問題1
    2肢オがある。

     国の法律に基づいて地方公共団体の行政庁がする処分に
        ついては、その法律を所管する主務大臣が審査基準を設定
        することとなる。

          勿論、本肢は妥当でない。

   
   ○ 肢3について

    審査基準は、行政立法からする区別に従えば、「法規命令」
   ではなく、「行政規則」に属するので、審査基準に違反して
   も違法とはならない。本肢は妥当でない。

    ※ 参考事項

   (1)「法規命令」と「行政規則」の区別
      
            「従来、行政法学では、ある行政立法が私人の権利・
       義務に対してどのような法的効果を持つかという
       見地から、『法規命令』と『行政規則』(行政命令)
       という2種類のものを、理論的に区別してきました。
       このばあい、『法規命令』というのは、私人の権利・
       義務に直接に変動をもたらす効果を持った行政立法
       のことで、これに対して『行政規則』というのは、
       それ以外の行政立法のことであるとされています。」
       (入門139頁以下)
    
   (2) 過去問との対照

     (a)平成19年度問題12
        肢ア

       審査基準の設定は、行政手続法の委任に基づくもの
          であり、申請者の権利にかかわるものであるから、審
          査基準も法規命令の一種である。

           勿論、本肢は妥当でない。

     (b)平成19年度問題12
        肢ウ

      審査基準に違反して申請を拒否する処分をしても、そ
     の理由だけで処分が違法となることはないが、他の申請
     者と異なる取扱いをすることとなるため、比例原則違反
     として、違法となることがある。

      前段は妥当であるが、後段は、「平等原則」違反とし
     て違法であるとするべきである。


    ○ 肢4について

          行手法が相手方に対して、意見陳述手続をを付与している
    のは、不利益処分であって、申請に対する処分については、
    それを拒否する処分であっても、不利益処分ではないので、
    申請の相手方に、弁明の機会は付与されない。本肢は妥当
    でない。
     
     ※ 参考事項
    
     不利益処分は、特定不利益処分とその他の不利益処分に
    分かれ、前者では、聴聞が行われ、後者では、弁明の機会
    の付与が行われる(行手法13条1項1号が特定不利益処
    分であり、同条1項2号がその他の不利益処分に該当する。
    なお、2条4号ロ参照)。
     したがって、一度なされた処理業の許可を知事が取り消
    す場合には、相手方に対して聴聞を実施しなければならな
    いとしている本肢の記述は、13条1項1号イの特定不利
    益処分の規定に照らし、妥当である。

       ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    肢2・3・4全体に関連するものとして、
   ・メルマガ151回
   ・サイト・オリジナル問題解答《53回》参照。  
              ↓ ↓
   http://archive.mag2.com/0000279296/20130708200000000.html
   http://examination-support.livedoor.biz/archives/2071096.html

   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   

  ○ 肢5について

     本肢は、行手法7条が適用されるが、同条によると、補正
    を求めずに直ちに申請を拒否する処分をすることも許される
    ので、本肢は妥当でない。

     ※ 参考事項
    
      行政不服審査法第21条との対比。

      この場合には、審査庁は、補正可能の場合は、補正を
     命じることが義務に なっていることに注意。

  
 ---------------------------------------------------------------

     以上によれば、本問の正解は、1である。

 ---------------------------------------------------------------
     

  ▼ 問題12


   本問と同種の問題については、たとえば、試験の直前ないし前日
  に丁寧に条文を読み込んでおくことに尽きるであろう。

   以下では、各肢について、条文を列記して、要点を示す
   
   ○ 肢1

    2条8号ニにより、意見公募手続の対象となる命令等には、行
   政指導の指針は含まれる(39条1項参照)。 妥当でない。
         
   
   ○ 肢2

    40条1項により妥当。

   
   ○ 肢3

    43条1項には、「提出された意見のうち、同一の意見が法定さ
   れた数を超えたものについて、その意見を考慮した結果を公示しな
   ければならない」という規定は存在しない。妥当でない。


