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★ オリジナル問題解答 《第20回 》 ★
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PRODUCED BY 藤本 昌一
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【テーマ】 行政法
【目次】 解説
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■ オリジナル問題 解説
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問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
第106号に掲載してある。
☆ メルマガ第106回はこち
↓
http://archive.mag2.com/0000279296/index.htm
★ 参考図書
行政法入門 藤田宙靖 著 ・ 行政法読本 芝池義一 著
・有斐閣発行
※ 本問については、メルマガ第106号■ 過去問 解説欄も
参照されたい。
▲ 各肢の検討
○ 肢アについて
内閣府設置法64条によれば、内閣府に置かれる委員会及び
庁は、公正取引委員会・国家委員会・金融庁・消費者庁である
ので、その点においては、前段は正しい。
しかし、金融庁長官・消費者庁長官と並んで各委員会には、
別に法律の定めるとろにより、独自の規則制定権がある(内閣
設置法58条4項)ので、その点は妥当でない。
○ 肢イについて
国家行政組織法別表第一によれば、いずれの委員会も、各省の
外局として置かれている。しかし、国家行政組織法13条1項に
より、各委員会には、独自の規則制定権がある。その点、妥当で
ない。
※ 肢ア、肢イに関する参考事項
(1) 内閣に置かれる内閣府は、各省庁・各委員会に適用される
国家行政組織法が適用外になっているため(同法1条)、
国家行政組織法13条1項に相当する規定が、内閣設置法
58条4項に規定されていることに注意せよ。
(2) ここで取り上げられている行政委員会の特徴は(a)複数
の委員で構成される合議制行政機関であること、(b)審議
会とは異なり、対外的行為権限を行使することを予定されて
いて、行政庁として行為する権限を与えられていること、
(c)大臣との関係で、職権行使の独立性が認められている
こと、 である。
(3)行政委員会は、国家行政組織法の適用を受けるが、このほか
に、同法の適用を受けない会計検査院・人事院(独立行政機
関)が存することにも注意せよ(メルマガ第106号■ 過
去問 解説欄 ● 総説 参照)。
○ 肢ウについて
地方自治法138条の4第2項によれば、普通地方公共団体の委
員会は、法律の定めるところにより、規則制定権があるので、本肢
は正しい。本肢は妥当である。
なお、地方公共団体の行政委員会は、地方自治法180条の5に
おいて、それぞれ列挙されていて、その特徴は、前記※ 肢ア、肢
イに関する参考事項(2)に掲げた国の行政委員会と同様である。
○ 肢エについて
地方公共団体の長は、法令に違反しない限り、その権限に属する
事務に関し、規則を制定することができる(地方自治法15条1項)。
この場合には、法律の授権は必要ではないので、本肢は妥当でな
い。
○ 肢オについて
政令については、憲法73条6号但し書き。省令については、国家
行政組織法12条3項。外局規則については、同法13条2項。内閣
府令については、内閣府設置法7条4項により、法律の委任がなけれ
ば、刑罰を設ける規定を置くことがきない。
地方自治法14条3項によれば、条例において、法律の個別的委任が
なくても、一定の範囲の刑罰を科する旨の規定を設けることできるとし
ている。
したがって、本肢は妥当である。
※ 参考事項
(1) 条例における罰則を定めた地方自治法14条3項については、
「地方公共団体はもともと罰則を定める権限を有しないので、この
規定により罰則制定が委任されているという説と、この規定は、
地方公共団体が本来有する罰則制定権を制限したものであるという
説がある」(前掲 読本)。
(2) 条例に対し、地方公共団体の長の定める規則には、原則として、
5万円以下の過料(行政上の秩序罰)を科する規定しか設けるこ
とができないことに注意せよ(地方自治法15条2項)
(3) 本肢で列挙された政令・内閣府令・省令・外局規則は、行政手続
法2条8号イ前段に規定する「政省令」に該当することに注意せよ
(メルマガ第106号■ 過去問 解説欄 ● 総説 参照)。
