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             ★ オリジナル問題解答 《第5回 》 ★

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                        PRODUCED BY 藤本 昌一
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  【テーマ】  行政法
   
    
  【目次】    解説

              
   
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 ■ 行政法・オリジナル問題 解説
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   問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第91号に掲載してある。

 ★ メルマガ第91回はこちら↓
   http://archive.mag2.com/0000279296/index.html

 
 ▲  問題 1

  
  ◎ 序論

   不服申立ての種類

   行政不服審査法は、不服申立ての種類として、「異議申立て」
 「審査請求」「再審査請求」の三つのものを定めている。
  
  「異議申立て」というのは、問題となっている処分をした
  (またはしなかった)行政庁それ自体(処分庁または不作為庁)
    に対する不服申立てである。

   これに対して「審査請求」 とは、それ以外の行政庁
   (上級監督庁であるのが普通であるが、 そのための特別
   の機関が設けられているケースもある)に対する不服
     申立てである。(同法3条2項)。
   
   また「再審査請求」というのは一度審査請求をおえたのち
    にさらにおこなう、例外的な不服申立てなのであるが(同法3条
  1項)、行政不服審査法自体が定めている特定のばあいのほか
    は、法律または条例によって特に定められているばあいにだけ、
  その法律・条例が特にに定める行政庁に申立てできる(同法8条
  1項および2項参照)

   異議申立てに対して行われる裁断行為は「決定」とよばれ
    同法47条)審査請求および再審査請求に対するそれは、「裁決」
  とよばれている(同法40条、55条)。
  (以上、入門235頁以下参照)。


  ◎  各肢の検討

 
  ○ ア・イについて

     行審法41条1項によれば、裁決の方式として、書面で行い、かつ
     理由を附すことになっている。
  
      条文の上で、「しなければならない」と規定されていることからすれ
  ば、 裁決に理由が附されていなければ違法になる。
  
     行手法の規定によく見られる「努めなければならない」が努力義務で
    あることと対比される。

     以上の規定は、処分についての異議申立てに準用されている(48条)


-------------------------------------------------------------------

   以上からすれば、裁決・決定いずれにおいても、書面で行い、理由を
  附することが義務である。したがって、これに反するア・イとも妥当で
  ない。                   

-------------------------------------------------------------------
 
 
  ○ ウについて
  
   行審法第1条1項によると、「不当な処分」も不服申立ての対象と
  している。
 
   以下の記述にも注意。

 「・・裁判所というのは、もっぱら、紛争を法的に解決することをその
 任務とする機関ですから、裁判所が審理できるのは、とうぜんに法問題
( 行政処分の違法性)にかぎられ、自由裁量行為のばあいに行政庁がおこ
 なった裁量が不当ではなかったかどうか、といったような判断はできない
 わけですが、行政上の不服申立てのばあいだったらそういった制限はない、
 ということになります」(入門233頁)。

  この場合における、不服申立てには、審査請求と異議申立てを含むので、
  本肢では、「決定」にも当てはまる。

------------------------------------------------------------------
   
    以上の記述に相応する本肢は、妥当である。

-----------------------------------------------------------------
 
 
  ○ エについて

   行政事件訴訟法3条3項によると、裁決・決定に対して不服がある
   場合、 抗告訴訟の対象になる。 
  
   また、行審法は、審査請求と異議申立ての関係については、相互
  独立主義を採用しているのである(5条・6条参照)から、決定に
    対して、不服がある場合にも、取消訴訟を提起できる。

----------------------------------------------------------------
  
    以上の記述に反する本肢は妥当でない。

-----------------------------------------------------------------

 
  ○ オについて

   40条5項によれば、審査庁が、処分庁の上級行政庁であるとき
   における「裁決」において、処分の変更が許される。
    この場合には、審査請求人の不利益変更禁止の原則が働く(同条
   同項ただしがき)。
 
   以上と類似の過去問は、以下のとおりである。

   行政不服審査法は、行政の適正な運営も目的としているので、
  裁決で処分を変更する場合、審査庁は、審査請求人の不利益に
  当該処分を変更することを命じることもできる。
 (平成19年問14 肢4)