   ○ 肢4

    43条4項により、命令等を制定しないことは許される。妥当で
   ない。

   
   ○ 肢5

    このような規定は、行手法に存在しない。43条1項2号によれ
      ば、提出意見がなかった場合でも、その旨公示して命令等を制定
      きるのであるから、本肢は妥当でない。

  -------------------------------------------------------------------
  
      以上により、正解は肢2である。

 --------------------------------------------------------------------


  ※ 過去問との対比 


   類似問題として、以下の過去問平成18年問題13がある。

     
   行政手続法に定める意見公募手続に関する次の記述のうち、誤って
    いるものはどれか。

    1 命令等を定めようとする場合において、やむを得ない理由がある
      ときは、その理由を公示した上で、30日を下回る意見提出期間を
      定めることができる。

  2 他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた命令等と実質的に
      同一の命令等を定めようとする場合に、意見公募手続を省略するこ
      とができる。

  3 意見公募手続を実施したが、当該命令等に対して提出された意見
      (提出意見)が全く存在しなかった場合に、結果を公示するのみで再
       度の意見公募手続を実施することなく命令等を公布することがで
       きる。

  4 意見公募手続を実施したにもかかわらず命令等を定めないことに
      した場合に、結果等を公示せずに手続を終了させることができる。

  5 委員会等の議を経て命令を定めようとする場合に、当該委員会等
       が意見公募手続に準じた手続を実施していることのみを理由として、
       自ら意見公募手続を実施せずに命令等を公布することができる。


  ================================

   本問についても、各肢について、条文と対照しながら検討しておく
    ことを勧める。  誤っているのは、4であって、4が正解である。

 =================================


 △ 問題13

    本問については、肢1は、最判平4・7・1民集46巻5号437頁
 成田新法事件判決であって、このとおりである。
  しかし、その他の判決については、なかなか決め手がない。

  ただし、肢2については、水俣病患者認定申請において、処分庁に本
 肢のような条理上の作為義務違反を認めた画期的判決であるようである
 (最判平3・4・26民集45−4−653)。 
  もし、頭の隅にそのような認識があれば、ないしはそのような推定が
 働けば、本肢は妥当でないと判断されるので、本問を正解とすることが
 できることになる。なお、当該判決は、国家賠償法に基づく損害賠償事
 件であって、行訴法に基づく不作為の違法確認の訴え(3条5号)でな
 いことに留意する必要がある。

  肢3〜5はこのとおり判示する判決があるので正しい。
  
  肢3は、最判昭50・5・29民集29巻5号662頁(群馬中央バス
 事件上告審判決)関連条文は行手法10条。

  肢4は、最判昭59・3・27刑集38巻5号2037頁。関連条文は
 憲法38条1項。

  
    肢5は、最判49・12・10判決

 ----------------------------------------------------------------

   本問の正解は、2である。

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 【発行者】 司法書士藤本昌一
 
  ▽本文に記載されている内容の無断での転載は禁じます。
 
  ▽免責事項:内容には万全を期しておりますが、万一当サイトの内容を
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             ★ オリジナル問題解答 《第51回 》★

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                     PRODUCED BY 藤本 昌一
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  【テーマ】 行政法

  【目次】   解説              
   
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 ■   オリジナル問題 解説
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  問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第148号に掲載してある。
 
 
  ☆ メルマガ第148回はこちら
           ↓
   http://archive.mag2.com/0000279296/index.htm
 
 
 ◆ 参考書籍 
  
   行政法入門 藤田 宙靖著・ 行政法読本 芝池 義一 /有斐閣

 
 ◆  関連サイト

 過去問の詳細な解説 第28回はこちら 
 http://examination-support.livedoor.biz/archives/662478.html
   
  当該サイトにおいて、本問の解答が示されている。以下では、一部
  の記述は当該サイトの解説と重複するが、各肢について検討を行い、
  その要点を述べた。


 ◆  各肢の検討


   ○ 肢アについて

    申請拒否処分は、申請者に不利益を及ぼすので、広い意味での不利
  益処分である。しかし、「申請に対する処分」と「不利益処分」は条
  文と構造を異にしているので、「申請に対する処分」である「申請拒
  否処分」に対し、「不利益処分」の規定が適用されることはない。