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以上により、妥当でないものは、ア・イ・エであるから、3が正解で
ある。
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▲ 付 言
本問は、本年度本試験から過去問をへと辿り、法令に関しては、憲法・
行政手続法・国家行政組織法・内閣府設置法・地方自治法を網羅すると同
時に国と地方公共団体の行政委員会の関係・あるいは政省令と条例との比
較までをも考察したものであり、しかもここで採用された論点は、いずれ
も重要度の高いものばかりである。
そのバック・ボーンにあるのは、条文であり、過去問であり、そして
極めて定評のある学術書である。
このささやかな問題・解説が再スタートをきられた皆様の勉強の一助と
なることを祈念するばかりである。
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【発行者】司法書士 藤本 昌一
【運営サイト】http://examination-support.livedoor.biz/
【E-mail】<fujimoto_office1977@yahoo.co.jp>
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★ オリジナル問題解答 《第13回 》 ★
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PRODUCED BY 藤本 昌一
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【テーマ】 民法
【目次】 解説
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■ 民法オリジナル問題 解説
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問題は、メルマガ・【行政書士試験独学合格を助ける講座】
第99号に掲載してある。
☆ メルマガ第99回はこちら↓
http://archive.mag2.com/0000279296/index.htm
▲ 問題 1
★ 各肢の検討
○ 1について
判例によれば、立法権および司法権の行使も国家賠償法1条1項の
「公権力の行使」に当たる。
本肢は正しい。
しかし、以下の点に注意すべきである。
裁判官がした争訟の裁判については、当該裁判官の単なる過失では
なく、違法又は不当な目的をもって裁判をしたなどの特別の事情が
なければ国 の賠償責任の問題は生じないとするのが判例の立場で
ある。(最判昭57・3・12・・)
立法権も賠償責任の対象になるが、国会議員の立法行為等が、違法
の評価を受けるのは、例外的であることにに注意。(最大判平17・
9・14・・)
○ 2について
国公立病院での医療事故については、民法の規定を適用するという
実務が、最高裁判所昭和36年2月16日判決=東大病院梅毒輸血事件
以来定着している(但し、予防接種被害については、国家賠償法1条1
項が適用されている。東京高等裁判所平成4年12月18日判決)。
(読本)
以上、本肢は正しくない。
○ 3について
国家賠償法1条1項を見ると、加害者が正規の公務員であることが
公権力行使責任が認められるための要件であるように見える。しかし、
裁判例ではそうは考えられていない。加害行為が行政の仕事、つまり
公務であればよいと考えることができる。(読本)
したがって、特殊法人の職員であっても、公務に従事していれば、
法1条1条1項の「公務員」に該当する。
以上の趣旨に従えば、判例は、一時的に公務を行う非常勤公務員
を法1条の「公務員」とみるので、この者の行為に起因する損害は、
国家賠償責任の対象となる。
以上、本肢は正しくない。
○ 4について
国家賠償法1条1項の「公務員が、その職務を行うについて」という
規定は、加害行為が厳密に公務そのものに該当しない場合であっても公務
との間に一定の関連性を持つ行為(公務関連行為)による被害についても
公権力行使責任が認められるという意味である。(読本)
最高裁判所はその適用の場面として、「客観的に職務執行の外形をそな
える行為」について、国・公共団体の賠償責任を認めるという外形主義の
考え方をとる。(読本)
しかし、
この外形主義による国・公共団体の賠償責任が認められるためには、
加害公務員が正規の公務員でなければならないし、また加害行為はその
公務員の職務の範囲内でなければならないとするのが定説である。
したがって、正規の公務員でない者が警察官を装って私人に損害を
与えても、都道府県の責任は認められない。(読本)
また公務員ではあるが警察官ではない者が警察官を装って損害を与えた