   前述したところにより、これは×である。

--------------------------------------------------------------------
 
    以上の記述に相応する本肢は、妥当である。

------------------------------------------------------------------

 
   本問については、ウとオが妥当であるから、正解は4である。


 ▼ 問題 2
  

 ★ サイト39回  参照

  ★ 各肢の検討

   アについて

   法3条1項によれば、不服申立ての種類は、このとおり、3種類
  であり、正しい。

   イについて

       再審査請求とは、一度審査請求を終えた後にさらに行う例外的な不服
   申立てである(法3条1項)。この申立ては、当該審査請求の裁決に
   不服がある場合、当然にすることができるのではない。
    行政不服審査法自体が定めている特定の場合・法律または条例によって
     特に定められている場合にだけ、その法律、条例が特に定める行政庁へ
     申立てができる(法8条)。したがって、法律に「再審査をすることが
     できる旨」の定めがある場合に当該申立てができる。

     本肢は誤りである。

      ウは47条1項で「裁決」が「決定」である。誤り。

   エは40条2項により正しい     

   オは、47条2項で、「却下」が「棄却」である。誤り。

   以上については、次の公式が該当する。

    不服申立て要件をみたさないときは、門前払いの「却下」。
    本案の審理がなされたうえ、言い分を認めないときは、「棄却」。

     異議申立てに対する裁断行為が「決定」であり、審査請求に
    対しては「裁決」である。 
    
     結局、これらの組合わせの問題である。

--------------------------------------------------------------------

     以上、ア・エが正しくて、正解は3である。
          
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  ◆ 参照書籍

    行政法読本 芝池 義一著・行政法入門 藤田 宙靖著
  /有斐閣   


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 【発行者】司法書士 藤本 昌一

 【運営サイト】http://examination-support.livedoor.biz/
       
 【E-mail】<fujimoto_office1977@yahoo.co.jp>
 
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              ★ オリジナル問題解答 《第3回 》 ★

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                         PRODUCED BY 藤本 昌一
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  【テーマ】  行政法
   
    
  【目次】    解説

              
   
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 ■ 行政法・オリジナル問題 解説
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   問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
 第89号に掲載してある。

 ◆第89号はこちら↓
http://archive.mag2.com/0000279296/20110207150232000.html
 
 ★ 参考書籍 
  
  行政法入門 藤田 宙靖著・ 行政法読本 芝池 義一 /有斐閣

 

 ◆  問題 1


  ▼ 各肢の検討


   ○ アについて。

  最高裁判所は、行政手続法の行政指導の定義に依拠しながら、「一般
 に、行政機関は、その任務ないし所掌事務の範囲内において、一定の
 行政目的を実現するため、特定の者に一定の作為又は不作為を求める
 指導、勧告、助言等をすることができ」る、と判示している(前掲
 読本57頁)。
 
  したがって、アは正しい。

 注
 1 上にいう判決とは、1955(平成7)年2月22日のロッキード
   事件丸紅ルート大法廷判決のことである。
 
 2 定義は、行手法2条6号。行政指導の一般原則の規定は32条1項 。
 
 3 行政機関の任務と所掌事務は、各省の設置法などで規定されている。
 
    環境省設置法は、「環境省は、地球環境保全・・・・・その他の
 環境の保全を図ることを任務とする。」というように環境省の
「任務」を一般的に定め、その具体的内容を「所掌事務」として25項目
 にわたり列挙している。
  ちなみに、最多の所掌事務を誇るのは128項目の国土交通省。次いで
 110項目の厚生労働省。(読本57頁以下)

  ○ イについて。

   アで述べたとおり、「行政機関の任務または所掌事務の範囲」
 において、行政指導が行われるのであり、行政指導については、
 法律ないし条例の授権を要しない。
  また、行政手続条例において、 行政指導について、条例の授権
 を要すると定めることは許されない。
 
  したがって、本肢は妥当でない。

 注
   地方公共団体の行う行政指導には、行手法の規定が適用されないので、
 行政手続条例が定められ、その規定に従うことになる。(法3条3項・
 46条)しかし、その規定において、行政指導に条例の授権を要すると
 定めることは許されないのである。

 

  ○  ウについて。

  ア・イで述べたところで明らかなように、、行政指導は、各省設置法に
 基づく任務ないし所掌事務の範囲で事実上行われる(行手法2条6号・
 32条1項)。

 一般に、法的拘束力を有しないとされている。本肢は妥当である。
 
 
  ○ エについて 

   行政指導の一般原則として、行政指導における不利益取扱いの禁止が
 行手法に規定されている(32条2項)。
 

  問題は、本肢の後段部分である。これは、農業従事者に対する減反の
 行政指導が念頭にあるものと思われる。行政指導に従った者は補助金
 をもらうことができるが、その指導に従わなかった者は、補助金を
 もらえないことが、後者に対する「不利益取扱い」になるのではないか
 という問題である。これについては、行政実務上では、「行政手続法が
 禁止しているのは、『行政指導に従わない者に対する不利益措置』であり
 『行政指導に従った者に対する優遇措置』は別である」という説明が
 なされているようである。(読本160頁)。