  ※ 注
  
   申請拒否処分については、行手法第2章の「申請に対する処分」が
 適用されるのであり、同法第3章の「不利益処分」の規定が適用され
 るのではない。

  2条4号ロの[不利益処分」除外規定は、注意的なものであろう。

    本肢は妥当でない。

  ※ 注

  申請に対する処分と不利益処分の違い。

  申請に対する処分とは、2条3号に規定があり、「国民の側からの
 申請があってはじめて行われる処分のことで、具体的には、認可・
 許可 や社会保障の給付決定を指している」(読本219頁))。
 
  不利益処分とは、行手法2条4号で定義がなされていて、「例えば、
 ホテル業などの営業の免許を撤回する処分、営業停止命令、工場の
 施設の改善命令などがこれに当たる」(読本225頁)。


 ○ 肢イについて

  理由の提示を必要とする行政処分の範囲

  行手法8条1項は、許認可等を拒否する処分、いわゆる拒否処分
 について、理由の提示を行政庁に義務づけている。

  同法14条1項は、不利益処分について理由の提示を義務づけて
 いる。

 
 ※ 注
 
  行政手続法の理由提示の義務は、許認可処分にまでは及んでいない。
 しかし、許認可処分であっても、理由の提示が要請される場合がある。
 「原子炉の設置の許可や公共料金の値上げの認可のように第三者利害
 関係人である住民の生活への影響が大きく、あるいは住民の関心が強い
 ものについては、理由提示の必要性は強い。・・・これは(理由提示
 の義務が許認可処分処分にまで及んでいないのは)、第三者利害関係人
 のことをあまり考慮していないという同法の限界の一つの表れである。
 (読本223頁))

  以上により、行政手続法の理由提示の義務は、許認可処分にまでは
 及んでいない。本肢は妥当でない。


 ○ 肢ウについて

    行政手続法に、理由の提示について、何も規定がないというのは、
  そのとおり。

   判例(最高裁昭和60・1・22判決民集39−1−1)は、根拠
 法条だけではなく、申請拒否処分すなわち、一般旅券発給拒否通知書
 に付記すべき理由としては、「当該規定の適用の基礎となった事実関
 係をも当然知りうるような場合を別として」処分原因事実をも提示す
 べきであるあるとしている(読本223頁)。

  妥当である。

 
  ○ 肢エについて

    肢イでも述べたとおり、 理由の提示を必要とする行政処分の範囲は、
  全体としては、広い意味での不利益処分であり、具体的には、申請拒
  否処分と不利益処分がこれに該当する。

 
   本肢は妥当である

 
  ○ 肢オについて

   行政手続法10条において、申請に対する処分について、公聴会の
 開催等の規定があるが、行政手続法は、許認可等を拒否する場合でも、
 相手方の意見を聴くことを予定していない(前掲読本 224頁)。

 
   妥当である。


 -----------------------------------------------------------------

  
 妥当であるのは、ウとエとオであるから、本問の正解は、3である。


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 【発行者】司法書士 藤本 昌一
 
 ▽本文に記載されている内容は無断での転載は禁じます。
 
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             ★ オリジナル問題解答 《第50回 》★

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  【テーマ】 行政法
    
  【目次】   解説
              
   
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 ■   オリジナル問題 解説
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  問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第147号に掲載してある。
 
 
  ☆ メルマガ第147回はこちら
           ↓
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 ◆ 参考書籍 
  
