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        ★ 過去問の詳細な解説《第2コース》第65回 ★
       
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                                   PRODUCED by 藤本 昌一
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   【テーマ】 処分についての審査請求
 
      
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 ■ 問題 平成21年度問題14
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    処分についての審査請求に対する裁決に関する次の記述のうち、
  妥当なものはどれか。
 
   1 裁決には理由を附することとされているが、これが附されて
   いなくとも、裁決が違法となることはない。
 
   2 裁決においては、違法を理由として処分を取消すことはできる
   が、不当を理由として取消すことはできない。
 
   3 裁決は、書面ですることが原則であるが、緊急を要する場合は、
     口頭ですることも許される。
 
   4 裁決に対して不服がある場合でも、これに対して行政事件訴訟法
   による取消訴訟を提起することはできない。
 
   5 裁決においては、処分を変更することが許される場合でも、これを
   審査請求人の不利益に変更することはできない。
 
  
 
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 ■ 解説
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  ☆ 参照書籍
 
     行政法読本 芝池 義一著・行政法入門 藤田 宙靖著
   /有斐閣
 
  ◆ 序論
 
   不服申立ての種類
 
    行政不服審査法は、不服申立ての種類として、「異議申立て」
  「審査請求」「再審査請求」の三つのものを定めている。
   
   「異議申立て」というのは、問題となっている処分をした
   (またはしなかった)行政庁それ自体(処分庁または不作為庁)
     に対する不服申立てである。
 
    これに対して「審査請求」 とは、それ以外の行政庁
    (上級監督庁であるのが普通であるが、 そのための特別
    の機関が設けられているケースもある)に対する不服
      申立てである。(同法3条2項)。
    
    また「再審査請求」というのは一度審査請求をおえたのち
     にさらにおこなう、例外的な不服申立てなのであるが(同法3条
   1項)、行政不服審査法自体が定めている特定のばあいのほか
     は、法律または条例によって特に定められているばあいにだけ、
   その法律・条例が特にに定める行政庁に申立てできる(同法8条
   1項および2項参照)
 
    異議申立てに対して行われる裁断行為は「決定」とよばれ
     同法47条)審査請求および再審査請求に対するそれは、「裁決」
   とよばれている(同法40条、55条)。
   (以上、入門235頁以下参照)。
 
    本問は、以上の記述のうち、(再)審査請求に対する「裁決」
     に関して問うている。
 
 
 
   
    
  ◆ 本論
 
   1・3について
 
    行審法41条1項によれば、裁決の方式として、書面で行い、
   かつ理由を附すことになっている。
   
    1について、条文の上で、「しなければならない」と規定され
  ていることからすれば、裁決に理由が附されていなければ違法
  になる。
   行手法の規定によく見られる「努めなければならない」が
  努力義務であることと対比される。
 
   1はここが論点だ!!
 
   3について、書面で行うことの例外規定は設けられていない。
 
   以上1・3も誤りである。
 
    以下、2点に注意。
 
  ア 序論2で明らかにしたように、「決定」の方式も同様である
  (48条)。
 
  イ 書面に関して、不服申立て方式(9条1項)がある。
     他の法律・条例に 口頭ですることができる旨の定めがある場合
   を除き、書面の提出が義務づけられている。
   
   この場合も、「裁決」「決定」共通である(9条は通則)
 
   なお、口頭による請求手続は、「裁決」も「決定」も行審法
   16条の規定による(48条参照)。
    
   
   以上の点は過去問で度々問われている。
 
   行政不服審査法によると、不服申立ては、他の法律に口頭で
   することができる旨の定めがある場合を除き、書面を提出して
    しなければならない。○
  (平成12年度問16 肢1)
 
   審査請求は、口頭ではすることができない。× 例外あり。
   (平成13年度問15 肢3)
 
   審査請求は、書面によりなすことが原則であるが、審査請求人が
   求めたときは、口頭による審査請求も認めなければならない。
    (平成18年度問14 肢1)
   
     × 審査請求人の請求の制度はない。
    
 
  ウ 審理の方式は、行審法25条1項による。書面による。
   ただし書きがある。
 
    この場合も、裁決・決定とも共通である(48条参照)。
 
    以上の点は、過去問で度々問われている。
 
   審査請求においては、口頭審理が原則であるが、異議申立てに
   おいては、書面審理が原則である。× 両者とも書面審理が原則。
   (平成19年度問16肢4)
 