場合も都道府県の責任は認められないことにも注意せよ(読本)。
以上の記述に反する本肢は正しくない。
○ 5について
代置責任説は、公権力行使責任を、加害者である公務員が負うべき
賠償責任を国・公共団体が代位したものと捉える。この説によると、国・
公共団体の賠償責任が認められるためには、加害公務員を特定しその
公務員に過失があったことを証明する必要があると言えそうである。
他方、自己責任説(公権力責任を本来的に国・公共団体が負うべき
責任として理解しようとする説)に立つとこの必要性はない。ここに、
代置責任説と自己責任説の対立の一つの意味があると言える。
もっとも、今日では、・・過失は客観的に捉えられ、組織過失・・が
認められるようになっているので、代位責任説に立っても、加害公務員
を特定してその公務員に過失があったことを証明する必要はないだろう。
(読本)。判例も同様の立場に立つ。《最判昭57・4・1・》
95)
本肢は、代位責任説に引っ張られたたものであり、判例では加害公務
員の特定を要しないとするから、本肢は正しくない。
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以上により、本問は1が正しい。
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▲ 問題 2
★ 各肢の検討
○ 1について
平成21年度問題20において、「権限の不行使と国家賠償責任」
に関する最高裁判所判例が出題されたが、本肢は、当該テーマにつ
いての最高裁が示す基本的見解である(最判平1・11・24・・)。
平成21年度問題20肢3の示す以下の記述も同旨である。
国または公共団体の公務員による規制権限の不行使は、その権限を
定めた法令の趣旨、目的や、その権限の性質等に照らし、具体的事情
の下において、その不行使が許容される限度を逸脱して著しく合理性
を欠くと認められるときは、その不行使により被害を受けた者との関
係において国家賠償法1条1項の適用上違法となる。
以上により、本肢は正しい。
○ 2について
公定力とは。
特定の機関が特定の手続によって取消す場合を除き、いっさいの者は、
一度なされた行政行為に拘束されるという効力をいう。
・・
したがって、「違法な行政行為も取消されるまでは原則として有効で
・・
ある」ことになる。原則論からいえば、「行政行為は公定力を有するから、
正当な権限を有する行政庁又は裁判所により取り消されるまでは一応有効
である」ことになる。
以上、 「公定力」という観点 からすると、違法な行政行為も一応有効
であることになる。そうすると、当該行政行為の違法性を理由に国家賠償
を行う場合にも、あらかじめ当該行政行為の取消し等の判決を得て違法で
あることが確定していなければならないことになる。
しかし、そこまで、「公定力」を拡大すべきではない。当該国家賠償請
求訴訟において、違法性を判断してもらえばよいといことになる(最判
S36・4・21・・同旨)
以上の記述からすれば、本肢は誤りである。
○ 3について
本肢は、以下の判例を想定している。
第三者が国道上に故障車を交通に危険な状態で放置して相当時間を
経過したにもかかわらず、道路管理者がこれを知らず、道路の安全
保持に必要な措置を全く講じなかったときは、道路の管理に瑕疵が
ある(最判S50・7・25・・)。
上記判例に照らし、本肢は正しい。
○ 4について
最判S45・8・20・・によれば、「その過失の存在を必要と
しない」としているので、本肢は正しい。
○ 5について
最高裁判所は、本肢のとおり、外形主義の考え方をとっている
ので、本肢は正しい(最判S31・11・30・・・)。
△ 参照サイト・過去問の詳細な解説 第42回・ 第70回・第71回
★ サイト・過去問の詳細な解説 42回 参照↓
http://examination-support.livedoor.biz/archives/870896.html
★第70回↓
http://examination-support.livedoor.biz/archives/1369392.html
★第71回↓
http://examination-support.livedoor.biz/archives/1394869.html
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以上誤りは、2であるから、正解は2である。
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【発行者】司法書士 藤本 昌一
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