   行政法入門 藤田 宙靖著・ 行政法読本 芝池 義一 /有斐閣

 
 ◆ 関連サイト

  過去問の詳細な解説 第24回・第25回  
  
    第24回の詳細はこちら
    
    第25回の詳細はこちら     

    当該サイトにおいて、本問の解答が示されている。以下では、一部の
  記述は当該サイトの解説と重複するが、各肢について検討を行い、その
  要点を述べた。
 

 ◆ 各肢の検討

  
   ○  アについて


     すべて、行手法3条1項各号によって、適用除外されている。

    順次、15号、2号、9号。

    したがって、本肢は妥当でない。


 ○  イ、ウ、エについて。

  
    行政手続法3条3項においては、地方公共団体の行政に関して、行手法
  の適用除外される範囲を以下のように明確にしている。


 (1) 行政処分・届出→(地方公共団体の機関が定める)条例・規則に
               基づくもの。

  (2)行政指導→すべてのもの。


  (3)命令等制定→すべてのもの


 注 条例は、地方議会が定める。規則には、地方公共団体の長つまり
  都道府権知事や市町村長が定めるものと教育委員会などの委員会が
    定めるものがある(憲法94条、地方自治法14条1項、15条
  1項、138条の4第2項)。その規則には規程も入る(地自法
  138条の4第2項 、行手法2条1号)
  上記の「命令等の制定」にある「命令」とは、条例は含まず、規程
    含む規則が該当する。


   以上を前提にして、それぞれを検討する。


   ☆ イについて

   地方公共団体の機関がする行政処分については、法律に基づくもの
  は適用除外ではない(1)。
   これに対して、行政指導は、すべてのものが適用除外。(2)

   本肢は妥当である。

 
  ☆ ウについて

    地方公共団体の機関の届出については、法律に基づくものについては、
     適用除外ではない。(1)
  


     本肢は妥当。


  ☆ エについて

   (3)により、地方公共団体の制定する命令は、すべてのものが適用除外
   であるから、法律の委任によって制定されるものであっても、行政手続法
     の意見公募手続(第6章)に関する規定は適用されない。


      本肢は妥当である。

 

 ○ オについて


   行手法1条2項により、個別法律により、一定範囲で適用除外とされて
   いる立法例多数ある(国税通則法74条の2、生活保護法29条の2等)。
    (読本 218頁)

   
    本肢は妥当でない。

 -------------------------------------------------------------------------
   
  本問において、妥当でないのは、アとオであるので、正解は2である。

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 【発行者】司法書士 藤本 昌一
 
 ▽本文に記載されている内容は無断での転載は禁じます。
 
 ▽免責事項:内容には万全を期しておりますが、万一当サイトの内容を
       使用されたことによって損害が生じた場合でも、
       一切責任を負いかねますことをご了承ください。

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           ★ オリジナル問題解答 《第26回》 ★

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  【テーマ】  行政法

   
    
  【目次】    解説

              
   
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 ■   オリジナル問題 解説
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   問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第112号掲載してある。

 
 ☆ メルマガ第112回はこちら
           ↓
   http://archive.mag2.com/0000279296/index.htm
 
 
   
  ★ 参考図書
 
    行政法入門 藤田宙靖 著 ・ 行政法読本 芝池義一 著

    ・有斐閣発行

  ● 各肢の検討

 
  ○ アについて

      本肢は、平成23年度 問題8 ・肢2(メルマガ第112号
  参照)を参考にしたものである。
  
    いわゆる「宝塚市パチンコ条例事件判決」(最判平14年7月
    9日民集56巻6号1134頁)は、によれば、最高裁は、以下
  のように判決している。

    国または地方公共団体がもっぱら行政権の主体として(つまり
     公権力の行使の主体として)行政上の義務の履行を求める訴訟は、
     そういったことを認める特別の法律の規定がない限り許されない。

 
    当該判決に照らし、本肢は妥当である。

 

  ○ イについて

   本肢は、平成23年度 問題8 ・肢4(メルマガ第112号
  参照)を参考にしたものである。

      行政手続法上、 聴聞・弁明の機会の付与の対象にとされてい
   るのは、処分のうち「不利益処分」であるが、法的拘束力のない
   公表は、「不利益処分」に該当しない。したがって、聴聞はもち
   ろん、「弁明の機会の付与」の対象とされるということはあり得
   ない。

    したがって、以上の記述に従えば、本肢は妥当でない。

  
   ※ 参考事項

    行政手続法上、「弁明の機会の付与」の対象とされている処
   分について。

     処分については、申請に対する処分と不利益処分があるが、
    聴聞の対象になるのは、不利益処分のうちの特定不利益処分
    に限られる(行政手続法第二章・第三章・特に第13条第1
    項第一号イ〜ニ各号)。
    