   当該行政指導は、不利益取扱いに含まれないとすべきである
 から、本肢は妥当でない。

 
  ○ オについて


   ここでは、行手法33条の規定に関する説明を提示する。

 
 「 建築確認の申請でよく問題になるが、適法な申請であっても、
 当該マンヨンの建築に際し、近隣の苦情のため、適法な申請で
 あっても、その建築確認を受理せず、留保したままで、行政指導
 を続けるということがある。
  この場合において、「『申請者が当該行政指導に従う意思が
 ない旨を表明した』場合には、行政指導を続けることによって
『申請者の 権利の行使を妨げて』はならない、つまり申請者が自己
 の欲する申請をすることを妨げてはならない」ということになる。
(読本161頁)
 つまり、建築確認を受理しなければならないことになる。
 
  なお、このような事案に対して、最高裁判所は、建築確認の
 留保が違法になるための要件の一つとして、「行政指導に対する
 建築主の不協力が社会社会通念上正義の観念に反するものと
 いえるような特別の事情が存在しない」ことを挙げている
(最判昭和60年7月16日)
  
   つまり、近隣住民が当該マンションの建築により受忍の
 限度を超える苦痛を蒙る場合には、適法な建築確認を留保して、
 住民の立場に立って、行政指導を継続することが適法になる
 のであろう。このような行政指導(ほかにも地方公共団体が環境
 保全のなどのために事業者に対する行政指導がある)は、地方公共
 団体によって行われるために、「地方公共団体の行政手続条例では、
 行政指導を尊重すべきことを定めたり、行政指導を広げる規定が
 おかれることがある。」(読本161頁)

 行手法46条にも注意せよ!

  この規定は行手法と同一内容の行政手続条例の制定を求めて
 いるのではない。むしろ法の趣旨にのっとりその地方公共団体
  の独自性を生かした方向での条例の制定が望まれる。

 以上により本肢は妥当である。

 
   以上妥当でないのは、イ・エであるから、正解は3である。


   ▼ 付 言

   最高裁判所の判例もあり、重要論点を含むのは、とりわけ
 オの肢ないしその解説であると、私は思う。

 

 ◆  問題 2

  
  ☆   参照サイト  行政法・審査基準 第27回

     第27回はコチラです↓
   http://examination-support.livedoor.biz/archives/640603.html


   ▲ 総 説

     審査基準とは

      「申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定め
     に従って判断するために必要とされる基準」である(行手法2条8
     号ロ)。

    処分基準とは

   「不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかに
  についてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準」
    である(行手法2条8号ハ)。

   裁量基準

     これらは、「法律で裁量権が認められ、または政令・省令などにも
   十分に具体的な規定がない場合に、行政庁に行政裁量の基準つまり裁
  量基準を作らせ、それを手がかりに審査をするという方法である。」

 ( 前掲読本76頁等参照 )

  ▲ 各肢の検討 

 
    ◎ 肢アについて 
  

  審査基準は、行政立法の一つである。
  
  その行政立法には、2種類がある。その一つが「法規命令」であって、
 これは、法的拘束力を有する。
 もう一つは、「行政規則」であって、法的拘束力を有しない。
 
  審査基準は、「行政規則」に該当する

  したがって、本肢の「処分が違法となることはない」という記述は
 正しい。

 この場合には、憲法14条の平等原則違反に反し、違法となることが
 あるので、本肢の後段の記述も正しい。

 本肢は、全体として、正しい。

   
  ☆ 参考事項

  (1)平成19年度過去問 問題12・肢ウに注目!

   審査基準に違反して申請を拒否する処分をしても、その理由
    だけで処分が違法となることはないが、他の申請者と異なる
    取扱をすることになるため、比例原則違反として、違法となる
    ことがある。

      ×

   比例原則違反ではない。平等原則違反である。

   (2)処分を行う際の裁量基準(処分基準)の「平等原則」をズバリ
   問うたものとして、平成19年度過去問・問題42がある。

     ☆ サイト23回参照

     第23回はコチラです↓
    http://examination-support.livedoor.biz/archives/592220.html

 
  ◎ 肢イについて

   
    本問は、題意が掴みにくい。
  
  平成21年度問題11・肢エにおいて、以下の肢が出題された。

   「 審査基準には、法律に基づき処分の要件を定める政省令は含まれ
  ない。」

    ○ である。

   行手法2条8号イ・ロが手がかりになる。
    まず、イの法律に基づく命令が、「法律に基づき処分の要件を定める
  政省令」に該当する。
  次に、ロには、審査基準が掲げてある。