   審査請求の審理は、書面による。ただし、審査庁は、必要がある
  と認めるときは、審査請求人又は参加人の申立てにより、申立人に
  口頭で意見を述べる機会を与えることができる。
  (平成10年度問49 肢4)
   
  × ただし以下が、義務的である。
   
 
   審査請求の審理は、書面によってなされるが、とくに審査庁が
   必要と認めた場合に限り、審査請求人は、口頭で意見を述べること
  ができる。(平成18年問14 肢2)
 
  × 後段誤り
 
 
   不服申立ての審理は書面によるのが原則で、不服申立人に口頭意見
   陳述の機会を与えるのは、不服申立てを審査する行政庁が必要と認めた
  場合である。 × 後段誤り。
  (平成15年度問16 オ)
 
   注 3問続けて、ただし以下が義務的であるかどうかに、本試験が
    拘泥するのは、すこし不思議でもある。
 
 
  エ 以上、審査請求と書面については、裁決の方式(41条1項)
   ・不服申立ての方式(9条)審理の方式(25条1項)があること、
    いずれも「裁決」・[決定」に共通であることを銘記すべきである。
 
    裁決の方式についての出題は、私の知る限り、平成21年度が初め
   てである。
   
    
     2について
            
 
    行審法第1条1項によると、「不当な処分」も不服申立ての
   対象としている。
  
  以下の記述にも注意。
 
  「・・裁判所というのは、もっぱら、紛争を法的に解決することをその
  任務とする機関ですから、裁判所が審理できるのは、とうぜんに法問題
 ( 行政処分の違法性)にかぎられ、自由裁量行為のばあいに行政庁がおこ
  なった裁量が不当ではなかったかどうか、といったような判断はできない
  わけですが、行政上の不服申立てのばあいだったらそういった制限はない、
  ということになります」(入門233頁)。
 
   したがって、本肢は誤りである。
 
  なお、この場合も不服申立てには、審査請求と異議申立てを含むので、
  本肢では、「決定」にも当てはまる。
 
  以上と類似の過去問は、下記のとおりである。
  
      行政不服審査法は、「行政庁の違法な処分その他公権力の行使に当
    たる行為」に限り不服申立てのみちを開いている。 
   (平成14年問15 肢2)
           
     取消訴訟においては処分の適法性のみを争うことができるが、行政
    不服申立てにおいては処分の適法性のみならず、処分の不当性をも
    争うことができる。                                                
   (平成18年度問16 肢5)
 
    前者では、「不当な処分」がも含まれるので、誤りで、後者が正しい。
 
  4について
 
   行政事件訴訟法3条1項2号によると、裁決に対して不服がある場合、
  抗告訴訟の対象になる。 誤りである。
   
   なお、当該規定によると、当然「決定」も対象になる。
 
  注
    また当該規定によれば、行訴法上の用法に従えば、「異議申立ての決定」
  に対する取消しも含めて、単に「審査請求の裁決」の取消しとよばれる
   ことに十分注意を要する。
 
   この点、行政事件訴訟法では、行政審査法上の用語とは異なっている
  ので、初学者を惑わせるこの用語法は法律で是正されることが望ましい
  という指摘がある。(読本260頁)
 
   
 
  5について
 
    40条5項によれば、審査庁が、処分庁の上級行政庁であるとき
  における「裁決」において、処分の変更が許される。
  この場合には、審査請求人の不利益変更禁止の原則が働く(同条
  同項ただしがき)。
 
  したがって、本肢は正しい。本肢が正解である
 
 
  以上と類似の過去問は、以下のとおりである。
 
  行政不服審査法は、行政の適正な運営も目的としているので、
  裁決で処分を変更する場合、審査庁は、審査請求人の不利益に
  当該処分を変更することを命じることもできる。
 (平成19年問14 肢4)
 
  前述したところにより、これは×である。
 
 
  ◆ 付言
 
    本問肢5の正解を導くには、過去問にふれていればよかったのである。
 
   行政不服審査法に関しては、本試験日とそう遠くない日に、じっくりと
  条文と過去問を対照しておけばよい。
 
  なお、当該解説欄の記述では、類書とは異なった観点から多角的な分析
  を試みている。
 
    それは、本講座が、「オリジナル解説」のゆえんであるが、その評価は
   皆様に委ねる。
 
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  【発行者】司法書士 藤本 昌一
 
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