     これに対し、「弁明の機会の付与」の対象になるのは、
    不利益処分のうちの特定不利益処分以外のものに限られる
    ことに注意(行政手続法第13条第1項第二号・第29条
    以下)。

   ○ ウについて

    本肢は、平成23年度 問題8 ・肢5(メルマガ第112号
   参照)を参考にしたものである。

       「二重処罰の禁止」 は、憲法39条が規定する「重ねて刑事上
      の責任を問はれない」ことを意味すると解されるところ、課徴金
      は、刑罰とは異なる行政上の不利益措置であるから、課徴金と刑
      罰の併科が、「二重処罰の禁止」に抵触することはない。

        以上の記述に従えば、本肢は妥当である。

  
  ○ エについて

        執行罰とは、義務を履行しない義務者に対して心理的強制を加
   えるために、金銭的な罰を科する方法であるが、行政上の強制執
   行の1種類であるから、罰金などの刑罰を併科することが二重処
   罰の禁止に抵触することはなく、許される。

    これに反する本肢は妥当でない。

  ○ オについて

   ここでは、平成21年度問題42・同18年度43(いずれも多
  岐選択式)について、実際に穴埋めを果したえで、本肢と関連する
  ところを抜粋する。

   ▲ 平成21年度

   行政上の義務違反に対し、一般統治権に基づいて、制裁として科
  せられる罰を行政罰という。
  
   行政罰には、行政上の義務違反に対し刑法典に刑名のある罰を科
  すものと、行政上の義務違反ではあるが、軽微な形式的違反行為に
  対し科す行政上の秩序罰とがある。

   秩序罰としては、届出義務違反などに科される過料がある。

   
   ▲ 平成18年度

   ・・行政上の義務の履行確保手段には、間接的強制手段として、
   行政罰がある。その中で秩序罰は、届出、通知、登記等の義務
   を懈怠した場合などに科される罰である。

   
    本肢は、前段は妥当であるが、最後尾の科料が過料であるべ
   きである。科料は刑事罰である(刑法9条参照)。本肢は妥当
   でない。

   ※ 参考事項

   1 平成21年度の文言を要約、図示すると、以下のとおりで
    る。

         
           行政刑罰
    行政罰=
           行政上の秩序罰

   
   2 平成21年度は、行政罰を「制裁として科される罰」として、
    捉えているが、平成18年度は、行政罰を「行政上の義務の履
    行確保手段」としての「間接的強制手段」とみている。
     本肢もまた、後者と同様の立場に立っている。

      3 行政刑罰と秩序罰の手続の違いについては、本欄《第25回》
    で述べたが、再説しておく。


     過料は、刑法に定められている「刑(罰)」ではありません
    から、刑法総則の規定は適用されないと考えられていますし
   (参照、同法8条)、また、その手続も、行政刑罰のばあいの刑
    事訴訟法によるのではなくて、法令に特別の定めがないかぎり、
      「非訴訟事件手続法」161条以下が定めているところによって
       おこなわれるものとされます。また、過料は、そもそも裁判所に
       ゆくことなく行政行為によって一方的に科されることもあります。
       たとえば地方自治法に定める過料がそのよい例です(参照 地方
       自治法15条2項、149条3号、231条の3第3項、255
       条の3など)

       《以上、入門から抜粋》

    
    なお、以上の理解のもとに、もう1度、平成21年度問題42
   全体を読み返せば、スッキリとするであろう。

    
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     本問では、妥当なものは、アとウであるから、正解は2である。

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   ★【 過去問の詳細な解説≪第2コース≫ 第 24回 】★      
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 2009/4/21


             
             PRODUCED by  藤本 昌一
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【テーマ】行政法・行政手続法の適用範囲その1
 

【目 次】問題・解説 
           
      

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■ 問題
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 平成13年度過去問

 次のうち、行政手続法の適用がないものは、いくつあるか。

 ア 外国人の出入国、難民の認定または帰化に関する処分

 イ 人の学識技能に関する試験または検定の結果についての処分

 ウ 審査請求、異議申立てに対する行政庁の裁決または決定

 エ 公務員に対してその職務または身分に対して行われる不利益処分

 オ 法令に基づき相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的とし、
     その双方を名あて人として行われる処分