  イとロが並列して列記されている以上、イには、ロは含まれないことに
   なり正しい。それにしても、なんとも紛らわしい記述である。

  端的に言えば、政省令は、「法規命令」であり、審査基準は、「行政
  規則」であるから、両者は厳然と区別される。


  本肢に戻ろう。ハには、処分基準が掲げらているので、審査基準も処分
 基準も、政省令には含まれないので、本肢は誤りである。

 
   ◎ 肢ウについて

   行手法5条1項と同法12条1項の対比から、審査基準が法的義務と
  されるのに対して、処分基準の設定が努力義務であって、逆である。

  本肢は誤りである。

 
   ☆ 参考事項

  (1) それぞれの公表義務についても、同様に、審査基準が法的義務
     であり(5条2項)、処分基準が努力義務である(12条1項)。

  (2) 行手法5条1項の「・・・とする」文言は、通例は義務づけを
     回避するために用いられるものであるが、処分基準の「・・・・
     努めなければならない」という文言と比較すると、審査基準の
     設定を行政庁に原則として義務づけるものと解釈するのが自然
     である。」(読本220頁参照)

  (3) 処分基準の公表が努力義務にとどまるのは、「処分基準を公表
         すると、場合によっては、違反すれすれの行為が行われたり、処分
         を巧妙に免れる脱法行為が行われたりすることがあることに配慮し  
         たためである。」(読本225頁)。

 
 
  ◎ 肢エについて

       肢ア・エで述べたとおり、両者とも、行政規則に該当するので、
   正しい。

 
   ◎ 肢オについて

      行手法法2条8号ロ・ハによれば、審査基準も処分基準も、 同法39
   条1項のいう「命令等」に該当する。
    したがって、両者を設定するには、行政庁は、原則として、意見公募
 手続 を実施しなければならないが、同法39条4項各号に該当するときは、
  これを実施しなくてもよいとされる。

  以上によれば、本肢は、明らかに誤りである。

 

  本問は、アとエが正しいので、正解は1である。
 

 

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 【発行者】司法書士 藤本 昌一

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               ★ オリジナル問題解答 《第1回 》 ★

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 ■ 行政法・オリジナル問題 解説
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  問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】第87号
 に掲載してある。

  ★ メルマガ第87回はこちら↓
 http://archive.mag2.com/0000279296/index.html

 
▲ 問題1   

    ★  総 説
 
   A

   地方公共団体の行政に関して、行政手続法の適用が除外される範囲
   (3条3項)
   
   イ 行政処分・届出→(地方公共団体の機関が定める)条例・規則に
              基づくもの。

   ロ 行政指導→すべてのもの。

 
   ハ 命令等の制定→すべてのもの

 
  注 条例は、地方議会が定める。規則には、地方公共団体の長つまり
  都道府権知事や市町村長が定めるものと教育委員会などの委員会が
    定めるものがある(憲法94条、地方自治法14条1項、15条1項、
  138条の4 2項)。その規則には規程も入る(地自法138条の4 2項
    行手法2条1号)
  上記の「命令等の制定」にある「命令」とは、条例は含まず、規程
    を含む規則が該当する。


  B

  行政処分・行政指導

  イ 3条1項の適用除外類型

   他の法律で定めるのは当然であって、特別の定めではない。

  ロ 3条1項に該当しない類型

   他の法律に特別の定めがあって、行政手続法の規定に抵触する場合
  には一般法と特別法の関係に立ち、他の法律優先(法1条2項)

  届出

   当然ロに該当するため、他の法律が優先。法1条2項には、「届出に
  関する手続」が明確に掲げてある。


 ★ 各肢の検討

     1について。

    法3条3項によれば、総説・Aロに従い、行政指導については、
   行政手続法第4章の行政指導の規定の非適用ということになる。

    これに対して、地方公共団体の機関がする行政処分については、

    行政手続法は、法律に基づく地方公共団体の行政処分には原則
      として適用される。 

        つまり、地方公共団体の機関がする行政処分であって、その根拠
   となる規定が条例または規則に置かれているものでないものについ
   ては、行政手続法が適用される。 
   
   
    したがって、本肢は、「行政指導」には該当しない。誤りである。

   
   2について。

    本肢は、総説B・ロに該当し、1条2項に基づき、他の法律が
   優先する場合が想定されている。
    この場合、たとえば、生活保護法29条の2で、処分について、
   12条と14条を除いて、行手法を適用しない旨規定している。
    したがって、行手法の一部適用を認めることもできる。

    本肢は、誤りである。

   3について。

    3条3項によれば、総説Aイに基づき、根拠が法律の場合、適用
   される。

    本肢は、誤りである。

     
   4について。

    3条3項によれば、総説Aハに基づき、地方公共団体の機関が定
   めるすべての命令に関し、行手法は適用されない。

   本肢は、誤りである。

   
   5について。

        行政手続条例とは

       行手法の適用のないつまり法3条3項により適用除外になる地方
     公共団体の行う「処分・行政指導・届出・規則・規程については
     地方公共団体が『行政運営における公正の確保と透明性の向上を
     図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。』こと
     になっており、(法46条)」(読本)これに基づいて、多くの
     地方公共 団体が制定しているのが、行政手続条例と呼ばれる。

       この手続条例においては、行手法と同一内容の行政手続条例の
   制定を求めているのではない。むしろ、法の趣旨にのっとり
   その地方公共団体の独自性を生かした方向での条例の制定が
   望まれる。

   したがって、行政手続条例が、地方公共団体における行政手続に
  ついて、行政手続法と異なる内容の定めをすることも許されない
  わけではない。

   本肢は、正しい。
 
------------------------------------------------------------------
  
   以上、正しいのは、5であるから、本問の正解は、5である。

------------------------------------------------------------------

  
 ▲ 問題 2 
 

 ◆  総説
 
   (読本219頁図表をアレンジした)
 
                  1 意見陳述手続             

          2 基準設定

         3 理由提示

          4  文書閲覧
    
          
               (前記1 2 3 4に対応)
                                   ↓
               
               1    2    3     4

  ☆  申請に対する処分       

              なし   審査基準  あり    なし
            (ただし       (拒否処分
              公聴会)      について)
                      
 ☆ 不利益処分                   


 (1)「特定不利益処分」   聴聞   処分基準    あり     あり
         
   
                     
 
 (2)「その他の不利益     弁明   処分基準  あり     なし
     処分」


   
 注        

  a 行政処分は、「申請に対する処分」(第2章・2条2号、3号)と
 「不利益処分」(第3章・2条4号)に分かれる。

  b 意見陳述手続については、「申請に対する処分」につき、10条
   の公聴会の規定があるだけで、申請者の意見陳述手続はない。

  c 「不利益処分」における意見陳述手続については、(1)1の聴聞
   を経る場合と(2)1の弁明の機会の付与を経る場合に分かれる。
  
    このうち、丁寧な手続である聴聞は、許認可を撤回したり 資格
   または地位を剥奪するといった相手方に重大な不利益を与える
   不利益処分について行われる。これが(1)の「特定不利益処分」
   であり、13条1項1号に列挙されている。
    
    これに該当しない(2)の「その他の不利益処分」においては、
   略式手続である弁明の機会の付与の手続が採用される。
  (13条1項2号・29条以下)

  以上を総括すると、 行政手続法上、聴聞を経る処分が、(1)
  の「特定不利益処分」に該当し、弁明の機会の付与を経る処分が
(2)の「その他の不利益処分」に該当することになる。


 ◆  各肢の検討
 

 ○ 1について

  5 条と12条参照。逆であり、誤。

  なお、審査基準が法的義務であり、処分基準が努力義務であることに注意。
 処分基準の公表は、悪用されるおそれがあるあるため、努力義務にとどまる。

 ○ 2について

  申請に対する処分については、申請者の意見陳述手続の規定はなく、
 10条に公聴会の定めがあるだけである。 誤。

 ○ 3について

  不利益処分のうち、特定不利益処分(13条1項1号)は聴聞の実施。
 その他の不利益処分には、29条以下の弁明の機会の付与が行われる。
 
 正しい。

 ○ 4について

  申請に対する処分のうち、理由の提示が義務づけられているのは、
 拒否処分だけである(8条)。誤。

 ○ 5について

  文書閲覧の制度が、申請に対する処分に適用がないのは、そのとおり。
 不利益処分については、聴聞を伴う特定不利益処分にのみ、当該制度
 が適用される。その他の不利益処分には、これは、適用されない。
 
 誤り。


  正解は3である。

 

 ◆  参考書籍 
  
 行政法入門 藤田 宙靖著・ 行政法読本 芝池 義一 /有斐閣


  ★ サイト25回参照↓
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 【発行者】司法書士 藤本 昌一

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