 1 一つ 
 
 2 二つ
 
 3 三つ
 
 4 四つ
 
 5 五つ

 
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■ 解説
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 ▲ 参考書籍 行政法読本 芝池義一・行政法入門 藤田宙靖 ともに
    有斐閣発行

 ▲ 全体的感想

 本問を見ただけで、大半のひとは、うっとうしいと目をそむけたくなる。
 行政手続法3条の適用除外の細かい条文を全部覚えていなければ、正解
 は無理と身構えてしまうからである。しかし、細かい条文を全部知らな
 くても、理論(理屈)を積み重ねることにより、ある程度の推定はできる。

 ▲ ひとまず基礎知識


 行政手続法とは、
  
  行政手続には、行政処分などの行政庁の意思決定に至るまでの事前
  手続と行政上の不服申立て手続である事後手続がある。

         事前手続            事後手続

  申請------------処分←不服申し立て----------


  行政手続法は、行政手続のうち、事前手続の一般的な定めである。

  行政手続法のうち大きな比重を占めているのは、申請に対する処分、
  不利益処分、および行政指導に関する規定である(法1条参照)。

  注・行政指導は、相手方の任意の協力を得て行政目的を達成しようと
  するものであるから、処分に準ずるものとみてもよい。
 

 適用除外

  物事には、反対ないし裏からみた場合に真相が分かるということある。
  玄関から入らないで、裏口からそっと、のぞけば、その家の実際が
  みえるというのは、本当だ。
  「行政手続法の適用除外規定は、同法の性格を理解する上において、
 ・・看過できない意味を持っている」(読本)この法の場合には、
  そっと のぞかなくても、3条の適用除外規定によって、裏が堂々と
 公開されている。

  概括的に言うと、税金・社会保障・社会福祉・公務員の勤務関係・
  外国人行政などが適用除外となる結果、一般国民が、「生活者
  としての立場」でこの法の適用をうけることが相当に少なくなって
  いる。「こうした適用除外の結果、行政手続法は、『事業活動の法』
  ないし『経済活動』としての性格を濃厚に持つことになっている・・」
  (読本)つまり、事業活動等の許認可処分等において、行政手続法の
  適用を受けることが多いことになる。

 

 
 ▲  本問の検討

 全体として、

 「基礎知識」ないし「適用除外」の項を参照すれば、ア・エが適用除外
 であることは、比較的容易に察しがつく。 また、行政手続法が、事前
  手続の規定であることからすれば、事後手続であるウが適用除外である
 ことも分かる。問題は、イとオであるが、これについては、後の各肢の
  検討に譲る。
 

 各肢の検討

 問題は、アからオの肢が、法3条1項の16項目にわたる適用除外に
 該当するかどうかにかかる。それぞれ検討する(読本・参照)

 アは、10号に該当。外国人は日本人と同一に取り扱う必要は必ずしも
 ないのがその理由。

 イは、11号に該当。これについては、5条の審査基準の公表に
 なじまないためであるとされる。これは、推定は難しいかもしれない。
 条文知識が決めてか。

 注 審査基準は、今後、この講座にも登場するが、定義を示しておく。

  申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って
  判断するために必要とされる基準(法2条8号ロ)。

 ウは、15号に該当。これは、前述したとおり、事後手続であるため、
 当然の規定。

 エは、9号に該当。7号、8号とともに整理しておくとよい。

 「 学校・刑事施設のの在学・被収容関係や公務員の勤務関係には、
 一般の行政上の法関係とは異なるところがあることが適用除外の
  理由である」

 オは、12号に該当。行政手続法は、行政庁の処分に対し、私人の
 権利利益を保護する趣旨のものである(法1条1項)ことに鑑みると、
 私人間の間の利害を調整する裁定に適用されないというのが、実質的
 理由と考えられる(私見)。

    行政庁           行政庁
     
     ↓縦の関係         ↓

     私人        私人←--------→私人
                     横の関係


 したがって、本問は、すべて適用除外とされ、行政手続法の適用
  がないものは、すべてで、五つの5が正解である

 

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